2019 年 9 月 16 日 |
- MRA外国為替レポート(9月16日号)
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1.先週の市場総括
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先週は前週からのリスク回避が後退する流れが続き、株価は堅調、
米長期金利は大きく上昇し、円安傾向が続いた。米中通商問題は中
国が米農産品など一部に対する追加関税の適用を除外、トランプ政
権は中国からの一部輸入品に対する追加関税引き上げを10月15日に
延期し、引き続き交渉進展期待が高まった。
ECBは金融緩和を実施。ただ追加緩和が想定しにくくなったとの見
方もあり、ユーロは堅調に推移した。米10年債利回りは前週末の
1.55%から週末には1.90%へと大幅上昇。2年債は1.53%から1.80%へ
大きく上昇し、逆イールドは解消して金利差は広がった。
ドル円相場は週初106円80銭で始まり107円台後半で上下したのち
108円台を回復したが上値重く、週末は108円10銭で引け。
ユーロ円相場は117円80銭で始まり週央には119円台に。ECB金融緩
和で一時117円台に下落したが週末には120円に接近。引けは
119円70銭台。
日経平均はリスク選好の回復、米国株の堅調、ドル円相場の上昇に
支えられ堅調。週初21,200円で始まり週末は21,400円近辺に上昇し
て引けた。
月曜日の東京市場のドル円相場は106円80銭で始まり早々に107円を
つけた。日経平均は21,200円台で寄り付き上昇、21,300円近辺でも
み合い横ばいとなり引けは300円台。前週からのリスク選好回復の
流れが続き株高・円安傾向。中国株・上海総合指数は景気対策を好
感して7月初以来の水準に上昇した。
海外市場では米長期金利がボトムアウト感からの上昇が続き、10年
債利回りが1.65%、2年債利回りが1.59%に上昇。米国株はまちまち
だったが、ディフェンシブ銘柄が調整。リスクへの備えを緩める動
き。
ドル円相場は107円ちょうどを中心に上下した後、一段高。引けは
107円20銭。ユーロ円相場は東京市場では117円80銭で始まり118円
台に上昇すると海外市場では118円50銭で引けた。
火曜日の東京市場のドル円相場は107円20銭台で始まり一時50銭に
上昇。その後は20銭〜40銭で上下した。ユーロ円相場は118円50銭
で始まり118円60銭中心にもみ合い。ユーロドル相場は1.1040〜50
近辺で概ね横ばいもみ合い。
日経平均は引き続き堅調。海外投資家の買いも支えとなり21,350円
で始まり400円台に。350円〜400円でもみ合い、引けは21,400円近
辺。
海外市場では、米国株が引き続きまちまちの動き。セクターロー
テーション、入れ替えで業種によって上下動。そうしたなかリスク
選好回復の流れのなか米長期金利はさらに大幅上昇。10年債利回り
は1.74%、2年債利回りは1.68%。
円は一段安となり、ドル円相場は107円50銭〜60銭、ユーロ円相場
は118円70銭台に上昇して引けた。
水曜日の東京市場ではさらに小幅ながら円安が進んだ。ドル円相場
は107円50銭〜60銭で始まり午後には80銭近辺で上下。ユーロ円相
場は118円70銭台で始まり一時119円台に上昇。ただその後はユーロ
が軟調となり118円50銭に押し戻された。ユーロドル相場は1.1050
近辺から1.1020に下落。
日経平均は21,450円で始まり堅調。21,600円の高値引け。海外市場
に入ると米国株は堅調な展開となり大幅高で高値引け。米中通商交
渉の進展期待が株価を押し上げた。
中国が対米輸入品の一部に対する追加関税の見送りを発表。トラン
プ政権は中国からの一部輸入品に対する追加関税の適用を10月1日
から15日に延期するとした。
ただ米長期金利は上昇一服。10年債利回りは1.74%、2年債利回りは
1.68%で前日とほぼ同水準だった。ドル円相場は107円70銭〜80銭で
底固い値動き。ユーロ円相場は118円30銭に下落していたが持ち直
し、引けは118円50銭。ユーロは翌日にECB理事会を控えて軟調とな
り、ユーロドル相場は1.10を割り込んだが引けは1.1010。
木曜日の東京市場ではさらに円安。ドル円相場は107円80銭で始ま
り108円10銭に上昇。ユーロ円相場も118円70銭から119円ちょうど
に上昇してもみ合い。
日経平均は米国株高、堅調なドル円相場、に支えられ21,800円に一
段高で寄り付き。その後は800円中心に上下し引けは21,760円近辺。
ドル円相場は午後には押されて107円80銭〜90銭で推移。その後は
海外市場のECB理事会の結果待ち。
ECBは予想通り金融緩和を決定。中銀預金金利を現行の▲0.40%から
▲0.50%に0.10%ポイント引き下げ。債券購入を再開(11月1日から
毎月200億ユーロ)しインフレ目標に必要な限り継続、
一部超過準備についてマイナス金利を免除、フォワードガイダンス
を変更し、2%弱としているインフレ目標にしっかりと見通しが収束
していくまで現行またはそれ以下の水準にとどまる、とした(2020
年半ばまで、から変更)。
結果を受けてユーロは大幅下落。ユーロドル相場は1.1020から
1.0930へ、ユーロ円相場は119円ちょうど近辺から117円60銭へ。
米長期金利も低下し、10年債利回りは1.74%から1.70%割れとなりド
ル円相場も107円50銭台に小幅下落した。
しかし、債券購入に対してドイツ、オランダなど中核国が反対して
いたことが明らかに。またドラギ総裁が財政出動の必要性を強調し
たことでさらなる緩和への期待が後退。ユーロは急反発した。ユー
ロドル相場は1.1080へ、ユーロ円相場は119円80銭へ急上昇。
また発表された米国の消費者物価指数(8月)はコア指数が前年同
月比+2.4%と前月+2.2%から上昇率加速して予想+2.3%を上回った。
これらを受けて米10年債利回りは反発上昇して1.79%に、2年債利回
りは1.73%に。ドル円相場は108円20銭に上昇し引けは108円10銭。
ユーロ円相場は上昇一服して引けは119円60銭台。ユーロドル相場
は1.1060。そうしたなか米国株は続伸の後、頭打ち反落して小幅高。
トランプ大統領が、中国との暫定的な合意に扉を開いているが、持
続的な合意がより望ましい、とコメント。米中合意への楽観が株価
を支えた。
金曜日の東京市場のドル円相場は108円10銭で始まり20銭を中心に
上下。その後は108円ちょうど近辺でもみ合い。ユーロ円相場は
119円60銭で始まり70銭中心に上下、さらに上昇して120円に接近し、
その後は119円70銭〜90銭で上下した。
日経平均は21,900円で高寄りした後、22,000円手前でもみ合い。利
益確定売りに上値を押さえられたが堅調に推移した。引けは22,000
円ちょうど近辺。
海外市場では米国株が引き続き堅調に推移。NYダウは8営業日続伸。
小幅高もみ合い、横ばいで引け。その傍らで米長期金利はさらに大
幅上昇。株価の上昇を抑制した。米10年債利回りは1.90%に、2年債
利回りは1.80%に上昇した。
発表された米国の小売売上高(8月)は前月比+0.4%と前月の+0.7%
から伸びは減速したものの予想+0.3%より強め。ミシガン大学消費
者マインド指数(9月)は92.0と前月89.8から上昇し予想90.9を上
回る強い数字だった。
ドル円相場は108円10銭中心に上下してそのまま引け。ユーロ円相
場は119円70銭〜80銭でもみ合い引け。ユーロドル相場は
1.1070〜80。
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