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MRA 商品市場レポート for PRO

2016 年 12 月 16 日
「ドル高進行と米統計改善で高安まちまち」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「ドル高進行と米統計改善で高安まちまち」

昨日の商品市場は高安まちまちとなった。FOMCを受けてドル高が急
速に進行しているものの、昨日発表された米経済統計、特に製造業
統計はドル高であるにも関わらず良好であり、米景気に対する楽観
が強まったことがエネルギーなどの価格を強含みさせたが、ドル高
進行が非鉄金属などの価格を押し下げた。


トランプ氏の大統領選勝利によるリフレ策への期待からリスク資産
価格の上昇が続いている。円安も急速に進行しており日本の輸出企
業製造業にとっては慈雨となっている。しかし、繰り返し主張して
いるようにトランプ氏は「まだ何もやっていない」訳であり、今後、
反動でリスク資産価格が下落するリスクを警戒するべきだろう。


足元、警戒すべきは再びドル指数動向だ。今まで2017年は年2回程
度の利上げを見込んでいたが、今回のFOMCでは3回に引き上げられ
ている。2017年はFOMCのタカ派メンバーが増えることから利上げが
予定通り実施される可能性は2016年に比べれば高いと考える。

そして注目すべきは、一時薄れていたドル指数と商品価格の逆相関
性が復活しつつあることだ。これは日々の日中の値動きを見て判断
せざるを得ないが、ドル高進行に伴う自国通貨建て商品価格上昇が、
日本をはじめとする消費国の負担になると判断されつつあることを
示唆している。つまり、これ以上の価格上昇を肯定するには追加の
材料が必要な局面に差し掛かっているということだ。その意味でも
一旦相場が調整する、との見方は筋の悪い主張ではない。


本日は目立った新規材料に乏しい中、週末ということもあって一旦
調整売りに押される展開を予想する。ただここまで上昇が顕著な商
品が多いことから総じて軟調な推移になるのではないか。
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2016 年 12 月 15 日
「FOMCを受けて総じて下落」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「FOMCを受けて総じて下落」

昨日の商品市場はFOMCを時間的に織り込むことができた商品は軒並
み水準を切り下げた。FOMCは予想通り25bpの利上げが行われたが、
2017年の利上げ見通しが市場コンセンサスの年2回から3回に引き上
げられたことがドル高を進行させ、ドル建て資産価格の下押し要因
となった。


今回のFOMCはトランプ氏を気にしてはいるものの、影響はそれほど
受けているという感じはしない。そのため、今回の政策金利見通し
はトランプノミクスの影響を考慮していないものであるため、仮に
トランプノミクスが米経済を成長させた場合、政策金利の上昇ペー
スはさらに加速することが予想される。しかし、FOMCメンバーの後
退や新理事の任命などもあり、今後の政策動向は不透明さが増して
いるため、正直なんとも言えない。


気を付けなければならないのは、繰り返しいたるところでコメント
されているように、トランプ氏は当選以降、何もしている訳ではな
いという点だ。確かに米経済は順調に回復してはいるものの、この
まま金利上昇・株高が続くとは考え難い。恐らく年明け、トランプ
大統領就任前後にリスク資産価格は一旦下落することになると見て
いる。


本日は昨日のFOMCの余波を受けてドルが堅調に推移すると考えられ
ること、実質金利が上昇していることから商品価格には下押し圧力
が掛かる展開が予想される。しかし景気に対する自信をFOMCが示し
たこと、年末であり動意薄いことから下落余地も限定されると考え
る。
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2016 年 12 月 14 日
「景気循環銘柄堅調〜中国統計改善を受け」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「景気循環銘柄堅調〜中国統計改善を受け」

昨日の商品市場は景気非循環系銘柄が売却され、景気循環銘柄は総
じて堅調な推移となった。中国の経済統計が市場予想を上回る内容
だったことや米長期金利の上昇に一旦歯止めがかかったこと、株価
が堅調に推移していることが市場の楽観を誘ったため。


長期金利の急上昇と株価の上昇という相反することが同時に発生し、
広くリスク資産価格の上昇要因となっているがこれは早晩解消に向
かうと考えられる(株価下落・長期金利上昇ないしは株価上昇・長
期金利低下)。つまり、株と長期金利の関係が逆相関の関係に戻る
タイミングが早晩訪れ、上昇を続けてきた商品価格にも下押し圧力
が掛かるということである。


タイミングとしては今晩のFOMCでの利上げ並びにイエレン議長の先
行きに関するコメントがまず契機となる可能性があるが、例年通り
であれば年明けに調整すると予想される。

これはここまでの価格上昇は実需ではなく投機が主導したものであ
り、いずれかのタイミングで利益を確定する必要があるが年度がほ
ぼ終了し、パフォーマンス評価に大きな影響を及ぼさないこのタイ
ミングではなく、年明けの方が有利と考える投機筋が多いと考えら
れるためである。年内はこのFOMCを除くと大きな予定されたイベン
トがないこともそのように考える理由の1つだ。


本日はFOMCを控えてアジア〜欧州時間はポジション調整を目的とす
る取引が主体となり時間的に結果を織り込めない商品群(アジア商
品、LME非鉄金属など)は方向感に欠ける展開になるだろう。エネ
ルギーなどは恐らく今回の利上げで1つの材料が終了すると見られ、
一旦調整すると予想する。
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2016 年 12 月 13 日
「一部商品を除き総じて堅調」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「一部商品を除き総じて堅調」

昨日の商品市場は気温上昇予想で急落した米天然ガスなどを除き、
総じて堅調な推移となった。景気に対する楽観的な見方が強まって
いることで景気循環銘柄は堅調だが、昨日はドル安や株価の調整圧
力の高まりで貴金属セクターも物色された。


米長期金利は市場が「これ以上上昇すると危険水域」と考えていた
2.5%を一時上回ったが、さすがに買戻しが入ったようだ。オーバー
シュートして一時的に2.7%程度まで上昇する局面はあるだろうが今
のところ、この段階でトランプノミクスを織り込んだ長期金利は一
服、ということだろう。


今週はFOMCが予定されているが、今のところ25bp程度の利上げが予
想されている。来年も2回程度の利上げが見込まれているが現在市
場では本当に年2回も利上げができるのか?ということである。こ
のまま利上げが起きれば長期金利が大幅に上昇してさらにドル高が
進行するのでは、との見方が強まっているためだ。その観点で、今
週のFOMCは経済見通しとイエレン議長の会見での長期金利動向に関
するコメントに注目したい。

このまま長期金利が上昇すれば、今は楽観して上昇している株価が
下落し、原油をはじめとする景気循環銘柄価格の下押し要因になる
可能性がある。


本日は中国の重要統計が発表される(市場予想は以下の通り)。今
のところ横ばい〜改善見通しであり原油や鉱物資源価格の上昇要因
になるだろう。しかし市場は今週のFOMCを控えて様子見気分が強い
ため、そこまでの大幅な上昇にはならないだろう。
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2016 年 12 月 12 日
「産油国会合、米FOMCを控えて高安まちまち」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「産油国会合、米FOMCを控えて高安まちまち」

昨日の商品市場は高安まちまち。景気循環系の商品と自国通貨建て
で取引されている商品がドル高の進行で上昇したが、景気非循環系
の商品(貴金属やその他農産品)の一角が売却された。


いまだに長期金利上昇と株高が同時に発生しており、商品価格に対
しても特に景気循環系の商品に対してプラスに作用している。米国
景気は悪くなく、企業に優しいとされる共和党の復権とトランプ大
統領の誕生観測が強まっていることによるものだが、共和党もトラ
ンプ氏もまだ何もしていない。その意味で現在のリスク資産価格上
昇は根拠なき熱狂、と呼ぶべきだろう。


依然として「原油高だから株高」というロジックは納得できない。
強いて言えば産油国の財政状況改善期待を受けて、資金捻出のため
の株売り圧力が弱まるから、新興国経済が安定するから(ブラジル
など)、といった解釈ができないこともないが、産油国ファンドの
売りはそもそも春先以降、確認できるベースでは止まっており(む
しろ残高は増えている)、例えばブラジルの株は原油価格が高騰し
た週末も下落している。

ただ、商品市場よりも圧倒的に市場規模が大きい為替や株、金利の
市場参加者が原油価格の値動きの影響を、「リスクオンの指標」と
して解釈する流れが強まっているため、受け入れざるを得ない部分
はある。しかし、現在の値動きは因果関係的には理屈があっておら
ず(原油価格高は原油輸入超の国から原油輸出超の国への所得移転
が起きるだけであり、少なくとも先進国株式市場にはプラスに作用
しないと考えるのが妥当)、この動きが急に逆転(株安・原油安・
金利低下・ドル安)が発生する懸念が強まっていると考えるべきだ
ろう。


今週は市場が注目しているFOMCが開催される。恐らく今回の会
合で利上げが決定され、1月から実行となるが、1.2017年の利上げ
ペース、2.今回の利上げの幅(25bpと見られるが、50ppの可
能性も)、3.今後の経済見通し、に焦点が当たるだろう。利上げ
を控えた調整売りで週初は景気循環系商品は軟調な推移、非循環系
商品は安値拾いの買いでしっかりすると見る。
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2012 年 8 月 22 日
MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(8月22日)
◆昨日のメタル市場総括
「欧州不安の後退と、中国の追加緩和期待で上昇」

◆今日のメタル市場見通し
「現状水準で底堅い推移。FOMC議事録に注目。」
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MRA外国為替レポート

2016 年 8 月 15 日
MRA外国為替レポート(8月15日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は101円台から102円台で方向感のない展開となっ
たが、米国の利上げに対する見方が定まらず、総じて上値が重かっ
た。

週初は前週末の強めの米雇用統計を受けて102円ちょうど近辺で始
まった後、102円50銭を回復。しかし米経済指標がまちまちとなる
と、ドル金利先高感が後退し、米長期金利が低下するとともに、水
曜日にはドル円相場は101円近辺まで押し戻された。

その後は米当局者の利上げに前向きな発言や米国株が最高値を更新
したこと、原油価格の反発などからリスク選好が高まるとともにド
ルが堅調となり金曜日の東京時間は102円台で推移した。

しかし週末の米経済指標が弱かったことから101円ちょうど近辺ま
で急落し、NYは101円30銭で取引を終えた。



月曜日の東京市場のドル円相場は102円ちょうど近辺でスタートし
た後は底固い値動きとなり、夕方には102円30銭に上昇した。

日経平均は前週末の米株高およびドル高円安を好感して大幅高寄り、
さらにじり高となり前週末比+400円の16,650円。この日発表された
日本の国際収支(6月)は経常黒字・貿易黒字がやや予想を下回っ
た。

景気ウォッチャー調査(街角景気、7月)は英国のEU離脱の混乱一
服や安倍政権への期待感もあり現状指数45.1(前月41.2)、期待指
数47.1(前月41.5)と強め。

一方、中国の貿易収支(6月)は輸出が前年同月比▲4.4%(予想▲3.
0%、前月▲4.8%)、輸入は同▲12.5%(予想▲7.5%、前月▲8.4%)
となお景気動向の不振を示した。

海外市場に入ってもドル円相場は堅調。102円60銭台に上昇し、そ
の後やや押されたがNY引けは102円40銭台。米国で発表された労働
市場情勢指数(7月)は雇用統計の強さが示す通り1.0と予想0.0、
前月▲0.1を上回った。

米国株は高値警戒感から小幅安。そうしたなか原油価格WTIは、9月
にOPECが臨時会合を開催するとの報道を受け43ドルに上昇した。



火曜日の東京市場のドル円相場は102円40銭近辺で始まった後、30
銭〜50銭で小動きながら底固い展開。日経平均はじり高、続伸し、
16,700円台後半で引け。

ただ海外市場に入ると、米国で発表された労働生産性(4-6月期)
が前期比年率▲0.5%と悪かったことを受けて(予想+0.4%、前期▲0.
6%から2期連続のマイナス)、利上げ観測が後退し、ドルは下落し
た。ドル円相場は102円を割り101円90銭前後でもみ合い引け。

米国株は上昇後に反落し行って来い。決算が支えとなった。米長期
金利は小幅低下。2年債利回りは0.71%、10年債利回りは1.55%。原
油価格はEIA(米エネルギー情報局)が来年にかけての北米の生産
見通しを上方修正したことで42.5ドルに反落。



水曜日の東京市場のドル円相場は101円90銭で始まった後、引き続
きドル金利先高感・ドル先高感の調整の流れが続くなか、朝方に急
速に101円15銭近辺まで下げた。

その後は101円15銭〜50銭の間で高下。夕刻は101円50銭。日経平均
はもみ合い、16,700円〜16,800円で横ばい。海外市場に入ってもド
ルは軟調。101円ちょうどを試した後は反発するも101円30銭台まで
で引けは20銭近辺。

米国株は軟調。米長期金利は利上げ観測が後退する流れのなか低下
し、2年債利回りは0.68%、10年債利回りは1.51%。原油価格はEIAが
発表した週次データで在庫が増加していたことが嫌気されてWTIが4
1.5ドルに続落。



木曜日の東京市場は祝日のため休場。アジア時間のドル円相場は10
1円ちょうど近辺では底固く101円50銭に上昇。その後は101円20銭
〜50銭で上下した。

海外市場に入ると米国株が大幅高となり過去最高値を更新するとと
もに、米長期金利も大きく上昇。ドルを押し上げた。ドル円相場は
102円を回復、引けは101円90銭近辺。

サンフランシスコ連銀ウイリアムズ総裁は、年内利上げが正当化さ
れる、と発言。このところ後退していた年内利上げ観測が再び強ま
った。

2年債利回りは0.75%に、10年債利回りは1.56%に上昇。原油価格WTI
は、9月に開催されるOPEC非公式会合についてサウジアラビア石油
相が、市場を安定させるために話し合う可能性がある、と発言した
ことに反応し、43.50ドルを上回って上昇した。



金曜日の東京市場のドル円相場は101円90銭で始まった後、底固く、
102円台に上昇してからは102円10銭中心にもみ合い。日経平均は米
国株の堅調やドル円相場が102円を回復したことを受けて16,900円
に高寄り。その後も底固く推移しそのまま16,900円を維持して引け。

この日発表された中国の主要経済指標は、工業生産、小売売上高、
はいずれも予想通り。

年初来累計・前年同月比でそれぞれ+6.0%、+10.3%の伸び。前月か
ら変わらず減速に歯止めがかかり安定しつつある。一方、都市部固
定資産投資は同+8.1%と前月の+9.0%から減速した。

しかし海外市場に入ると、米国の経済指標が弱かったことから、年
内利上げ観測が後退し、再びドルは下落した。

発表された米・小売売上高(7月)は前月比+0.0%の横ばいとなり予
想+0.4%、前月+0.8%(+0.6%から上方修正)を下回った。また生産
者物価指数(7月)は前月比▲0.4%と予想+0.1%、前月+0.5%から予
想外のマイナスとなった。

またミシガン大学消費者マインド指数(8月)は90.4と前月90.0か
ら上昇したものの、予想91.5に届かなかった。

これを受けて米長期金利は低下。2年債利回りは0.71%、10年債利回
りは一時1.5%を割り込み1.51%。セントルイス連銀総裁が、利上げ
はあと1回でその後は横ばい、と述べたことも、ドル金利先高感を
後退させ、ドルを抑制した。

ドル円相場は一時101円を割り込み、その後は持ち直してNY週末の
引けは101円30銭。
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2016 年 8 月 8 日
MRA外国為替レポート(8月8日号)
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1.先週の市場総括
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先週は前週の日銀金融政策決定会合結果への失望・疑念が尾を引く
かたちでやや円高が進んだ。日本国債が売られ円の長期金利が上昇、
また株価が調整気味に推移したことも円高材料ととらえられた。

ドル円相場は102円半ばで始まった後、火曜日の海外市場でドル安
円高が進んで101円を割り込むと、週末に向けて概ね101円台前半で
推移し、金曜日の米・雇用統計の発表を待った。

雇用統計は非常に強い内容。非農業部門雇用者数は前月比+255千人
となり予想を大きく上回り、前月も+292千人に上方修正。平均時給
の伸びも前月比+0.3%に加速。週平均労働時間も0.1時間増加し34.5
時間。労働参加率も0.1%ポイント上昇し62.8%。

この内容を受けて年内利上げ観測が高まり米長期金利は大幅に上昇。
株価も上昇。ドルは押し上げられた。ドル円相場は102円をつけ101
円80銭近辺で週末NYの取引を終えた。



月曜日の東京市場のドル円相場は102円ちょうど近辺で始まった後、
堅調に推移し、102円50銭を回復してもみ合い。ただ債券市場は、
週末の日銀金融政策決定会合の結果を受けた波乱が続いた。

公表文の最後に記された「次回会合で政策効果を総括的に検証す
る」との文言に、マイナス金利や量的緩和の限界、政策転換ではと
の疑心暗鬼が広がり、債券相場が下落(長期金利が上昇)。日本国
債10年債利回りは、金曜日の発表直後に▲0.27%から▲0.17%に上昇
したが、この日はさらに▲0.13%に上昇した。

日経平均は下落して16,400円を割り込んだが、日銀のETF購入増額
が支えとなり16,650円に戻して引け。ドル円相場は海外に入るとや
や下落して102円台前半でもみ合い。

米国株は小幅安。一方で米長期金利は上昇。2年債利回りは0.66%か
ら0.68%へ、10年債利回りは1.46%から1.52%へ。ISM製造業景気指数
(7月)は52.6と景況感の分かれ目である50を引き続き上回ったが
予想53.0、前月53.2を下回った。

一方、FRB地区連銀総裁からは利上げに前向きな発言がみられた。
原油価格は続落しWTIは40ドルちょうど。欧州では銀行株が軒並み
下落し市場全体のリスクセンチメントを悪化させた。ドル円相場は
102円40銭近辺で引け。



火曜日の東京市場のドル円相場は102円30銭近辺で始まった後、一
時102円80銭にドル高円安が進んだ。円は一時全面安となりユーロ
円相場でも円安が進む展開。

日銀の金融政策を巡る疑心暗鬼、追加緩和期待の剥落、マイナス金
利深掘りへの疑念、などで日本国債がさらに売られ長期金利が上昇。
10年債利回りは一時マイナス金利から脱する直前の▲0.01%まで上
昇した。

日経平均は16,500円に下落してスタート。一時は、円安・債券安・
株安、のトリプル安の状況となった。しかしその状況も長続きせず。
政府・経済対策が正式に閣議決定されたが内容はすでに報じられた
ところと変わらず、アベノミクスへの期待感が剥落するかたちで円
高へ。

日銀の金融緩和が限界との見方を背景とする日本の長期金利の上昇
が円高材料とされた。ドル円相場は102円台前半へ、さらに夕方に
は101円50銭を割り込んだ。

麻生財務相・黒田日銀総裁の会談が実施されたが、新味なく市場へ
のインパクト、期待醸成は不発。日経平均はその後も上値重く16,4
00円で引け。

海外市場に入ると円高というよりも、むしろドル安が進むかたちで
ドル円相場は100円70銭まで下落した。引けは100円90銭。ユーロド
ル相場も1.11台後半から1.12台前半へとユーロ高ドル安。

米国株は調整下落が明確となり、グローバルに株価調整の様相を呈
した。

原油価格WTIは続落し4月以来の40ドル割れで引け。この日発表され
た米国の個人所得・消費支出(6月)は前月比+0.2%・+0.4%と、所
得の伸びはやや低く、消費の伸びは強めだった。



水曜日の東京市場のドル円相場は朝方堅調に推移して101円30銭ま
で上昇したが、その後は再び100円70銭台に下落するなど、101円前
後でのもみ合いとなった。日経平均は海外株安と円高を嫌気して大
幅続落の16,200円で始まり上値の重い展開。引けは16,100円近辺。

海外市場に入るとドルが堅調となり、ドル円相場は101円台で底固
く一時101円50銭をつけた。ユーロドル相場もユーロ安ドル高が進
んで1.11台前半に下落。

この日発表された米国民間調査のADP雇用統計(7月)は前月比雇用
者数が+179千人と予想+165千人の増加ペースを上回り、前月も若干
増加人数が上方修正された。

ISM非製造業景気指数(7月)は55.5と予想56.0より弱かったが、新
規受注は良好だった。米国株はじり高となり前日から小反発。米長
期金利はほぼ横ばい。

原油価格WTIは週次の統計で原油生産が減少していたこととクッシ
ング在庫の減少が材料視され41ドルに反発。市場全体のリスク選好
がやや回復したかたち。ドル円相場は101円20銭〜30銭でもみ合い
引け。

なおこの日、シカゴ連銀エバンス総裁は、インフレ率がなお低すぎ
ることに懸念を示しつつも、景気が勢いづくにつれて年内1回の利
上げが正当化される可能性がある、と述べた。



木曜日の東京市場のドル円相場は101円30銭で始まった後、一時101
円割れに下落。日経平均も16,200円に小反発してスタートしたが16,
000円割れ。

この日午前、日銀の岩田副総裁が講演し、このところ市場が懸念し
ている「日銀の政策総括」について触れたが、追加緩和に期待をつ
なぐ内容ではなく市場は一時ネガティブに反応した。

ただ午後は株価が持ち直し、ドル円相場も堅調。日経平均は16,250
円と前日比プラスに戻して引け。ドル円相場は101円50銭〜60銭台
を回復した。

海外市場に入ると101円ちょうど近辺に反落。欧州ではイギリス中
銀が金融緩和に動き、内容は市場の期待を上回るフルラインナップ
となった。

金利面では、政策金利を0.50%から0.25%に引き下げ。量的緩和では、
国債買い入れ枠を3,750億ポンドから4,350億ポンドに増額。量的・
質的緩和では、投資適格社債の買入れ枠を100億ポンド設定。市場
への流動性供給・金融機関支援では最大1,000億ポンドの銀行向け
資金供給が決定された。これを受けてポンドは下落。一方、欧州株
全般は金融緩和を好感して堅調だった。

米国株はもみ合い。一方、米長期金利はイギリスの金融緩和を受け
て小幅低下、2年債利回りは0.64%へ、10年債利回りは1.50%へ。ド
ル円相場がやや押される要因となった。ドル円相場は101円20銭近
辺でもみ合い引け。



金曜日の東京時間の為替市場・株式市場ともに米国で発表される雇
用統計を前に動意薄となり小動き。ドル円相場は101円20銭〜30銭
で始まった後、やや押されて101円ちょうど〜20銭でもみ合い。

日経平均は16,300円台に小幅上昇した後は、じりじりと押されてほ
ぼ前日引け値同水準の16,250円近辺で引け。

その後は米・雇用統計(7月)の発表を待つ展開となったが、結果
はすべての項目が良好な強い内容。非農業部門雇用者数は前月比+2
55千人となり予想+180千人を大きく上回り、前月も+287千人から+2
92千人に上方修正。

平均時給の伸びも前月比+0.3%に前月の+0.1%から加速。前年同月比
では+2.6%。週平均労働時間は前月から0.1時間増加し34.5時間。労
働参加率も前月から0.1%ポイント上昇し62.8%。

この内容を受けて年内利上げ観測が高まり米長期金利は大幅に上昇。
2年債利回りは0.72%、10年債利回りは1.59%に。株価も雇用の力強
さを好感、またハイテク企業の好決算も後押しとなり上昇。S&P500
は史上最高値を更新した。ドルは株高・ドル金利上昇に押し上げ
られ、ドル円相場は一時102円をつけ、101円80銭近辺で週末NYの取
引を終えた。
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2016 年 8 月 1 日
MRA外国為替レポート(8月1日号)
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1.先週の市場総括
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先週は米国でFOMCが、日本で日銀金融政策決定会合が、それぞれ開
催され、その内容を巡って思惑や結果の解釈で値動きの荒い展開と
なった。

ドル円相場は週初に106円台前半で始まった後、日本の経済政策、
景気対策の取組姿勢・規模、さらには政府からの日銀への緩和圧力
を巡って強弱の思惑が交錯。

一時は104円ちょうどに下落し、その後再び106円台に反発するなど
乱高下。

週後半に入ると、日本時間木曜日未明に公表されたFOMCの声明が、
景気判断においてダウンサイドリスクの後退を明示して年内利上げ
の余地を残したものの、9月利上げを示唆しなかったことから市場
のタカ派警戒感に及ばず。ドル円相場は104円台後半に下落した。

そうして迎えた日銀金融政策決定会合の結果が金曜日昼に発表され
たが、こちらも市場の追加緩和期待に及ばなかったことからさらに
ドル安円高が進み、東京時間に一時103円割れ。

落ち着くかにみえたが、週末の米GDP統計が弱かったことからドル
金利先高感が後退。ドルが全面安となりドル円相場は102円ちょう
ど近辺の安値引けとなった。

ユーロドル相場も週末後半に1.10から1.12に上昇(ユーロ高ドル
安)。円安期待の剥落による円高と同時に、ドル高の勢いが削がれ
るかたちで取引を終えた。



月曜日の東京市場は106円20銭近辺でスタートした後は堅調に推移
し一時106円70銭まで上昇した。日経平均も持ち直し16,800円手前
まで上昇。ただその後は上値重く反落して金曜日とほぼ同水準で引
け。

前週末に米国株が最高値を更新して終えたことで、リスク選好回復
ムードのなか円安・株高が進んだが、日米の金融政策動向を見極め
ようとのスタンスも根強く上値追いの勢いは鈍い。

ドル円相場は夕刻には106円ちょうどに反落。海外市場のドル円相
場は106円台前半で推移したが上値重く、105円80銭近辺に下げても
み合い引け。

原油価格が米国での生産増加の動きを嫌気して3ヶ月ぶりの水準に
下落。エネルギー関連株の下げに高値警戒感があいまって米国株が
反落。ドル円相場の調整につながった。

この日発表されたダラス連銀製造業活動指数(7月)は▲1.3と予想
▲10.0および前月▲18.3から大幅に改善した。



火曜日の東京市場のドル円相場は105円80銭近辺で始まったが朝方
早々に105円割れ。

一部新聞が、政府が近くまとめる経済対策の事業規模は20兆円を超
えるものの財政支出(いわゆる真水)は数年間で6兆円、今年の二
次補正予算は2兆円程度にとどまる、と伝えたことで、日本政府・
日銀への過度な期待が剥落。急速に株安・円高が進んだ。

日経平均は大幅安となり16,350円近辺に下落したままもみ合い。麻
生財務相が、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねるべきもの、と
発言。

内容は当然のことながら、市場は、政府から日銀への緩和圧力はさ
ほど大きくない、と受け止め、追加緩和期待の後退から円高が進み、
ドル円相場は夕刻に一瞬104円を割り込んだ。

海外市場に入るとドル円相場は105円まで持ち直し。米国で発表さ
れた経済指標は全般的に良好。

消費者信頼感指数(7月)は97.3と予想95.5を上回り、リッチモン
ド連銀製造業指数(7月)も10と予想▲5より強く前月▲7から改善。

新築住宅販売(6月)は季節調整済み年率換算592千戸と予想560千
戸、前月551千戸を上回った。



米国ではこの日、2日間にわたるFOMC(連邦公開市場委員会)が始
まったが、こうした指標を受けてスタンスがややタカ派に振れるの
ではないかとの思惑が強まった。

2年債利回りは一時0.77%に上昇。10年債利回りも1.58%に。株価は
良好な指標と利上げ観測が高まったことに揺れて乱高下。前日比同
水準で引け。

ドル円相場はその後104円台後半に下落してもみ合い、104円60銭で
引け。



水曜日の東京市場のドル円相場は政府の経済対策を巡る報道で乱高
下。

朝方からやや堅調に推移して105円台を回復した後、昼頃に一部TV
局が、政府の経済対策は27兆円、と報じ、さらに海外系メディアが
50年国債の発行を検討、と報じるとドル円相場は一時106円50銭に
急騰した。

しかし50年国債の発行については財務省理財局が否定。これを受け
て急落し105円ちょうどへ。その後、安倍首相が午後2時からの福岡
での講演で、締めくくりに政府経済対策は28兆円超と表明。

異例のタイミング、形式での公表に虚を突かれたかたちでドル円相
場は106円に上昇。乱高下となるなか夕刻は105円50銭〜70銭でよう
やく落ち着きはじめた。

日経平均は16,600円近辺で高寄りした後、昼の報道を受けて後場
早々に一時16,800円に上昇した。しかしその後は上値重く値動きの
荒いなか下落して16,600円台で取引を終えた。

海外市場に入ると105円70銭近辺でもみ合いFOMCの結果待ち。日本
時間未明3時に発表となった声明は、景気判断を上方修正。経済見
通しへの短期的なリスクは後退した、とされた。

6月の雇用の伸びは力強かったとし、労働力の活用がここ数ヶ月一
定の増加を示している、とした。

家計支出は力強く伸びているが、設備投資は軟調な状態が続いてき
たと評価。

インフレ率は、労働市場が力強さを増すのに伴い、中期的に2%に向
けて上昇していく、との判断は不変。全体として、年内利上げに含
みを残しつつも、9月の利上げの示唆はなかった。

米長期金利は低下、2年債利回りは0.77%から0.72%へ、10年債利回
りは1.58%から1.50%へ。ドル円相場は105円20銭に下落して引けた。

原油価格は週次データの在庫増が嫌気されて下落し42ドル割れ。株
価はこの日も乱高下して前日同水準。



木曜日の東京市場のドル円相場は105円20銭近辺で始まった後、
早々に下落し104円70銭〜80銭で様子見。一時105円台に戻す場面も
あったが上値は重く、夕刻には104円50銭〜70銭で推移した。

木曜日・金曜日の両日にわたる日銀金融政策決定会合の結果を見極
めるべく動意は薄かった。日経平均は円高を嫌気して16,500円割れ。
その後はもみ合いで引けた。

海外市場に入るとドル円相場はもみ合いながらじり高となり105円5
0銭まで上昇。その後は小幅下落して105円30銭近辺で引け。

この日はとくに材料はなく、米国株市場も商い閑散。下落してス
タートした後は持ち直し、S&P500は前日比小幅プラスで引け。米長
期金利は前日比横ばい。



金曜日の東京市場は105円30銭近辺で始まったが、昼過ぎに日銀金
融政策決定会合の結果発表を控え、思惑もあり、早朝から荒れ模様、
乱高下となった。

新聞等報道では日銀が追加緩和を検討、と報じられるなか、早朝に
は取引閑散のなか誤発注も疑われる大口のドル売り円買いに一瞬10
3円50銭割れまで急落。

その後は104円台後半まで戻したがじり安となり、昼前に104円ちょ
うどを割れると103円50銭近辺まで下落した。

すぐに105円まで戻すとその後は103円50銭〜105円ちょうどで乱高
下。日銀の結果発表を待ち。

日経平均は朝方16,400円割れに下げて始まったが、すぐに16,500円
に上昇、その後はじり安となり16,400円近辺で結果待ちとなった。


結果は午後1時前に公表された。国債買い入れ増額およびマイナス
金利幅の拡大は見送り。ETFの買入れ額増額、年間約3.3兆円から6
兆円にほぼ倍増。

追加緩和は実施されたものの、事前の市場の期待感には届かず、発
表直後には円買い、株売りが加速。ドル円相場は103円を割り込み、
日経平均は一時前日比300円安で16,200円割れ。

その後、次第に落ち着きを取り戻し、日経平均は前日比プラス、16,
600円近くまで反発して引け。ドル円相場も103円台半ばを中心とし
海外市場にかけては104円に向けて持ち直す値動きとなった。

しかし海外市場に入るとドルが全面安。発表された米国第2四半期
(4-6月期)のGDPが、季節調整済み前期比年率で+1.2%と予想+2.5%
を大きく下回り、前期(1-3月期)も+1.1%から+0.8%に下方修正。

主要因は在庫が大きくマイナス寄与となったことによるもので、個
人消費は+4.2%と好調、在庫と貿易を除く国内最終需要は+2.1%とま
ずまずだった。

しかし表面上の数字から利上げ観測が後退。米長期金利が大きく低
下したことがドル下落をもたらした。2年債利回りは0.66%と水曜日
に比べ0.1%の低下。

10年債利回りはアジア時間に1.56%に上昇する場面もあったが、米
国市場では1.45%に低下して引けた。ドル円相場は102円ちょうど近
辺まで大幅に下落してNYの取引を終えた。
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2016 年 7 月 25 日
MRA外国為替レポート(7月25日号)
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1.先週の市場総括
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先週は前週末に発生したトルコの軍事クーデターが早々に未遂に終
わると、一瞬高まったリスク回避が後退。引き続き世界全体での景
気対策、金融政策への期待などがリスク選好を支え、米国では企業
業績に支えられて株価が最高値を更新する展開となった。

これに加え、日銀による「ヘリコプターマネー」導入や追加緩和へ
の思惑もあり週前半は円安が進み、ドル円相場は木曜日に一時107
円50銭をつけた。しかし黒田総裁によるヘリコプターマネーに消極
的な発言が報じられると急速に円買いが進み105円台半ばに下落。
その後は106円前後で高下。週末NYは106円10銭台で取引を終えた。



月曜日の東京市場は休場。前週末金曜日に発生したトルコの軍事
クーデターが早々に未遂に終わると安心感が広がり、週末に105円
を割り込んでいたドル円相場はアジア時間には105円30銭〜40銭で
スタート。その後は一時106円を回復。東京市場が休日で取引が薄
いなか、105円40銭〜80銭で高下した。

欧米市場では米国株が上昇。トルコ不安の後退とソフトバンクによ
る英国・半導体設計会社買収(243億ポンド=3.4兆円)を好感して
テクノロジー関連株を中心に株価を押し上げた。

米長期金利も小幅上昇。2年債利回りは0.69%、10年債利回りは一時
1.6%を回復。ドル円相場は106円台を回復してもみ合い、106円20銭
台で引けた。



火曜日、3連休明けの東京市場のドル円相場は106円20銭で始まった
後、朝方はドル売り円買いに押されて105円70銭〜90銭台でもみ合
い。その後、106円台を回復した。日経平均は海外株の堅調を受け
て上昇し16,700円。

海外市場に入るとドル円相場は一段高となり106円50銭をつけ、106
円ちょうどまで押されたものの底固く、106円10銭近辺でNYの取引
を終えた。

米国株は前日の上昇を受けた高値警戒感から反落。ただ発表が続く
米企業決算は予想を上回る良好な内容が多く底固さは維持された。

発表された米住宅着工(6月)は季節調整済み年率換算1,189千戸と
予想1,170千戸、前月1,164千戸を上回る良好な数字だった。米長期
金利はやや株価反落にやや押されたものの前日ほぼ同水準で底固く
推移した。



水曜日の東京市場のドル円相場は106円20銭で始まった後、105円80
銭台に下落。引き続き東京市場の朝方、106円台では輸出企業を中
心とするドル売り円買いに押された。

ただその後は106円台を回復し、欧州時間に入る頃には106円50銭ま
で上昇した。日経平均は前日の米株安を受けて反落するも持ち直し、
前日と同水準で引け。

この日の米国株は前日の調整から一転して大幅高。引き続き好調な
企業業績と米経済全体への信認が支えとなった。米長期金利は年内
利上げを徐々に織り込み直すかたちで上昇。2年債利回りは0.71%に、
10年債利回りは1.6%に迫った。ドル円相場はさらに上昇し107円ち
ょうど近辺で引けた。



木曜日の東京市場のドル円相場は107円ちょうど近辺で始まった後、
午前中には一時107円50銭まで上昇。日経平均は米国株の大幅上昇
と円安を受けて大幅高寄りとなり16,900円。その後はやや押された
が16,800円近辺で堅調さを維持した。

ドル円相場はその後107円台前半でじり安の展開。欧州時間に入る
と、イギリスの放送局BBCが黒田総裁へのインタビューを放映、そ
のなかで総裁が、ヘリコプターマネーの必要性も可能性もない、と
発言したことから急速に円高が進んだ。

ドル円相場は一気に105円50銭近辺まで下落。その後は値動きの荒
い展開となり、106円50銭を回復した後、米国市場では概ね105円後
半でもみ合い引けた。

米国株は大幅反落となり火曜日と同水準に。米長期金利は上昇し、
2年債利回りが一時0.7%台を、10年債利回りが1.6%台を、それぞれ
回復したが、株価下落につれて押し戻された。

この日発表された米国の経済指標は概ね良好。週次の新規失業保険
申請件数は253千件と低水準を維持。

シカゴ連銀全米活動指数(6月)は0.16と予想▲0.20、前月▲0.51
を上回った。中古住宅販売(6月)も季節調整済み年率換算で557万
戸と予想546万戸、前月553万戸から増加。景気先行指数(6月)は
前月比+0.3%とこちらも予想をやや上回り前月のマイナスから改善。

ECBは定例理事会を開催し金融政策を据え置き。ただドラギ総裁は
会見で引き続き追加緩和の可能性に含みは残した。



金曜日の東京市場のドル円相場は105円80銭で始まった後、一時106
円20銭をつけたが上値重く、その後は105円60銭〜90銭でもみ合い。
日経平均は米株安とやや円高に推移したことを受けて反落し、16,6
00円台で低迷して引け。

海外市場に入るとドル円相場は底固く推移し106円台前半でもみ合
い推移となった。米国株は反発し水曜日の高値を回復し、市場最高
値近辺で引け味よく週末の取引を終えた。引き続き米企業決算や経
済指標が支え。

米長期金利は上昇。2年債利回りは年内利上げをやや織り込み直し
て0.71%に。一方10年債利回りは1.6%手前で不安定な動きとなった。
米国の製造業PMI(7月)は52.9と予想51.5、前月51.3を上回った。
ドル円相場はそのまま106円10銭近辺で引け。



なお週末、土曜日・日曜日に中国・成都で開催されたG20財務相・
中央銀行総裁会議は声明で、英国のEU離脱など不透明感が高まるな
か世界経済回復で政策を総動員することを再確認した。

米国のルー財務長官は米国経済の健全性を強調。麻生財務相は為替
相場の過度の変動は望ましくないことについての共通認識を強調。

黒田日銀総裁は物価目標を早期に実現するために必要なら追加緩和
措置を講ずると述べたが、中央銀行による国債の直接引き受けは禁
止されている、とヘリコプターマネーに否定的なコメント。G20で
ヘリコプターマネーの議論はなかったと述べている。
詳細を見る
2016 年 7 月 18 日
MRA外国為替レポート(7月18日号)
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1.先週の市場総括
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先週は全般にリスク回避が後退、リスク選好が回復する展開となっ
た。これまで買われてきた安全資産は下落し、リスク資産に資金が
戻った。

米国経済の堅調さが確認されたのに加え、日本ではいわゆる「ヘリ
コプターマネー」の導入=財政金融一体の一段と過激なリフレ政策
導入への期待が高まった。英国首相が決まり不透明感がひとつ解消
したことも手助けに。

米国株は右肩上がりで史上最高値を更新する展開。米10年債利回り
も週初は1.35%で始まり週末には一時1.6%まで上昇。円は一貫して
全面安の展開。ドル円相場は週初に100円台半ばで始まったが週末
には106円台を回復した。

日経平均は月曜日に15,400円で始まった後、政策期待に加え米国株
高と円安を好感して週末は16,600円をつけるなど週間で大幅高とな
った。

ただ週末、日本時間土曜日の早朝にトルコで軍事クーデターが発生
しやや不安感が高まるかたちでNYの取引を終えている。ドル円相場
は急落して105円を割り込んで引けた。



月曜日の東京市場のドル円相場は100円60銭で始まった後、円安が
進み、夕刻には102円をつけた。前週末の雇用統計が強かったにも
かかわらずドル円相場は100円台で低迷したが、週明けはリスク選
好の回復を背景に円安が進んだ。

米国株の堅調に加え、週末の参議院選挙で与党が勝利。政策期待か
ら日経平均が600円を超える大幅高で15,700円台に上昇。安倍首相
は内需下支えに向けた経済政策を実施する方針を表明した。

海外市場に入ってもリスク選好が回復する流れが続いた。イギリス
ではメイ氏が次期首相に就任することが確実となり不透明要因のひ
とつが解消。

米国株は最高値を更新した。米長期金利も全般に上昇。10年債利回
りは1.4%台を回復。ドル円相場はさらに押し上げられて102円80銭
台で引け。

この日、カンザスシティー連銀総裁は講演で、直近の雇用統計が良
好だったことを理由に利上げ実施の主張を再開した。



火曜日の東京市場のドル円相場は102円80銭で始まった後、午前中
には103円台を回復した。日経平均は大幅続伸して16,100円。

この日、景気対策10兆円との報道もあり政府経済対策への期待感が
高まった。海外株高、円安も引き続き日経平均を押し上げた。

米10年債利回りはアジア時間に1.48%まで上昇。海外市場に入ると
ドル円相場は103円ちょうどから103円50銭の間で値動きの荒い展開。
その後一段高となり一気に105円をつけた。

欧州株もこの日は反発。米国株は続伸してさらに最高値を更新。米
10年債利回りはさらに上昇して1.53%に。グローバルに市場参加者
の安心感が広がった。

セントルイス連銀総裁は講演で、イギリス離脱の影響は米国に持続
的な影響はない、と発言。ミネアポリス連銀総裁は、6月の雇用は
非常に強かったが利上げに引き続き辛抱強くなれる、と述べた。ド
ル円相場は105円で上値を抑えられもみ合いとなり104円70銭台で引
け。



水曜日の東京市場のドル円相場は104円70銭で始まった後、一時104
円に下落。その後は104円ちょうどと104円50銭の間で高下。105円
で上値を抑えられたことで、本邦輸出企業によるドル売り円買いが
嵩んで上値を抑制された。

この日、一部新聞が、政府がヘリコプターマネー導入(日銀資金に
よる財政出動)を検討も、と報じたが、菅官房長官は否定した。海
外市場に入るとドル円相場は一段と値動きの荒い展開。104円台後
半に上昇した後104円割れ、引けは104円50銭近辺。

米国株はもみ合い。米長期金利は小幅低下。全般的に週初からのリ
スク選好回復に小休止が入ったかたち。

公表された米地区連銀景況報告(ベージュブック)では、大半の地
域で引き続き緩慢なペースで景気は拡大、イギリス離脱で世界経済
の先行き不透明感は根強いが、米国では小売業から製造業まで幅広
い分野で見通しは総じて明るい、とされた。

雇用は安定しているが賃金上昇圧力は引き続き緩やか、一方、消費
は総じて明るい、との判断。ダラス連銀総裁は、イギリスの影響は
注視が必要だが、6月の雇用統計は改善が進んでいることを示す、
消費は力強くなる、と述べた。

フィラデルフィア連銀総裁は、年内2回の利上げもありうる、米経
済はかなり底固い、と発言した。



木曜日の東京市場のドル円相場は104円50銭で始まった後、104円近
辺に軟化、その後104円台後半に反発。日経平均はしっかり。16,20
0円台から16,400円手前まで上昇。

引け後、本田参与の発言として、バーナンキ元FRB議長との会談で、
「永久国債」を議論したと報じられ、再び財政金融政策への期待が
広がった。

内容は、市場性のない返済期限のない国債を国が発行し、それを日
銀が直接引き受ける、というもの。これを受けて円安が加速し、ド
ル円相場は105円台に上昇。米10年債利回りはアジア時間に上昇し
て1.5%台を回復。海外市場に入ると105円70銭台まで続伸した。

米国株は大幅続伸して史上最高値を更新。米10年債利回りは1.54%
で引け。ドル円相場はやや押されたが105円50銭をやや割り込んだ
水準でもみ合い引けた。この日、アトランタ連銀総裁は、年内1〜2
回の利上げも依然ありうる、と発言した。



金曜日の東京市場のドル円相場は105円40銭で始まった後朝方は105
円ちょうど近辺に押されたが、昼頃には106円30銭に上昇した。日
経平均は5日続伸。堅調な米国経済、日本の金融緩和期待、円安を
好感し、一時16,600円まで上昇した。引けは16,500円。

この日発表された中国の主要経済指標が全般的に安心感をもたらし
たことも支えに。中国の4-6月期GDPは年初来累計前年同期比で+6.7
%と前期と同率で減速は示さず。

6月の工業生産は年初来累計・前年同月比で+6.0%と予想+5.9%、前
月+5.9%を、小売売上高も同+10.3%と予想・前月を、いずれもやや
上回った。一方、都市部固定資産投資は+9.0%と減速した。

海外市場に入るとドル円相場は105円50銭〜106円を中心に高下。発
表された米小売売上高(6月)は前月比+0.6%と極めて強い数字。鉱
工業生産も同+0.6%と予想+0.2%、前月▲0.4%から大きく加速。設
備稼働率は75.4%に前月の74.9%から上昇した。

一方、ミシガン大学消費者マインド指数(7月)は89.5と前月93.5
から悪化。米10年債利回りはリスク選好回復の流れのなかで一時1.
6%に乗せた。ただ米国株は連騰の後だけに週末は小幅調整してもみ
合い。

その後米国時間夕刻、日本時間土曜日の早朝に、トルコで軍事クー
デターが発生し軍が政権を掌握、との報が流れると警戒感が拡大。
米長期金利は低下。ドル円相場は急落して105円を割り込み104円80
銭近辺で引け。
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