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MRA 商品市場レポート for PRO

2019 年 7 月 19 日
「エネルギーセクター軟調もその他総じて堅調」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「エネルギーセクター軟調もその他総じて堅調」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はソフトコモディティや畜産セクター、貴金属など
の景気非循環系商品、非鉄金属が物色されたが、エネルギーセク
ターが広く売られた。

エネルギーはむしろ買い材料のほうが多かったが、それでもイラン
と米国の先頭にはならないとの楽観や、一目均衡表の雲を下抜けし
たことでテクニカルな売り圧力が強まったため、水準を切り下げて
いる。

昨日は、フィラデルフィア連銀指数が市場予想に反して大幅な改善
となった状態で、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁が利下げに積
極的な発言をしたことでドル安が進捗。

フィラデルフィア連銀指数の改善は利下げ期待の高まりで、製造業
の「マインド」が改善したことが影響したとみられるが、一昨日発
表された米住宅着工などのハード指標は鈍化している。


【本日の価格見通し総括】
本日は目立った手がかり材料がないが、足元、中央銀行の金融政策
動向に注目が集まりやすいため、米連銀総裁発言に注目したい。

本日は、ボストン連銀とセントルイス連銀の総裁の講演が予定され
ているが、投票権のあるボストン連銀ローゼングレン総裁の発言に
より注目が集まるだろう。

もはや「タカハト」は、タカハトを分類する意味はほとんどなくな
ってきているがローゼングレン総裁は投票権をもつタカ派だが、利
下げに関して否定的な発言をする可能性があり、ドル高進行でドル
建て資産である商品価格には広く下押し圧力がかかる可能性がある
と考える。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日発表された日本の貿易統計は、輸出金額が前年比▲6.7%(前月
▲7.8%)、輸入が▲5.2%(▲1.5%)と輸出入とも前年比マイナスの
状態が続いた。

結局、世界の景気が減速していることや米中通商交渉が難航してお
り、相互関税引き上げの状態が継続していることが重なり、貿易フ
ローが鈍化しているためと考えられる。場合によると今回の米中首
脳会談で回避された追加関税第4弾が発動される可能性も排除でき
ない状況。

今回の統計で眼を引いたのは、米国向けの「半導体製造装置」の輸
出が増加している点。まだ詳細は分からないものの、米中通商戦争
の長期化観測が日増しに強まっているため、半導体製造を中国から
米国に移す動きが始まっている可能性が考えられる。

こうした「自国回帰」の動きが通商面で対立している国同士では起
こりやすい。このことは、制裁によって関係が悪化した国家間のト
レードフローは変化する可能性が高いことを示している。

その意味で、関係が悪化している韓国と日本の対立は長期にわたる
リスクになる可能性がある。GDP規模世界10位になった韓国はこれ
までと同じ韓国ではなく、相手がGDP規模3位の日本であっても徹底
抗戦の構えを崩していない。そう簡単にこの勝負を降りてくるとは
思えないため、事態の長期化が予想され、日韓を含むアジア地区で
のトレードフローを大きく変える可能性がある。

さらに懸念されるのは、韓国政府は野党と共闘して日韓の軍事同盟
を破棄する方向に舵を切ろうとしていることだ。報道を見る限りは
かなり鮮明に北朝鮮寄りにシフトしている。

ちなみに文在寅大統領の任期は2022年5月まで、安倍晋三首相は政
策運営にミスがなければ2021年9月の自民党総裁任期まで首相を務
めることになる。お互いの任期満了で交渉相手が変わり、事態が進
展するとしてもそれはまだまだ先のことである。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%
程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対し
て下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。米中協議の不透明感を背景
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得
移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行
も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をし
たわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場
合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を
期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソ
ン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高ま
っている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
詳細を見る
2019 年 7 月 18 日
「米統計悪化を受けて高安まちまち」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「米統計悪化を受けて高安まちまち」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はソフトコモディティやに畜産セクター、貴金属な
どの景気非循環系商品が物色され、非鉄金属もドル安の進行で引け
にかけて水準を切り上げた。

米中交渉の楽観が後退したことや、米住宅関連統計の減速が景気循
環銘柄の下押し要因となる一方、金融政策などの景気対策期待が高
まったことが価格の押し上げ要因となった。

なお、上昇率上位にニッケルがランクインしているが、インドネシ
アが先週発表した2022年からの輸出規制再開が材料視され、ショー
トの買戻しが続いているとみられることによる。


【本日の価格見通し総括】
本日は日本の貿易収支などが発表されるが、商品市場への影響は限
定されるだろう。市場に影響がある材料とすれば米フィラデルフィ
ア連銀景況指数に注目している。

市場予想は5.0(前月0.3)と改善が見込まれており、需要回復期待
を高め景気循環銘柄価格の上昇要因となるだろう。

ただ、目立った材料が出てきてるわけではないため、総じて商品価
格は現状のレンジワークを継続するものと考えている。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
トランプ大統領は中国との交渉は長期化するとの見通しを示した。
予想通りではあるが、米国は議会も含めて中国との通商戦争が完全
勝利となるまで継続する意向のようだ。

25%の関税引き上げは、賃金上昇で中国から周辺諸国への工場シフ
トをさらに加速させている。意図的に米国が、「中所得国の罠入り
を加速させる戦略」を取っているとも解釈できる。

結果、この20年間で構築された国際的な商流が大きく変化する可能
性が出てくる。特に人口ボーナス期入りし、次の世界経済のけん引
役として期待されるインドへのシフトが進む可能性は高いとみてい
る。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%
程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対し
て下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。米中協議の不透明感を背景
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得
移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行
も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をし
たわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場
合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を
期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソ
ン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高ま
っている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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2019 年 7 月 17 日
「欧州統計悪化を受けたドル高進行で総じて安い」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「欧州統計悪化を受けたドル高進行で総じて安い」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は畜産セクターの一部や、中国の公共投資期待を受
けて投機筋の買戻しが入ったと考えられる非鉄金属が堅調だったが、
それ以外の商品は欧州統計の悪化を受けてドル高が進行したため売
られる流れとなった。

独ZEW景況感指数は、現状指数が▲1.1(市場予想5.0、前月7.8)、
期待指数が▲24.5(▲22.0、▲21.1)と市場予想・前月も下回った
ためユーロ安・ドル高要因となった。

パウエル議長の利下げ強調発言はすでに織り込みで、ほとんど材料
視されなかった。


【本日の価格見通し総括】
本日はまず米国時間の後場後半に発表されるベージュブックに注目
が集まる。米国内経済が市場の想定よりも堅調である、という見方
が示されて利下げ期待が後退する、あるいは、想定以上に減速して
いて利下げ期待がさらに高まる、ということになれば話は別である
が、それほど悪化も、改善もしていないと考えられる。

すでにパウエル議長は利下げ方針を明らかにしているため、今回の
ベージュブックではサプライズがないと考えられる。

その他経済統計で注目は、EU27ヵ国新車登録台数(前月140万台)、
米住宅着工(市場予想前月比▲0.7%の126万戸、前月▲0.9%の126.9
万戸)、住宅着工許可件数(+0.1%の130万戸、+0.7%の129.9万戸)
に注目している。

欧州の自動車販売は減速している可能性が高く、米住宅着工も減速
している公算であり、ここまで投機の買戻しで上昇している非鉄金
属価格を押し下げるのではないか。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日、MMT理論で名前が売れ始めている、ニューヨーク州立大学の
ケルトン教授が来日し講演を行った。

従来の経済理論では、政府の財政赤字が拡大すると金利が上昇し、
信用低下や景気悪化につながるとされてきたが、MMT(現代貨幣理
論)では、インフレが顕在化しなければ、自国通貨発行権を所有す
る政府が積極的な財政出動を行っても、通貨発行で借金を返済でき
るため、国家は破綻しないという理論。

新しく出てきた理論というよりは、日本の状況を見て編み出された
理論といったほうが適切かもしれない。そして、ケルトン教授の言
う通り、今のところ日本はインフレにはなっていないし、恐らく新
しい需要が生み出されなければ、インフレにはならないだろう(そ
の意味で、新規需要を生み出すと期待されるイノベーション推進は
必須)。

こうした金融緩和や財政に関わる理論や意見は多数存在し、多くの
場合議論の前提が異なるため、リフレ派と反リフレ派の対立のよう
に意見が全くかみ合わず議論が紛糾することが多い。

しかし、どのような金融政策、財政政策であっても、長期的に見れ
ば経済に中立であり、足元で得たメリットは将来的に返さなければ
ならないことだけは間違いがない。言葉を変えると、「現在の政策
を変更する瞬間が必ず訪れる」ということである。

これまで日銀は、「出口に関して言及すると、効果が薄れる」とし
て、明確な出口戦略を示していない。まだ「足元のメリットの取得
方法にはいくつも手段がある」というスタンスを維持している。

今までの日銀の政策が正しい、正しくないはこのコラムでは議論し
ないが、リスクの視点からは、現在の政策を継続することに伴う
(あるいは現在の政策を終了するときに発生すると懸念される)、
将来のリスクについてもう少し幅広く、広範な議論をするべきと考
える。

実際にリスクが顕在化してから対応してもやれることは限られる。
まさに「火事になってから保険に入れない」事態が想定される。

そこで出てくる意見やリスクの想定は、正しい、正しくないはなく、
想定されるリスクに備えるという意味で重要なステップといえるだ
ろう。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%
程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対し
て下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。米中協議の不透明感を背景
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得
移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行
も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をし
たわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場
合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を
期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソ
ン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高ま
っている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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2019 年 7 月 16 日
「中国統計を受けて高安まちまち」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「中国統計を受けて高安まちまち」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は高安まちまちとなった。注目の中国の経済統計は
GDPが1992年来の低水準となり、景気減速が確認されたが、同時に
発表された固定資産投資や鉱工業生産投資は市場予想を上回り、中
国政府の経済対策の効果が徐々に顕在化しているなど、統計も強弱
まちまちだったため。


【本日の価格見通し総括】
本日予定されている統計では、米小売売上高に注目している。市場
予想は前月比+0.1%(前月+0.5%)と減速見込みであり、除く自動車
ガソリンでも+0.3%(+0.5%)と減速の予想。

FRBパウエル議長は雇用統計の改善があっても利下げの意思を固め
ているようだが、本日の統計はその意思を裏付けるものになるか否
か注目したい。

また、減速感が強まっているドイツの景況感の先行指標であるZEW
景況感指数期待指数(市場予想▲22.0、前月▲21.1)にも注目して
いる。

景気の減速感と金融緩和・経済対策期待で結局はもみ合うと考える。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日発表された中国のGDPは前年比+6.2%と1992年以来の低成長とな
った。米国の経済制裁の影響が顕在化した形だ。

しかし一方で、6月の鉱工業生産は前年比+6.3%(市場予想+5.2%、
前月+5.0%)、固定資産投資は主に民間部門の成長が回復したこと
で1-6月期は+5.8%(+5.5%、+5.6%)と加速、小売売上高も+9.8%(+
8.5%、+8.6%)とこちらも回復した。

いずれも中国政府の経済対策の効果がようやく顕在化したことによ
るもの、と見られるが金融政策が素直に経済に波及していない状況
を勘案すると、今後利下げや金融緩和の可能性は否定しないものの、
当面はより直接的な財政出動に軸足が置かれることになるだろう。

今後の見通しについては、中国の構造的な景気成長ペースの鈍化に、
循環的な景気減速、米国の制裁が継続することで、今回の回復が持
続的なものになるとの見方は大勢を占めておらず、むしろ下期に成
長がさらに鈍化する、との見方は根強い。

米国との交渉次第の面は否めないが、仮に合意があったとしても
「より酷い減速を回避できた」という程度のものにとどまるのでは
ないだろうか。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%
程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対し
て下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。米中協議の不透明感を背景
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得
移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行
も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をし
たわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場
合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を
期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソ
ン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高ま
っている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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2019 年 7 月 12 日
「天候要因で天然ガスや穀物高い」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「天候要因で天然ガスや穀物高い」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、欧州の天候要因を受けて天然ガスや穀物が買わ
れ、FRBの▲50bpの利下げ期待を受けて投機の買戻しが入った非鉄
金属が高かったが、その他は売られた。

ただし、雇用統計以降米国の長期金利は上昇しており、政策動向と
長期金利動向の整合性が取れていない状況。


【本日の価格見通し総括】
本日は中国の貿易統計に注目している。市場予想は貿易収支が450
億ドルの黒字(前月 416.6億ドルの黒字)、輸出が▲1.4%(+1.1
%)、輸入が▲4.6%(▲8.5%)と見込まれている。

中国国内の景況感の悪化から輸入が減少し、貿易黒字が増加すると
の見方が大勢を占めている。

先日発表のPPIの数字を見るに、中国の景気が減速していることは
明らかで、今後、緩和的な金融政策が強化される可能性は高く、財
政出動も検討されることになると予想される。

しかし、中国のサイフも小さくなってきており、効果は限定的か。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
一昨日のニュースだが、米国がペルシャ湾周辺を通行するにあたり、
融資連合で艦船を護衛する案を日本に対して打診してきた。

このタイミングで「イラン沖」と書くと、米国とイランの緊張が高
まっていることに伴う「踏み絵」にも見えるが、そういった意味合
いではなく、単純に軍事費の削減を図りたい、というトランプ政権
の意向を示したものと考える方が妥当だろう。

正確には対象地区はホルムズ海峡とバブエルマンデブ海峡周辺であ
るため、この海域全体を有志同盟でカバーするということである。
この点、非常にトランプ政権のメッセージはシンプル、というか一
貫しており「基本、カネは払いたくないので、自分で負担しろ」と
いうことなのだろう。

通商交渉に直面している日本は、こうした安全保障を担保に取られ
ながらの交渉を余儀なくされる可能性が高く、特に農畜産品分野で
の大幅な条件緩和を求めてくることは確実である(ただし、この場
合でもペルシャ湾周辺の共同作業には参加しない、という選択は許
されないだろう)。

そうなった場合、日経新聞の記事にもあるように、海上自衛隊を派
遣するにあたりどういった枠組みで派遣するのかが問題になってく
る。日経新聞の解説を少し拝借すると、今後、以下のような法的枠
組みを検討する必要が出てくる。

安全保障に基づく集団的自衛権は、「日本が存立危機事態」に陥る
と横死できるが、ホルムズ海峡の封鎖(となるかどうかわからな
い)状況での派遣には野党が異論を唱えるだろう。国民も実際に原
油の輸送が止まったり、実際に日本人が亡くなるということがない
限り、賛成するとは言い難い。

放置した場合に日本に武力攻撃の恐れがある「重要影響事態」とし
ても街頭するかどうかは微妙だ。

海上自衛隊行動は日本に関係がある船舶を保護するときに防衛大臣
の判断で行えるが、外国籍の船は対象とならないため、米国の要求
を満たさない。

相手が海賊だった場合(今は特殊な状態であるが、通常であれば実
はほとんどがこのケースだろう)は射撃が認められている。

これらの要件に合わない場合、特別措置法の制定といったこともあ
り得るが、日本の友好国であるイランが「米国のためにイランを見
限った」とみられる可能性もあるため、非常に難しい(この前のハ
メネイ師と安倍首相の面談も成功したとは言い難い)。

未だ戦闘開始は確率の低いリスクシナリオ、と位置付けているが弊
社が中東情勢をウォッチし始めてから、最も開戦のリスク(米vsイ
ラン)が高まっていると感じている。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.5%→+3.3%)ており、米中対立の激化があった場合には▲0.5%
程度の引き下げリスクも視野に入れている。リスク資産価格に対し
て下向きのリスク。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。米中協議の不透明感を背景
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q119の中国GDPは前年比+6.4%、前期+6.4%と市場予想
の+6.3%を上回りやや減速懸念が後退)。

※中国は地方政府の資金調達規制を実質緩和。


・景気減速下での原油価格高止まりは、消費国から生産国への所得
移転を通じて景気の下押し要因に。また、リスク回避のドル高進行
も価格上昇を抑制。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開で決定したが、通商協議そのものが合意をし
たわけではなく、制裁は継続しており世界経済がさらに減速する場
合(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。とりあえず10月末を
期限として問題先送りしたが、メイ首相の後任が強硬派のジョンソ
ン前外相である可能性が高く、ハードブレグジットの可能性が高ま
っている(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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2012 年 8 月 22 日
MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(8月22日)
◆昨日のメタル市場総括
「欧州不安の後退と、中国の追加緩和期待で上昇」

◆今日のメタル市場見通し
「現状水準で底堅い推移。FOMC議事録に注目。」
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MRA外国為替レポート

2019 年 7 月 15 日
MRA外国為替レポート(7月15日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は前週末の強い雇用統計を受けて過度な利下げ期
待が後退し週前半は底固い値動き。108円台半ばから後半で推移し
109円ちょうどに迫る場面もあった。

しかし週央のFRBパウエル議長の議会証言で利下げに前向きな姿勢
が示されると、再び7月の会合で0.5%の利下げが実施されるのでは
ないかとの思惑が台頭。米2年債利回りの低下とともにドルを押し
下げた。

ドル円相場は木曜日の東京市場で108円割れ。その後は米国株高や
長期金利の反発に108円台半ばに戻したが、週末にかけて円が全般
的に強含んだこともあり、ドル円相場は108円割れで週末NYの取引
を終えた。

ユーロは、週前半はややユーロ安ドル高に振れて1.12ちょうどをつ
けたが、後半はユーロ高ドル安に転じて引けは1.1270。ユーロ円相
場は121円台後半で始まり122円台に乗せたが、週末には121円台後
半に押し戻された。

米長期金利は、週前半は過剰な利下げ期待の後退から10年債利回り
が反発。インフレ指標が強めだったことや30年債の入札が不調だっ
たことから一時2.15%に上昇した。一方2年債利回りは週末にかけて
1.84%に低下した。

米国株は金融緩和期待から上昇。主要指数は週末にかけて連日史上
最高値を更新した。そうしたなか日経平均は、米国株高とドル安円
高に挟まれ底固いながらも21,600円台から上放れることはできず。

月曜日の東京市場のドル円相場は前週末の強い雇用統計をうけたド
ル堅調のまま108円40銭台で始まり50銭に上昇。株安を受けて30銭
に下落したものの底固い値動きとなり、夕刻から海外市場にかけて
ジリ高となり60銭〜70銭でもみ合い。

ユーロ円相場は121円70銭で始まり朝方一時90銭に上昇したが50銭
に押し戻された。その後は堅調さを取り戻し海外市場では121円90
銭台に上昇した。

日経平均は利下げ期待後退を受けた前週末の米国株下落を受けて
21,650円〜600円に安寄りしてスタート。その後もじり安となり後
場は21,500円〜550円でもみ合い引けた。

米長期金利は小幅上昇し10年債利回りは2.05%。米国株は過剰な利
下げ期待が後退したことで、この日も軟調となった。

火曜日の東京市場のドル円相場は108円70銭台で始まり80銭〜90銭
でもみ合い。ユーロ円相場は121円90銭で始まり122円台を回復して
122円中心に上下。ユーロドル相場は1.1210〜20でもみ合い横ばい
の後、ドルが堅調となるなか一時1.12を割った。

日経平均は21,600円台で高寄りしたがジリ安。前日同様21,500円〜
550銭でもみ合い引けは21,550円近辺。

海外市場では米長期金利が小幅ながらさらに上昇。10年債利回りは
2.07%に、2年債利回りは1.92%に。米国株は安寄りした後持ち直し、
個別に上下するまちまちな展開。ただNYダウは利下げ期待の後退で
3日続落となった。

フィラデルフィア連銀総裁は、現時点で利下げの必要はない、と発
言。アトランタ連銀総裁は、利下げについて話し合っていることを
認めた。

水曜日の東京市場のドル円相場は108円80銭台で始まり109円ちょう
どに迫った。アジア時間に米10年債利回りが上昇。夕刻に一時2.11
%となったことがドルを押し上げた。

ユーロ円相場も122円ちょうど近辺から122円30銭に上昇。しかしそ
の後は軟調な展開となった。

日経平均は21,500円割れで安寄りしたのち、ドル円相場の上昇で上
値を試したが重く、21,550円中心に小動き、横ばいで引けた。

海外市場ではパウエル議長の議会証言待ちとなるなか、事前にテキ
ストが公表されると、ハト派な内容との見方から米長期金利が低下
しドルが下落した。

米10年債利回りは2.06%に、2年債利回りは1.83%に大きく低下。ド
ル円相場は108円50銭〜70銭で上下。ユーロドル相場は1.1210から
1.1240〜50に上昇。

パウエル議長は下院金融委員会で日本時間23:00から証言。貿易問
題での緊張を巡る不確実性と世界経済の強さに対する懸念が引き続
き重しとなっている、とし、6月の雇用統計の強い数字は金融当局
の見方を変えていない、とした。

弱いインフレ指標が予想している以上に長引くリスクを注視、企業
投資の伸び鈍化や世界的な景気減速、住宅投資と工業生産が鈍って
いる、と述べた。

こうした内容を市場はハト派と受け止め、再び7月0.5%の利下げと
の思惑が台頭した。

米国株は上昇。主要3指数が軒並み史上最高値を更新した。この日
はまた6月18日・19日に開催されたFOMC議事録が公表された。米経
済見通しを巡る不確実性や下振れリスクが堅調に高まり利下げの論
拠が強まったとした。

幾人かはリスク管理の観点から近い将来の利下げが正当化される、
とした。一方、幾人かはリスクが高まったとしつつも見通しの一段
の悪化が必要、とした。

ドル円相場は108円40銭台でもみ合い引け。ユーロドル相場は1.125
0台にユーロ高ドル安。ユーロ円相場は122円ちょうど近辺で取引を
終えた。

木曜日の東京市場のドル円相場は108円40銭台で始まり一時107円90
銭に下落。ユーロドル相場は1.1250台から1.1280にユーロ高ドル安
となった。引き続きドルが軟調。

アジア時間に2年債利回りが一時1.80近辺に低下したことがドルを
押し下げた。イラン情勢を巡り緊張が高まったことで円高となった
ことも重し。ユーロ円相場は122円ちょうどから121円60銭〜80銭に
下落した。

日経平均は21,550円で始まり600円近辺に上昇してもみ合い。後場
は一段高となり21,650円近辺で引けた。米国株が史上最高値を更新
したことを好感。海外市場に入るとドルが反発。

発表された米国の消費者物価指数(6月)はコア指数が前年同月比+
2.1%と前月および予想の+2.0%を上回る強めの数字。

米長期金利は海外時間で一本調子で上昇し、2年債利回りは1.87%、
10年債利回りは2.14%に。2年債と10年債の利回り格差は拡大。この
日行われた30年国債の入札が不調だったことも長い期間の債券の金
利上昇圧力となった。

ドル円相場は108円50銭台に反発。ユーロドル相場は1.1250〜
1.1260中心に上下。ユーロ円相場は122円10銭に反発して引けた。

米国株は寄付きから上昇し大幅高。パウエル議長はこの日は上院銀
行委員会で証言。米国経済は非常に良好としつつも、貿易摩擦に伴
う世界的な製造業低迷、景況感の悪化からくる脆弱性を相殺すべく
金融政策を活用する、と述べた。

また中立金利は従来の推定より低くなっており、金融政策はこれま
で考えられていたほど緩和的ではない、とした。連銀総裁らの発言
も相次ぎ、利下げの準備をすべきとの意見の一方、利下げの必要な
しとする意見も。

金曜日の東京市場のドル円相場は108円50銭で始まり軟調。30銭〜
50銭で上下。ユーロドル相場は1.1250〜60から70近辺に。ドルがや
や軟調。

日経平均は21,600円台半ばで始まり600円〜650円でもみ合い、後場
はジリ高となって21,685円で取引を終えた。海外市場では円が独歩
高の後、終盤にはドルが下落。利下げ期待を背景にドル先安感が勝
った。

ドル円相場は一貫して下落基調となり107円80銭をつけ、引けは107
円90銭。ユーロドル相場は1.1270にユーロ高ドル安。ユーロ円相場
は121円50銭〜60銭でもみ合い引けた。

米長期金利は小幅低下して10年債利回りは2.12%、2年債利回りは
1.84%。米国株は史上最高値を更新して大きく上昇した。

S&P500指数は終値で初めて3,000ポイントに乗せた。シカゴ連銀総
裁は、インフレ率が2%をやや上回る水準を目指すことは有益で、
2回の利下げで2.2%を達成することが可能、と述べた。
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2019 年 7 月 8 日
MRA外国為替レポート(7月8日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は週末の米中首脳会談で通商交渉再開、追加関税
発動の延期が決定し、一時停戦となったことを好感して108円台に
高寄りして始まった。

しかしECB次期総裁にハト派のラガルド現IMF専務理事の就任が決定。
またトランプ政権が空席のFRB理事2名にハト派を指名する方針との
報道。欧米の長期金利が大きく低下してドル安円高、ユーロ安円高
が進んだ。

米10年債利回りは1.95%に。ドル円相場は107円50銭近辺に下落。

米国市場が独立記念日で休場となったのを挟んで週末に発表となっ
た注目の米国雇用統計(6月)は強めの数字。米長期金利は一転し
て大きく反発し10年債利回りは2.04%に。ドルは全面高となりドル
円相場は108円50銭近辺で取引を終えた。

ユーロドル相場は週初に1.1360で始まり、その後は下落基調。週末
に一段安となって1.1220台で引け。ユーロ円相場もユーロ安となり
121円80銭。

米国株は金融緩和観測、長期金利低下を好感して主要指数が史上最
高値を更新したが、週末には長期金利が反発して小反落した。日経
平均は米中通商交渉開始を好感して底固く、概ね21,700円近辺で推
移した。

月曜日の東京市場の為替相場は寄付きから前週末に比べて円安水準
でスタート。ドル円相場は108円10銭〜20銭で始まり20銭〜50銭を
上下。ユーロ円相場は122円90銭で始まり一時123円に乗せた。その
後は122円70銭〜90銭で上下。

ひとまず米中首脳会談で通商交渉再開、追加関税見送りが決まった
ことを好感した。ユーロドル相場は1.1360台で始まりユーロ安ドル
高基調。

日経平均は21,600円台で高寄りし、利食い売りに押される場面もあ
ったが底固くジリ高。引けは21,700円台前半。

日曜日に発表された中国のPMI景況感指数(6月)は製造業が49.4と
前月と変わらず、非製造業は54.2と前月54.3からわずかに悪化。

この日発表された民間調査の財新製造業PMIは49.4と前月50.2から
悪化して景況感の分かれ目である50を割った。

日銀短観(6月調査)は業況判断が製造業を中心に悪化した。

海外市場では米国株が高寄り後ジリ安も、引けにかけて持ち直し、
NYダウは前日比+110ドル。米長期金利は小幅上昇して2年債は1.79%、
10年債は2.03%。

発表されたISM製造業景気指数(6月)は51.7と前月52.1から悪化し
たが予想51.2より強めだった。雇用指数が前月から上昇、ただ新規
受注指数が50.0に悪化して弱め。

ドル円相場は108円40銭〜50銭でもみ合い。ユーロドル相場は
1.1280〜90に下落してもみ合い。ユーロ円相場は122円40銭に下落
した。

この日オーストラリア中銀が2会合連続の利下げを決定し政策金利
は1.0%に。中国経済悪化の影響。原油価格WTIはOPECが減産合意の
9か月延長を決めたことで一時60ドルに上昇した。

火曜日の東京市場のドル円相場は108円40銭台で始まり30銭〜50銭
を上下。ユーロ円相場は122円40銭で始まり20銭〜40銭でもみ合い。
ユーロは1.1280台から1.1310に上昇。米国がEU製品に追加関税を賦
課するとの報道がユーロ高を招いた。

日経平均は米中停戦を好感したまま21,700円〜750円で底固く、
21,750円近辺でもみ合い引けた。

欧州時間に入ると、次期ECB総裁にラガルド現IMF専務理事が就任す
ることが決定。従来からの景気重視、ハト派スタンスから、ECBの
ハト派スタンスが強まるとの見方が台頭。欧州の長期金利が低下。
連れて米国の長期金利も低下した。

米2年債利回りは1.77%に、10年債利回りは1.98%に。消去法的に円
が対ユーロ、対ドルで上昇。ドル円相場は107円80銭〜90銭に下落
して引けは90銭近辺。ユーロ円相場は121円70銭台に下落した。

ユーロドル相場はユーロ安に振れて1.1280台。米国株は金利低下を
好感して小幅上昇。英中央銀行のカーニー総裁は、貿易を巡る緊張
の高まりで英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まって
いる、と述べた。

水曜日の東京市場のドル円相場は107円90銭で始まり一時50銭台に
下落。ユーロ円相場は121円80銭から下落して121円40銭〜50銭でも
み合い。

トランプ政権が、空席のFRB理事二人について、クリストファー・
ウィラー氏、ジュディ・シェルトン氏、ともに明確なハト派の二人
を指名する意向と伝えられたことが材料。

ただその後、ドル円相場はじりじりと海外市場にかけて持ち直し。
ユーロドル相場は1.1290中心に小動き。

日経平均は21,700円近辺で小幅安寄りし軟調。21,550円〜600円で
もみ合い、引けは21,600円台前半。

海外市場では米国株が堅調、主要株価指数が史上最高値を更新した。
欧米中央銀行のハト派人事報道を好感した。

米長期金利は小幅ながらさらに低下。2年債利回りは1.76%、10年債
利回りは1.95%。

発表されたADP雇用報告(6月)の雇用者数前月比が+102千人と予想
+140千人より弱かった。またISM非製造業景気指数(同)も55.1と
予想56.0を下回り前月56.9から悪化。雇用指数や新規受注指数も弱
めだった。

この日は米国市場が独立記念日を前に半日取引で終了。ドル円相場
は107円80銭〜90銭で引け。ユーロ円相場は121円60銭、ユーロドル
相場は1.1280。

木曜日の東京市場のドル円相場は107円80銭中心に小動きもみ合い。
海外市場は米国市場が休場となり閑散。107円80銭で引け。ユーロ
円相場は121円60銭台中心に推移。ユーロドル相場は東京市場から
1.1280〜90でもみ合い、そのまま海外市場の取引を終えた。

日経平均は21,700円台で高寄りも上値重く650円〜700円でもみ合い
横ばい引けた。米国市場の休場、金曜日の雇用統計発表を前に、各
市場とも動けず。

金曜日の東京市場のドル円相場は107円80銭で始まり午後から海外
にかけてじりじりとドル高が進み米国市場が始まる頃には
108円10銭に。

ユーロドル相場も1.1285で始まり1.1260へ。ユーロ円相場は121円
60銭〜70銭で横ばいもみ合い、一時90銭に上昇したが海外は70銭〜
80銭の値動き。

日経平均は21,700円近辺で寄り付きもみ合い。一時650円を割る場
面もあったが引け際にかけて上昇し21,750円近辺で引けた。

注目の米国の雇用統計(6月)は、非農業部門雇用者数が前月比
+224千人と予想+160千人を大幅に上回る強い数字となった。

失業率は3.7%に前月の3.6%から上昇したが、労働参加率が62.8%か
ら62.9%に上昇したことも影響。

一方、平均時給の伸びは、前月比が+0.2%と予想+0.3%に届かず前月
と同水準。前年同月比も+3.1%と予想+3.2%に対し前月と同水準だっ
た。

強めの数字を受けて米長期金利は大きく上昇。2年債利回りは1.87%、
10年債利回りは2.04%に。市場はなお7月の利下げ0.25%を織り込ん
だ状態だが、0.5%の織り込みは後退した。

雇用統計を受けてドルは全面高。ドル円相場は一時108円60銭台に
上昇して引けは108円50銭。

ユーロドル相場は1.1210近辺にユーロ安ドル高が進み、引けは
1.1220〜30。ユーロ円相場はさほど影響なく121円80銭近辺で引け。
米国株はドル金利先安感の後退でダウは一時200ドル程度下落した
が、その後は持ち直して小幅安。
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2019 年 7 月 1 日
MRA外国為替レポート(7月1日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は107円30銭近辺で始まり週初に106円台に円高が
進んだ。

FOMCによるドル金利先安感、米10年債利回りの低下、米中通商交渉
への警戒感が残るなか、イラン情勢の緊迫、トランプ大統領が日米
安保条約の破棄に言及したとの報道が円高をもたらした。

しかしパウエル議長が市場の過度な利下げ織り込みや政治的な利下
げ圧力、7月の利下げ期待をけん制。その後ドル円相場は持ち直し、
米中通商交渉への進展期待も手伝って一時108円を回復した。

週末にかけては米中交渉を見極めるべく小動きとなり107円台後半、
108円手前で週末の取引を終えた。

ユーロ円相場も122円台後半に小幅高。米長期金利は一時2%を割っ
たが低下基調には歯止め。米国株は利下げを織り込んだ上昇は一服
し、米中交渉を前に模様眺め、小幅安。日経平均は週初から下落し
たが、その後は持ち直して21,200円台後半で週初と同水準で引けた。


月曜日の東京市場の為替相場は小動き。ドル円相場は107円30銭で
始まりやや上昇して40銭〜50銭で推移したが欧州時間に入るころに
は30銭近辺に押し戻された。

ユーロ円相場も122円ちょうど近辺から20銭〜30銭に上昇してもみ
合い。ユーロドル相場は底固い値動きで1.1380中心にもみ合い。

日経平均は21,200円近辺で寄り付き21,300円台に小じっかりとなっ
たのち21,250円〜300円でもみ合い引けた。米国株が堅調に推移し
ていることが下支えとなる一方、ドル安円高が重し。

海外市場では米国株はまちまちの値動き概ね横ばい。利下げは織り
込み済みでさらなる上昇力とはならず、米中首脳会談の結果にらみ。
また米国とイランの対立が懸念材料。

米長期金利は小幅低下。発表されたダラス連銀製造業活動指数(6
月)は▲12.1と予想▲1.0を大幅に下回り前月▲5.3から悪化した。

これより先にドイツで発表されたIFO景況感指数(6月)は97.4と前
月97.9からの悪化幅は小幅。米10年債利回りは2.02%に低下。

為替市場ではドル安が進み、ユーロドル相場は1.14ちょうどまで
ユーロ高ドル安が進んだ。ドルインデックスの下落は鮮明に。ドル
円相場は107円50銭に上昇する場面もあったが30銭〜40銭でもみ合
い引けは107円30銭で東京と同水準。ユーロ円相場は122円20銭〜40
銭で上下し122円30銭で引け小幅高。


火曜日の東京市場のドル円相場は107円30銭近辺で始まったが、午
後に106円80銭近辺まで下落した。イラン情勢の緊迫や輸出企業の
ドル売り円買いに押され、さらにトランプ大統領が日米安保条約破
棄に言及したとの報道もあり急速にリスク回避が高まり円高が進ん
だ。

米10年債利回りは東京時間に2.02%から1.99%に低下。ユーロ円相場
も122円30銭近辺から121円80銭〜90銭に下落。

日経平均は21,250円近辺で寄り付いたがじり安となり、21,100円〜
150円でもみ合い引け。その後夕刻から欧州市場にかけてドル円相
場は107円ちょうど近辺を回復した。ただ海外市場でもドル円相場
の上値は重く再び106円90銭に下落した。

発表された米国の経済指標は弱め。リッチモンド連銀製造業指数
(6月)は3と前月5から低下。新築住宅販売(5月)は季節調整済み
年率換算626千戸と予想680千戸、前月673千戸を下回った。

また消費者信頼感指数(6月)は121.5と予想131.0、前月134.1を大
きく下回り2017年9月以来の低水準となった。これを受けて米10年
債利回りは低迷し1.99%で引け。

この日パウエル議長は、金融緩和の必然性は高まっているが個別の
データや短期的な心理の振幅に過剰反応しないようにも注意してい
る、として市場の過度な利下げ期待をけん制した。

またセントルイス連銀ブラード総裁は、0.5%の利下げを求めていた
が、7月は0.25%で十分と発言した。リッチモンド連銀総裁は、今年
利下げが必要かどうかはわからない、とした。

トランプ大統領は、イランが米国を攻撃することがあれば強力な報
復を行う、と述べ、イランのロウハニ大統領は、ホワイトハウスは
精神疾患に見舞われている、と批判した。

米国株は弱い経済指標と利下げ期待がやや後退したことで下落。NY
ダウは180ドル程度のまとまった下げとなった。

ドル円相場はFRB当局者の発言に107円40銭近辺に反発し、引けは10
7円10銭〜20銭。ユーロドル相場は東京市場では1.14台で推移して
いたが夕刻から海外市場にかけて下落してNYの引けは1.1370。ユー
ロ円相場は121円80銭台。

水曜日の東京市場のドル円相場は107円20銭で始まり上昇して40銭
〜50銭でもみ合い。ユーロ円相場も121円80銭台から122円10銭近辺
に。ユーロドル相場は1.1370から1.1350〜60に軟化。

前日からのドル反発の流れに加え、円が全体的に軟調。本邦投資家
による外貨資産投資の円売りが散見された。

日経平均は21,050円近辺に安寄り、21,100円手前でもみ合い引けた。
海外市場に入ってもドルが堅調、円が軟調。ドル円相場はさらに上
昇して107円70銭近辺で上下した。

ユーロ円相場も一段高となり122円台前半で上下動。ユーロドル相
場は横ばい1.13台後半で方向感なく上下した。

米長期金利は前日のパウエル議長の発言を受けて利下げ期待が調整
されるかたちで上昇。10年債利回りは2.05%、2年債利回りは1.77%
に反発してドルを支えた。

米国株は利下げ期待の調整もありまちまちの動き。NYダウは小幅続
落。

この日発表された米国の耐久財受注(5月)は予想よりも強めだっ
た。この日もイラン情勢は不透明。トランプ大統領は、イランとの
軍事衝突は回避したいとして対話を求めているが、戦争になっても
短期間で終わる、とけん制。イラン側は米国の対話路線はまやかし
と批判。

原油相場はイラン情勢が不穏ななか週次統計で原油在庫が大きく減
少したことから上昇。WTIは59.4ドルと60ドル目前。

木曜日の東京市場のドル円相場は107円70銭〜80銭、ユーロ円相場
は122円50銭近辺で始まりやや円高に振れたものの、その後は大き
く円安に振れた。

香港のサウスチャイナモーニング紙が、米中首脳会談を前に一時休
戦を合意、と報じたことで、米中通商交渉進展期待が高まり、リス
ク選好が回復し円を押し下げた。

ドル円相場は108円台に上昇、ユーロ円相場も122円70銭〜80銭に上
昇した。ユーロドル相場は小幅ユーロ安ドル高に。米10年債利回り
はアジア時間に2.07%に小幅上昇した。

日経平均は21,150円近辺で寄り付き21,350円近辺に上昇。後場もそ
のまま底固く取引を終えた。中国株ほかアジア通貨全般の上昇もプ
ラス要因。

しかし海外市場に入ると円は反発。米国側から米中首脳会談開催に
特定の条件はないと先の報道を否定する発言があり、通商交渉進展
期待が後退した。

結局米中首脳会談の内容を決め打ちして動くことはできず。ドル円
相場は107円70銭〜80銭に下落してもみ合い引け。

ユーロ円相場も122円90銭から40銭〜50銭に下落してもみ合い。
ユーロドル相場は1.1370中心に小動きとなった。

米国株はまちまち。半導体関連株が上昇してナスダック指数を押し
上げたが、ボーイング株の下落に押されてNYダウは小幅安。米10年
債利回りは2.02%に、2年債利回りは1.75%に反落した。

金曜日の東京市場のドル円相場は107円80銭で始まり円高気味に振
れて60銭近辺へ。ユーロ円相場も122円50銭台から122円30銭に下落
した。

日経平均は21,200円台後半に安寄り。21,200円へじり安となったが、
後場に持ち直して21,200円台後半に戻して引けた。

米中通商交渉が進むとの過度な期待に米国側からの報道で警戒感が
台頭。株価は前日の上昇の反動もあって下落。日米首脳会談は材料
視されず。海外市場でも米中首脳会談を見極めようと小動き。

円はやや軟化。ドル円相場は107円80銭〜90銭に上昇してそのまま
週末NYの取引を終えた。ユーロ円相場も反発して122円60銭中心に
上下し引けは122円70銭。

米国株は小幅上昇。米長期金利は概ね前日比横ばい。10年債利回り
は2%ちょうど近辺。

この日発表された米国の個人消費・消費支出(5月)は堅調な数字。
所得は前月比+0.5%と予想+0.3%を上回り、消費支出は+0.4%、前月
が+0.3%から+0.6%に上方修正された。ミシガン大学消費者マインド
指数(6月)確報も98.2と速報97.9から上方修正。

一方、シカゴ購買部協会景気指数(6月)は49.7と前月54.2から悪
化し予想を下回る弱い数字だった。

土曜日に行われた米中首脳会談では、通商交渉の再開が合意された。
トランプ大統領は会見で、交渉は中断したところから再開する、第
4弾3,250億ドルの追加関税の発動は当面見送り、中国ファーウェイ
社への禁輸措置を緩和する、中国は米国産農産物の輸入を拡大する、
とした。
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2019 年 6 月 24 日
MRA外国為替レポート(6月24日号)
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1.先週の市場総括
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先週はFOMCで市場の想定よりも積極的なハト派スタンス、利下げに
前向きな姿勢が示されたことで、週央からドルが全面安となった。
米10年債利回りはすでに利下げを織り込んで低下していたがさらに
低下。

イラン情勢の緊張も手伝って木曜日には一時2.0%を割り込んだ。一
方、FRBの緩和姿勢、長期金利低下を好感、さらに米中首脳会談が
開催される見通しとなったことからリスク選好は強まり、とくに米
国株はS&P500指数が史上最高値を更新するなど堅調に推移した。

ただイラン情勢の緊張が週末にかけてリスク選好に水を差した。

ドル円相場は水曜日まではFOMCを前にドル円相場は小動き。概ね
108円台前半を中心とした値動き。FOMCを受けてドルが全面安とな
ると週末にかけて107円ちょうどに迫る値動きとなった。

ただドル金利低下・ドル安のなかでもリスク選好が維持されたため
円全面高が避けられた。週末NYの引けは107円30銭近辺。

一方でユーロドル相場は週初の1.12近辺から週末にかけて大きく
ユーロ高ドル安が進み1.1370で引け。ユーロ円相場は121円70銭で
始まりその後は上値重く121円台前半中心に上下し一時121円を割っ
たが週末には大きく上昇して122円10銭と、週初よりユーロ高円安
の水準で引けた。

こうしたなか日経平均は週初に21,000円近辺で始まりドル安円高を
嫌気して一時21,000円を割ったが、米中首脳会談開催の報道、米国
株高に支えられ21,500円近辺に上昇。しかしドル安やイラン問題に
上値を抑えられて21,200円台にじり安となって引けた。

月曜日の東京市場の為替相場は小動き。ドル円相場は108円50銭で
始まり60銭中心で上下動。ユーロドル相場は1.1220中心、ユーロ円
相場は121円70銭で始まり70銭〜90銭で推移した。

日経平均は21,050円近辺で始まり小じっかり。21,150円近辺でもみ
合い小動き引け。海外市場に入っても108円60銭中心に小動き。

ユーロは一時対ドル、対円でやや上昇。ユーロ円相場は一時
122円10銭をつけたが引けは121円80銭近辺。米国株は小幅高、小動
き。米長期金利も横ばいで10年債利回りは2.09%。内外市場を通じ
てFOMCを前に膠着感が強かった。

発表されたNY連銀製造業景気指数(6月)は▲8.6と予想17.8、前月
12.0から大きく悪化して2016年10月以来のマイナス。対中関税、対
メキシコ関税などへの懸念が影響したとみられる。

USTRは対中関税3,250億ドルの導入に関して公聴会を開催したが反
対意見が相次いだ。

火曜日の東京市場のドル円相場は108円50銭で始まった後じり安と
なり108円20銭へ。ユーロ円相場も121円80銭から小幅安で60銭〜
70銭での推移に。円がしっかり。イラン情勢の悪化からリスク回避
心理がやや強まった。

日経平均は21,100円〜150円で始まりじり安。後場には21,000円を
割り込み20,900円台前半まで下落し引けは21,950円。

海外市場に入ると発表されたドイツZEW企業景況感指数(6月)期待
指数が▲21.1と予想▲5.8を大きく下回り前月▲2.1から大幅に悪化
したためユーロが下落。ユーロドル相場は1.1240から1.1180へ、
ユーロ円相場は121円70銭から121円10銭へ下落。

一方、トランプ大統領が習近平主席と電話会談を行い、G20で首脳
会談を行うことで合意。これを好感してリスク選好が回復した。

FOMCはこの日初日の会合を開催。利下げ期待が高まるなか米中会談
への期待も支えに米国株は大幅高となった。ドル円相場は108円60
銭に上昇し50銭を中心に推移して引け。ユーロ円相場は反発して
121円40銭〜60銭。

水曜日の東京市場のドル円相場は108円40銭〜50銭で始まり夕方に
かけてじり安となり108円20銭〜30銭。ユーロドル相場は1.1190〜
1.1200で概ね横ばい。ユーロ円相場は121円40銭〜60銭ののち121円
20銭へ、総じてやや円高が進んだ。

日経平均は米中首脳会談開催の報道と米国株高を受けて21,300円近
辺で高寄り。21,300円台前半でもみ合い小動き、引けは21,350円。

海外市場に入るとドル円相場は小反発して108円40銭〜50銭でもみ
合い。ユーロ円相場は121円50銭〜60銭。

FOMCはこの日2日目を迎え、日本時間木曜日未明3時に結果が公表さ
れた。内容は市場の想定よりもハト派だった。声明文では景気判断
が設備投資の軟調を主因に、堅調に拡大、から、緩やかに拡大、へ
下方修正された。

経済活動の拡大や物価見通しについて、見通しの不確実性が高まっ
たとされた。また金融政策に関してはこれまでの、忍耐強く見極め
る、との文言が削除され、適切に行動する、と修正された。

セントルイス連銀総裁は利下げを求めて現状維持に反対票を投じた。
同時に公表されたメンバーの予測では、年内利下げが8人、うち7
人が2回を予想。現状維持が8人と割れた。

中央値は現状維持だが来年に関しては1回の利下げを織り込んだ水
準が中央値に。今年のインフレ率見通しが2.0%から1.8%に下方修正
された。

これを受けて、市場はFRBが明確に政策スタンスを利下げ方向に舵
切りしたと受け止めた。米長期金利は低下。2年債利回りは1.74%に、
10年債利回りは2.03%に低下。

ドルは全面安。ドル円相場は一時108円割れ。ユーロドル相場は
1.1250へ上昇。引けはそれぞれ108円10銭、1.1230近辺。ユーロ円
相場は121円30銭台。そうしたなか、米国株は小幅続伸。

木曜日の東京市場ではあらためてさらにドル安が進んだ。ドル円相
場は早々に108円を割ってさらに107円50銭も一時割り込み107円60
銭を中心に上下。ユーロドル相場は1.1230で始まり1.1260台に上昇。
ユーロ円相場は121円40銭で始まりドル安円高に押されて121円20銭
を割った。

日経平均は21,450円で寄り付きもみ合い引け。ドル安円高が進んだ
ものの利下げや米中首脳会談などへの期待から米国株が堅調に推移
するなどリスク選好が維持されたことが下支えとなった。

海外市場ではFRBの金融緩和スタンスを好感し米中首脳会談への期
待が引き続き支えとなり米国株が上昇。S&P500指数が史上最高値を
更新。NYダウも史上最高値目前に上昇した。

そうしたなかイランが米国の無人偵察機を撃墜したことで緊張も走
り、米10年債利回りは一時2%を割った。引けは2.03%と概ね前日と
変わらず。

為替市場ではユーロドル相場が1.13台に上昇しもみ合い。ドル円相
場は107円80銭に反発、ユーロ円相場は121円90銭に上昇したがその
後はドル安円高が強まった。

ドル円相場は107円30銭中心に下落してもみ合い引け。ユーロ円相
場は121円20銭近辺に下落してもみ合い。原油価格はイラン情勢の
緊張で上昇。WTIは56.60ドル台。

金曜日の東京市場のドル円相場は107円30銭近辺でもみ合いの後
107円ちょうど〜10銭に下落。ユーロ円相場は121円20銭で始まり一
時121円ちょうどを割り込んだ。イラン問題によるリスク回避が重
し。

日経平均は21,450円近辺の前日引値水準で始まりじり安。後場には
21,200円に接近して引けは21,250円近辺。

欧州時間に入ると、発表された欧州のPMI企業景況感指数(6月)が
総じて予想より強く前月から改善を示したことからユーロが上昇。
米国のPMIが予想より弱かったこととのコントラストもありユーロ
ドル相場は1.1370まで大きく上昇して週末NYの取引を終えた。

ユーロ円相場は122円10銭に大幅高となり引け。ドル円相場は夕刻
から欧州市場にかけて107円50銭近辺でもみ合い一時70銭に上昇。
ただその後はユーロ高ドル安の流れのなかで107円30銭に下落して
引けた。

米国株は小反落。S&P500指数は一時最高値を更新したが引けにかけ
て下落した。

イラン問題を巡って、トランプ大統領がイラン攻撃を一時承認し実
行10分前に中止命令を下したことが明らかになった。

原油価格WTIは57.4ドル台に小幅上昇。金価格はドル金利の低下や
リスク回避を受けて8月限が2013年以来の1,400ドル/オンスに乗せ
た。

米10年債利回りは2.06%に小幅上昇。2年債利回りは変わらず1.77%。
この日、FOMCで投票権のないミネアポリス連銀総裁はインフレ率や
インフレ期待の低迷から0.5%の利下げを求めると発言。クラリダ副
議長は、とくにここ6〜8週間で見通しを巡る不確実性が高まってい
る、利下げ実施の論拠が強まっている、と述べた。
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2019 年 6 月 17 日
MRA外国為替レポート(6月17日号)
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1.先週の市場総括
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先週は米国によるメキシコへの関税賦課が回避されたことで週初に
リスク回避が緩和。米国株は落ち着きを取り戻したが、利下げ期待
で上値を追うにも限界があり、概ねもみ合い横ばいとなった。

週末にかけてはイラン情勢で地政学的リスクがやや意識されたが株
価はさほど下落せず。米国10年債利回りは週初やや反発上昇したが
週末にかけては地政学的リスクに押されて2.1%割れ、結果的に2.1%
前後での推移となった。

ドル円相場は108円台半ばで始まり、リスク回避による円高は一服
して前週に比べて底固さは増したものの108円台後半の上値も重く、
概ね108円台前半でのもみ合いに終始した。

週末には強めの米経済指標を受けて反発し108円50銭〜60銭でNYの
取引を終えた。

ドルが底固さを取り戻すなかユーロは総じて軟調。ユーロドル相場
は1.13台から1.12ちょうど近辺へ、ユーロ円相場は123円ちょうど
から121円70銭近辺へ、それぞれ下落した。

月曜日の東京市場のドル円相場は早朝に前週末NYの引け108円20銭
から108円60銭近辺へ飛んで高く始まり、60銭〜70銭で推移。

週末にトランプ大統領がメキシコへの関税賦課を見送る旨発表。リ
スク回避が緩和した。日経平均は21,100円台に高寄り。その後はも
み合い小動き。

この日、中国で発表された5月の貿易収支は、黒字が417億ドルと予
想を大きく上回った。輸出が前年同月比+1.1%とマイナス予想に反
してプラスとなったこと、輸入が▲8.5%と減少幅が大きかったこと
が背景。

輸出が堅調だったことで中国株は上昇した。海外市場では米国株も
堅調、小幅続伸。NYダウは6日続伸となり26,000ドルを回復した。

米10年債利回りは2.15%、2年債利回りは1.90%に上昇。ただ利下げ
期待は根強くドル円相場の上値は抑制された。引けは108円50銭〜
40銭。

ユーロドル相場は1.13近辺で推移。ユーロ円相場は122円80銭中心
に上下動していたが引けは122円60銭〜70銭。トランプ大統領は、G
20中に米中首脳会談が実現しなければ3,250億ドルの追加関税を実
施すると述べた。

火曜日の東京市場は引き続きリスク回避が緩和する流れ。ドル円相
場は108円40銭で始まり60銭近辺に上昇してもみ合い。ユーロ円相
場も122円60銭から堅調に。

日経平均は21,100円近辺で小幅高寄りの後もしっかり。後場は
21,200円近辺でもみ合い引けた。アジア株が全般に堅調だったこと
も支えに。

この日、中国政府は地方政府のインフラ投資を促進支援する旨発表
した。海外市場に入るとユーロ円相場が123円台に、ユーロドル相
場も1.1330近辺に上昇してもみ合い。米国株はアジア株の堅調を受
けて高寄りしたが反落して前日比概ね横ばい。

この日発表された米国の生産者物価指数(5月)は前年同月比+1.8%
と予想+2.0%、前月+2.2%を下回り、2017年1月以来の低い伸び。

一方、中小企業景況指数(5月)は105.0と予想102.3、前月103.5を
上回る強めの数字だった。米10年債利回りは小幅低下して2.14%。
ドル円相場は108円50銭近辺でもみ合い引けた。

トランプ大統領は、ユーロやその他の通貨は対ドルで過小評価され
ている、と述べ、また、米国の金利は高い、としてFRBに利下げを
催促した。

また、中国との通商交渉の合意は自分が個人的判断で滞らせている、
今年合意済みの条件に立ち戻らない限り最終合意するつもりはない、
と述べた。

水曜日の東京市場のドル円相場は108円50銭近辺でもみ合い、ユー
ロ円相場は122円90銭〜123円ちょうどで上下。ただ午後から欧州時
間にかけて円高となり、ドル円相場は108円30銭割れ、ユーロ円相
場は122円60銭近辺に下落した。ユーロドル相場は1.1330近辺で推
移。

日経平均は21,100円台前半で小幅安寄りもすぐに上昇して21,200円
台を回復。ただその後はじり安となって21,100円台半ばに押し戻さ
れて引けた。

米中通商摩擦への懸念は根強く、またドル円相場の上値の重さも再
確認したかたち。米国株は小幅続落。米10年債利回りは2.12%に小
幅低下した。2年債利回りは1.88%。

発表された米国の消費者物価指数(5月)は前年同月比+1.8%(予想
+1.9%、前月+2.0%)と弱め。コア指数も+2.0%と前月の+2.1%から低
下し、長期金利を押し下げた。

ドル円相場は108円40銭〜50銭でもみ合い引け。ユーロ円相場は122
円40銭〜50銭に下落。ユーロドル相場は1.1290近辺へユーロ安ドル
高となった。

木曜日の東京市場のドル円相場は108円50銭で始まり20銭〜30銭に
下落。ユーロ円相場は122円40銭〜50銭で始まり20銭近辺に下落。
ユーロドル相場は1.1290〜1.13ちょうど近辺でもみ合い。

日経平均は21,000円台前半に安寄りし21,000円割れに下落。米株軟
調を嫌気。ただその後持ち直し21,000円ちょうど近辺でもみ合い引
けた。

この日発表されたBSI大企業製造業景況指数(4-6月期)は▲3.7と
なり2四半期連続でマイナスとなった。

ドル円相場は、その後は底固く海外市場にかけて108円50銭を回復。
ユーロ円相場も122円50銭近辺に戻した。ユーロドル相場はやや下
落して1.1270〜80で上下。

イギリスでは保守党党首選挙の第1回投票が行われ、ジョンソン氏
がトップとなり、合意なき離脱リスクが高まったと意識された。ま
たユーロ圏の鉱工業生産(4月)は前年同月比▲0.4%と前月の▲0.7
%に続き低調な数字だった。

米国株は3日ぶりに反発、NYダウは100ドルの上昇。ただホルムズ海
峡でタンカー2隻が攻撃を受けたことでイラン情勢を巡る地政学的
リスクの高まりが意識された。

安部首相がイラン・ハメネイ師と会談し米国との仲介を試みたが、
師はトランプ大統領を批判。トランプ大統領もイランとの交渉を考
えるのは時期尚早として不調に終わった。

米10年債利回りは2.09%に、2年債利回りは1.83%に低下。ドル円相
場はじり安となり108円30銭〜40銭で引け。ユーロ円相場も122円20
銭に下落した。

金曜日の東京市場のドル円相場は108円30銭近辺でもみ合い。ユー
ロ円相場は122円20銭から122円ちょうど〜10銭に下落。中東情勢か
らリスク回避気味。

ただ日経平均は前日に米国株がしっかりだったことから3日ぶりに
反発。21,000円近辺で寄り付き21,100円近辺に上昇して小動き、そ
のまま引けた。

この日発表された中国の5月の主要統計はまちまち。工業生産は前
年同月比+5.0%と予想+5.5%、前月+5.4%を下回り2002年以来の低水
準の伸びとなった。

都市部固定資産投資も前月の+6.1%から+5.6%に減速。一方、小売売
上高は同+8.6%と前月+7.2%から伸びが加速し予想+8.2%を上回る強
めの数字だった。

夕刻から海外市場にかけてはさらにユーロ安円高が進み、ユーロ円
相場は121円60銭に、ユーロドル相場は1.1210に下落して引け。ド
ル円相場も108円20銭近辺に下落してもみ合いとなった。ただドル
は全般に堅調。

発表された米国の小売売上高(5月)は前月比+0.5%、前月も+0.2%
から+0.3%に上方修正され消費の堅調を示した。また鉱工業生産(5
月)は前月比+0.4%、設備稼働率は78.1%と前月の77.9%から上昇。
全般にしっかりした数字だった。

これを受けてドルは対円、対ユーロで堅調に。ドル円相場は108円
50銭〜60銭に戻して週末NYの取引を終えた。

米国株は小幅安寄りし持ち直したたが小幅安。米長期金利2年債利
回りは1.84%、10年債利回りは2.08%に小幅低下して引けた。発表さ
れたミシガン大学消費者信頼感指数(6月)は97.9と前月100.0から
悪化。貿易摩擦が尻的に悪影響を及ぼしたとされている。
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