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MRA 商品市場レポート for PRO MRA 商品市場レポート for MANAGEMENT
MRA 外国為替レポート  

MRA 商品市場レポート for PRO

2019 年 9 月 19 日
「景気への懸念とドル高進行で軟調」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「景気への懸念とドル高進行で軟調」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、引き続きその他農産品(ソフトコモディティ)
や穀物などに買いが入り、エネルギーや非鉄金属などの景気循環銘
柄は売られることとなった。

中国の経済統計の鈍化や中東の供給途絶懸念の後退を受けた原油価
格の下落がインフレ系景気循環銘柄価格を下押しする展開が続いて
いる。

また、商品によっては時間的に材料にできなかったものもあるが、
FOMCで予想通り利下げが行われたものの、先々の利下げ見通しが中
立だったため、ドル高が急速に進行したことも価格を下押しした。


【本日の価格見通し総括】
本日はFOMCの結果を受けた実質金利の上昇やドル高進行が、多くの
商品価格を下押しすると考える。ただし市場はまだFRBの追加利下
げを想定しており、その影響は限定されるだろう。

予定されている統計で注目しているのは米フィラデルフィア連銀指
数。ISM製造業指数やGDPの先行指標であるが、市場予想は10.5(前
月16.8)と大幅に減速する見込みであり、広く景気循環銘柄価格の
下押し要因となる。

ただ、悪い統計であれば上述のように、市場参加者は勝手にFRBの
利下げを期待するため、影響は限定されるとみる。

なお、フィラデルフィア連銀指数の先行指標であるニューヨーク連
銀指数は2.0(市場予想4.0、前月4.8)と減速しているため、市場
予想を下回る可能性は低くないとみている。


なお、サウジアラビア問題は生産回復が本当に10日で完了するのか
はよくわからないが、徐々にポイントはサウジアラビア・米国の報
復の有無に移っている。

ドローン攻撃の有効性が証明されたため、今まで以上に大規模な攻
撃が安価に、簡単に行われる可能性が高まっていることは新しい種
類のリスクといえるだろう。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日のFOMCでは予想通り▲25bpの利下げが行われた。しかしそれ以
上に重要なのが、FOMCメンバーの2019年・2020年の金利見通しが中
立(1.875%で据え置き)になっている点である。

別の言葉を使えば、追加利下げを想定していない、と言ことである。
確かに個人消費も堅調であり、追加で利下げを行う必要が本当にあ
るとは思えず、妥当な判断だろう。

ただし、市場は年内後1回の追加利下げを望んでおり、この市場とF
OMCとの意識の乖離が相場を混乱させることになると予想される。
つまり市場が勝手に利下げを期待し、その後利下げが行われなかっ
た場合に失望してリスク資産価格が下落する、という展開である。

次回、利下げの可能性があるとすれば恐らく12月だが、場合による
とこのタイミングで大きくインフレ系リスク資産価格が下落する可
能性はあり得る。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見
通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向き
としている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商交渉は、相互が制裁強化を決定、さらに関係が悪化した。
今後仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単
位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要
因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸
念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対し
て報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循
環銘柄には下落要因)。


・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英
議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。
また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
詳細を見る
2019 年 9 月 18 日
「原油供給不安後退と景気への懸念で総じて軟調」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「原油供給不安後退と景気への懸念で総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、欧米時間の原油価格上昇を受けて東京エネル
ギーが上昇、その他の農産品、貴金属が上昇したもののそれ以外の
商品は軒並み水準を切り下げる動きとなった。

この数日、市場のドライバーだったサウジアラビアの供給途絶問題
は、昨晩、サウジアラビアのアブドルアジズ エネルギー相が「月
内に攻撃前の水準回復を目指す」「(原油の在庫を取り崩して供給
するため)原油の輸出には影響が出ない」と発言したことで、原油
の供給懸念が急速に後退。

エネルギー価格が急速に水準を切り下げたことで関連銘柄(穀物な
ど)が下落した。

ただし、サウジアラビアの生産能力の修復が完了したわけではなく、
計画通りに修復が進まない可能性もあるため依然として原油価格の
下支え要因になると考えられる。

また、改めて中国の経済統計の悪さが意識され、非鉄金属や鉄鋼原
料価格なども軒並み水準を切り下げている。


【本日の価格見通し総括】
本日は何と言ってもFOMCに注目が集まっている(非鉄金属などは時
間的に織り込めず、明日の材料)。今のところ市場は▲25bpの利下
げを想定しているが、それ以上に注目されているのは、今後の方向
性だろう。

今のところ市場は年内(9月を含めて)2回の利下げを想定している。
この追加の2回目の利下げが否定されるようであれば、材料出尽く
しで長期金利が上昇し、インフレ資産価格の下落要因となるだろう。

本日はFRBパウエル議長の発言に注目したい。

なお、サウジアラビア問題の金融政策への影響に関しては、FOMCメ
ンバーはサウジアラビアへの攻撃の前に金利予測を提出しており、
今回のFOMCでその見通しを変更することは慎重になると考えられる。

足元、サウジアラビア問題は発生直後ほどの過度の懸念は後退して
いる。しかし仮に原油価格の上昇が続けば、セオリー通りならば利
上げ、ということになるだろう。

しかし、景気減速下での原油価格高騰は景気減速につながるため、
今回の場合では利下げ要因になり得ると考えられる。ただ、これは
明確な供給懸念が発生している原油価格の高騰につながるため、当
局は慎重にならざるを得ない。

結果、原油価格の高騰の影響は「リスク要因であるが、その金融政
策への影響は現在では中立」と判断して当面は様子見になると考え
る。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
サウジアラビアの問題ですっかり後ろに追いやられてしまった中国
の重要統計だが、週初に発表された固定資産投資や工業生産などは、
予想を下回る非常に厳しい内容だった。

1-8月期中国工業生産は前年比+5.6%(1-7月期+5.8%)、8月+4.4%
(前月+4.8%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

ストック需要の指標である固定資産投資も前年比+5.5%(+5.7%)、
公的セクター+7.1%(+7.1%)、民間セクター+4.9%(+5.4%)とやは
り減速した。

固定資産投資に占める民間セクターの比重は大きいため、この減速
のインパクトは小さくない。これらは中国政府の景気刺激のための
金融緩和が、さほど効果をもたらしていないことを意味している。

つまり、金融緩和をしても、1.資金が調達できない、2.需要がな
いため資金需要が存在しない、3.1.2.の両方、といった状況に
中国経済が陥っている可能性を示唆している、ということだ。

比較的「操作し難い」とされる中国の電力消費量の前年比伸び率も
+2.9%と猛暑だったにも関わらず伸びが減速している。このことも
中国の実態経済が悪化していることを示唆している。

足元、米中の貿易交渉には一定の進捗があるのでは、との期待が高
まっているが正直どうなるかわからない。結局、財政出動などの
「実弾」を投入せざるを得ない状況に、中国は追い込まれていると
考えられる。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速(価格下落要因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見
通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向き
としている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商交渉は、相互が制裁強化を決定、さらに関係が悪化した。
今後仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単
位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要
因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫していることで、域内景気への悪影響への懸
念(下落要因)。可能性は低いが、サウジアラビアがイランに対し
て報復攻撃を行うなどのリスク(原油は上昇要因、その他の景気循
環銘柄には下落要因)。


・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英
議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。
また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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2019 年 9 月 15 日
号外「サウジアラビアへのドローン攻撃の影響」
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◆本日のMRA's Eye
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「サウジアラビアへのドローン攻撃の影響」

サウジアラムコの2施設がフーシ派の攻撃を受けて(フーシ派はす
でに犯行声明)停止、約530万バレルの原油生産に影響が出る可能
性が出てきた。530万バレルは世界の消費量の約5%に相当する。

アブカイクはサウジアラビア東部習に位置する、世界最大の原油前
処理施設(700万バレル/日)を有している。ここでは原油から塩分
などの不純物を取り除き、製油所で処理可能な原油に加工する設備
であり、製油所ではない。

またここからは紅海に続くペトロラインの始発点でもあり、この供
給にも影響が出る可能性がある。

つまりここはサウジアラビアにとって重要な拠点であり、軍が防衛
していたわけだが低空で飛行してレーダーにも映らないドローン攻
撃を防ぐのは困難、ということだろう。

今回の事件が原油価格に影響を及ぼす可能性は高い。

現在、OPECの有するスペア・キャパシティ(30日以内に安定的に増
産できる能力)は500万バレル程度だが、この規模ですでに530万バ
レルをカバーすることはできない。

さらに、今回の事件は最大の供給能力を有するサウジアラビアでの
事故であり、同国のスペアキャパシティ、200万バレルは活用でき
ないと考えるべきである。

非OPEC生産が基本は設備の生産能力をフル稼働させていることを考
えると、非OPEC供給の増産余力は今回の協調減産の対象数量である
40万バレル程度。結果的に全世界で見た時に340万バレル程度しか
増産能力がないことになる。

これにより、スペアキャパシティ率はマイナスに沈み、原油価格が
上昇する可能性は高い。ちなみにこの20年、OPECスペアキャパシテ
ィ率がマイナスとなったことはない。

ただし、サウジアラビアは原油備蓄を輸出にあて(前処理済みの備
蓄)、市場に影響は出ないとしているうえ、被害の規模がよくわか
らないこともあり、調べてみればそれほどの被害ではなかった、と
いうことになるかもしれない。

基本的には在庫を取り崩し、同時に修復を進め、1週間程度で修復
できますというのであれば影響は限定されるだろう。しかしそれも
原油備蓄が枯渇すればとたんにフローベースの供給不足に陥ること
になる。

この場合、攻撃からの復帰に時間がかかるという前提に立てば、原
油価格はまずは70ドルを目指す展開になると予想され、次に今年の
高値である75ドルが意識されると考えられる。まずはショートの買
戻しが先行することになるが、このような「供給の実際が不透明」
な状況であれば、どこまで上昇するかを議論してもあまり意味がな
い。当然、原油コストの上昇が世界景気にマイナスに作用すること
になる。

問題は、これをだれが指示したのか、ということである。早速米ポ
ンペオ国務長官は、「イランは世界のエネルギー供給源に前例のな
い攻撃を仕掛けた」とフーシ派の単独行動ではなく、イランの攻撃
によるものと決めつけている。トランプ大統領はムハンマド皇太子
に連絡し、サウジアラビアの自衛に協力すると発言している。

証拠がないので何とも言えないが、今回の攻撃はフーシ派の末端に
情報が届かず、単独で行ったのではないだろうか。というのもイラ
ン強硬派のボルトンを更迭、9月に国連総会での米・イラン首脳会
談が開催される可能性があったからだ。

しかしこれによってその道が断たれ、ヘタをするとサウジとイラン
の武力衝突、という最悪の事態になる可能性も十分にあり得る。こ
の混乱にイスラエルが相乗りする可能性も十分にあり得る。

この最悪シナリオの場合、ホルムズ海峡航行の安全が担保されない
ことになり、原油価格は100ドルを超える上昇になるだろう。

いずれにしてもサウジアラビアからの続報待ちの状態であるが、一
旦、落ち着くと期待された中東情勢が一転緊迫の度合いを高めてい
ることは憂慮すべき状況である。

非鉄金属をはじめとする工業金属への影響も小さくない。まず供給
面に関していえば、中東の依存度が高まるアルミニウム価格には、
上昇圧力がかかることになるだろう。また、原油価格の上昇を受け
た実質金利低下が、金融面で非鉄金属価格を押し上げる可能性は排
除できない。

問題は、1.原油価格の上昇が世界景気にマイナスに作用するか、2.
エネルギーは明確な供給リスクが意識されるが、非鉄金属にとって
はむしろ「リスクオフ」と捉えられる可能性がある点だ。リスクオ
フの判断材料としては、まず月曜日の株価がどのように反応するか、
だろう。
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2019 年 9 月 13 日
「地政学リスク後退とECB会合を受けたドル安で堅調」
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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「地政学リスク後退とECB会合を受けたドル安で堅調」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーとその他の農産品が売られたが、それ
以外は総じて堅調な推移となった。

米消費者物価指数が市場予想を上回る上昇となったことでドル高が
進行したが、ECB会合の決定を受けて「材料一巡」と見た市場参加
者のドル売りが継続したこと、米中協議が進捗するとみられている
ことがリスク資産価格を広く押し上げることとなった。

エネルギー価格の下落はOPECプラス会合での追加減産が見送られた
ことが材料。


【本日の価格見通し総括】
本日は目立った手がかり材料に乏しい中、ECB会合の結果を受けた
ドル安進行や、世界的な地政学的リスクの低下を受けたリスクテイ
クの動き加速で、堅調な推移になると予想する。

この数日で顕著な動きとすれば、米中協議に改善の兆しが見られる
ことだ。両国とも景気の減速懸念は根強く、「取り返しがつかない
状態になる前に、一時的に手を打つ」意思が強まっているようだ。

対外政策超強硬派のボルトン氏の退任が影響していることは間違い
がない。朝方も、トランプ大統領が中国との暫定合意に意欲を見せ
ていると報じられ、中国劉鶴副首相も、来週の実務レベル協議実施
を公表している。

とはいえ、政治的な話であるため最終合意までは合意していないの
と同じであり、米中問題が長期の課題であることは間違いないこと
からそれほど積極的な価格上昇にはならないと考える。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日のECB会合では後2回しか残されていない、ECB総裁の立場を利
用して、ドラギ総裁が積極的な緩和策に打って出た。

具体的には、預金ファシリティレートを▲10bp引き下げ、資産買い
入れも200億ユーロ規模で再開、銀行への長期資金供給策(TLTRO
3)も期間を2年から3年に延長するなどの対策を決定している。

しかし、これらの緩和は市場がすでに織り込んでいたためむしろ昨
日はユーロの買い材料となった。

今回のECB会合では、ドイツ、フランス、オランダ、オーストリア、
エストニアがQE実施に反対した。これに対してイタリアやスペイン
などの南欧諸国は賛成している。

つまり、前回の欧州危機時と同様、景気が減速する中で財政状況や
経済状況が思わしくない南欧諸国vs北欧諸国の対立の構図となった
形だ。結局、イタリア出身のドラギ総裁が、母国に「お土産」を持
たせた形ともいえる。

これでドラギ総裁は在任期間中、出口の方向性も見せることなくひ
たすら金融緩和を行った総裁、ということで終わってしまいそうだ。
これはどこかの国の中央銀行総裁も同じであろう。あまりに無責任
だ。

結局、追加緩和などの余地をほとんど封殺された状態で、IMFラガ
ルド専務理事が次期ECB総裁に就任する。これもまたどこかの国の
中央銀行も同じだろう。

問題は、来年以降、訪れる可能性がある本当の危機の際に対応でき
る余力を削っていることである。手持ちのカードがなくなった状態
で景気後退局面入りするリスクは無視できない。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見
通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向き
としている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商交渉は、相互が制裁強化を決定、さらに関係が悪化した。
今後仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単
位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要
因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の緊張緩和を受けた域内景気への悪影響緩和期待(上昇
要因)。ただし根本解決には時間がかかり、引き通D期域内景気の
混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大懸念は払しょくでき
ず(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英
議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。
また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
詳細を見る
2019 年 9 月 12 日
「インフレ系景気循環系商品売られる」
━━━━━━━━━━━━━━
1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「インフレ系景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は景気循環銘柄が売られ、農産品や貴金属などの安
全資産が物色される流れとなった。

米ボルトン大統領補佐官の退任を受けた、米国発の世界的な地政学
的リスクの低下期待がリスクテイク意欲を高めたほか、アジア時間
に発表された中国のファイナンス関連統計が、同国の中堅・中小企
業向けの資金繰り策が奏功していることを示す内容だったことが、
景気循環銘柄の押し上げ要因となった。

しかし、米生産者物価指数の上昇を受けたドル高や、米国がイラン
に対して制裁緩和を検討していたことが伝えられ実質金利が上昇し
たことで、引けにかけて水準を切り下げる動きとなった。

結局、景気が下り坂にある中で、政策の景気下支え効果が限定され
る、と見る市場参加者が多いということだろう。


【本日の価格見通し総括】
本日の注目材料は2つ。1つはECB会合、もう1つがOPECプラス会合だ。

ECB会合は域内景気の減速から追加緩和が必須と市場は判断してお
り、催促相場となっている。

ドラギ総裁の任期までの会合はあと2回。後任のラガルド専務理事
は交渉の達人ながら金融政策においては専門ではないし、実務家で
もない。ECBのみならず、EUの主要メンバーが後退するこの秋を見
据えると、ラガルド専務理事に引き継ぐまでの「流れ」を作る上で
この2回の会合は重要になると考えられる。

ただ、市場は非常にハト派に傾いているが、ECBが打てる手立ては
少ないし、来年来ると予想される本当の景気後退時に打てる手立て
がなくなることも考えると、今回の会合の後には逆にユーロは買わ
れ、ドルが売られることになるだろう。

商品市場にとっては、景気下支え策への失望とドル安の進行が相殺
される形で景気循環銘柄には中立、非景気循環系商品にはドル安進
行でプラスに作用すると考える。

もう1つの注目はOPECプラス会合。OPECプラスは来年の3月まで減産
延長で合意しているが、ボルトン氏の退任や景気の減速に伴う価格
下落観測が強まる中で、先々の追加減産を示唆する発言があるかど
うか。特にサウジアラビアのエネルギー相がファリハ氏から交代、
スタンスの変化有無に注目が集まる。

なお、景気が減速する局面での減産の価格維持効果は限定されるた
め、「切るカード」の温存の意味でも特段大きな進捗が今回の会合
であるとは考え難い。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
昨日中国汽車工業協会(CAAM)が中国の8月の自動車販売を発表し
たが、14ヵ月連続のマイナスとなった。中国が力を入れている新エ
ネルギー車の販売も前月に続いてマイナスとなった。

1-8月の中国自動車販売は前年比▲11.0%の1,610.4万台(1-7月期▲
11.4%の1,413.2万台)、8月は▲6.9%の195.8万台(前月▲4.3%の18
0.8万台)と、落ち込みは顕著である。

基本、中国の自動車販売は住宅販売の伸びに半年ほど遅行して変化
するが、住宅セクターのバブル抑制方針が継続していることが、結
果帝に自動車販売にも影響している形。

これを受けて中国政府は自動車の購入規制を緩和することを含む、
20項目の景気刺激策を発表した。自動車に限れば自動車の購入規制
の緩和や撤廃を指示している。

ただ、上述の通り景気自体が減速する中ではこうした一連の政策効
果の影響は限定されるため、景気を力強く押し上げることはなく、
景気循環系商品価格の押し上げ圧力も限定されると予想される。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見
通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向き
としている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。


・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商交渉は、相互が制裁強化を決定、さらに関係が悪化した。
今後仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には複数年単
位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合(下落要
因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の緊張緩和を受けた域内景気への悪影響緩和期待(上昇
要因)。ただし根本解決には時間がかかり、引き通D期域内景気の
混乱と、それを受けた欧州景気への悪影響拡大懸念は払しょくでき
ず(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は英
議会の休会を決定、ハードブレグジットはほぼメインシナリオに。
また、EUにブレグジットの影響が波及するリスク(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。
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MRA 商品市場レポート for PRO

2012 年 8 月 22 日
MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(8月22日)
◆昨日のメタル市場総括
「欧州不安の後退と、中国の追加緩和期待で上昇」

◆今日のメタル市場見通し
「現状水準で底堅い推移。FOMC議事録に注目。」
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MRA外国為替レポート

2019 年 9 月 17 日
MRA外国為替レポート(9月17日号)号外
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1.為替市場クイックコメント
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サウジアラビアで石油精製関連施設が攻撃され原油価格が急騰。
為替市場ではドル高、産油国通貨高、となっています。


今後の円相場への影響は

1.リスク回避イベント   円高要因

2.日本の貿易収支の悪化   円安要因

の双方があり単純ではありません。
なおかつドル相場に関しては


1.ドルも安全通貨であること(リスク回避で買われる)  ドル高要


2.米国は産油国であること(シェールオイル)  ドル高要因


金融政策については
原油価格上昇は物価押し上げ圧力ですが、それによる物価上昇は、一般
経済の需給引き締まりによるものではなく、外生的なもの。

単純に、石油消費国から産油国への所得移転となり、消費国では景気悪
化。それに対して、物価をにらんで金融緩和を控えるというより、景気
へのリスクとみることになりそうです。

ここも、物価上昇圧力とみるか、景気下押し圧力とみるか、で分かれて
きます。とくに、消費に与える悪影響が大きくなるため、現在、米経済
が消費堅調が支えとなっているだけに懸念要因。


FRBは予定通り、▲0.25%の利下げを実施すると思われます。

円相場は上記のとおり、双方の要因があり、単純な為替需給ではマイナ
ス、円安要因となります。世界経済全体への悪影響、株価下落、となれ
ば、このところの円安傾向が一服することに。

地政学的リスクがさらに高まることがなければ、円も買われやすいもの
の、ドルも安全通貨として買われやすい。

結果、ドル円相場は107円台では引き続き底固く推移すると予想します。

米景気後退、世界景気後退が現実的となるようなら105円を試すことに
なりそうですが、現時点においては、リスクシナリオにとどまる。

上値は108円台では重いとみられますが、ドル円相場に関しては底固さ
は不変と考えます。
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2019 年 9 月 16 日
MRA外国為替レポート(9月16日号)
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1.先週の市場総括
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先週は前週からのリスク回避が後退する流れが続き、株価は堅調、
米長期金利は大きく上昇し、円安傾向が続いた。米中通商問題は中
国が米農産品など一部に対する追加関税の適用を除外、トランプ政
権は中国からの一部輸入品に対する追加関税引き上げを10月15日に
延期し、引き続き交渉進展期待が高まった。

ECBは金融緩和を実施。ただ追加緩和が想定しにくくなったとの見
方もあり、ユーロは堅調に推移した。米10年債利回りは前週末の
1.55%から週末には1.90%へと大幅上昇。2年債は1.53%から1.80%へ
大きく上昇し、逆イールドは解消して金利差は広がった。

ドル円相場は週初106円80銭で始まり107円台後半で上下したのち
108円台を回復したが上値重く、週末は108円10銭で引け。

ユーロ円相場は117円80銭で始まり週央には119円台に。ECB金融緩
和で一時117円台に下落したが週末には120円に接近。引けは
119円70銭台。

日経平均はリスク選好の回復、米国株の堅調、ドル円相場の上昇に
支えられ堅調。週初21,200円で始まり週末は21,400円近辺に上昇し
て引けた。

月曜日の東京市場のドル円相場は106円80銭で始まり早々に107円を
つけた。日経平均は21,200円台で寄り付き上昇、21,300円近辺でも
み合い横ばいとなり引けは300円台。前週からのリスク選好回復の
流れが続き株高・円安傾向。中国株・上海総合指数は景気対策を好
感して7月初以来の水準に上昇した。

海外市場では米長期金利がボトムアウト感からの上昇が続き、10年
債利回りが1.65%、2年債利回りが1.59%に上昇。米国株はまちまち
だったが、ディフェンシブ銘柄が調整。リスクへの備えを緩める動
き。

ドル円相場は107円ちょうどを中心に上下した後、一段高。引けは
107円20銭。ユーロ円相場は東京市場では117円80銭で始まり118円
台に上昇すると海外市場では118円50銭で引けた。

火曜日の東京市場のドル円相場は107円20銭台で始まり一時50銭に
上昇。その後は20銭〜40銭で上下した。ユーロ円相場は118円50銭
で始まり118円60銭中心にもみ合い。ユーロドル相場は1.1040〜50
近辺で概ね横ばいもみ合い。

日経平均は引き続き堅調。海外投資家の買いも支えとなり21,350円
で始まり400円台に。350円〜400円でもみ合い、引けは21,400円近
辺。

海外市場では、米国株が引き続きまちまちの動き。セクターロー
テーション、入れ替えで業種によって上下動。そうしたなかリスク
選好回復の流れのなか米長期金利はさらに大幅上昇。10年債利回り
は1.74%、2年債利回りは1.68%。

円は一段安となり、ドル円相場は107円50銭〜60銭、ユーロ円相場
は118円70銭台に上昇して引けた。

水曜日の東京市場ではさらに小幅ながら円安が進んだ。ドル円相場
は107円50銭〜60銭で始まり午後には80銭近辺で上下。ユーロ円相
場は118円70銭台で始まり一時119円台に上昇。ただその後はユーロ
が軟調となり118円50銭に押し戻された。ユーロドル相場は1.1050
近辺から1.1020に下落。

日経平均は21,450円で始まり堅調。21,600円の高値引け。海外市場
に入ると米国株は堅調な展開となり大幅高で高値引け。米中通商交
渉の進展期待が株価を押し上げた。

中国が対米輸入品の一部に対する追加関税の見送りを発表。トラン
プ政権は中国からの一部輸入品に対する追加関税の適用を10月1日
から15日に延期するとした。

ただ米長期金利は上昇一服。10年債利回りは1.74%、2年債利回りは
1.68%で前日とほぼ同水準だった。ドル円相場は107円70銭〜80銭で
底固い値動き。ユーロ円相場は118円30銭に下落していたが持ち直
し、引けは118円50銭。ユーロは翌日にECB理事会を控えて軟調とな
り、ユーロドル相場は1.10を割り込んだが引けは1.1010。

木曜日の東京市場ではさらに円安。ドル円相場は107円80銭で始ま
り108円10銭に上昇。ユーロ円相場も118円70銭から119円ちょうど
に上昇してもみ合い。

日経平均は米国株高、堅調なドル円相場、に支えられ21,800円に一
段高で寄り付き。その後は800円中心に上下し引けは21,760円近辺。
ドル円相場は午後には押されて107円80銭〜90銭で推移。その後は
海外市場のECB理事会の結果待ち。

ECBは予想通り金融緩和を決定。中銀預金金利を現行の▲0.40%から
▲0.50%に0.10%ポイント引き下げ。債券購入を再開(11月1日から
毎月200億ユーロ)しインフレ目標に必要な限り継続、

一部超過準備についてマイナス金利を免除、フォワードガイダンス
を変更し、2%弱としているインフレ目標にしっかりと見通しが収束
していくまで現行またはそれ以下の水準にとどまる、とした(2020
年半ばまで、から変更)。

結果を受けてユーロは大幅下落。ユーロドル相場は1.1020から
1.0930へ、ユーロ円相場は119円ちょうど近辺から117円60銭へ。

米長期金利も低下し、10年債利回りは1.74%から1.70%割れとなりド
ル円相場も107円50銭台に小幅下落した。

しかし、債券購入に対してドイツ、オランダなど中核国が反対して
いたことが明らかに。またドラギ総裁が財政出動の必要性を強調し
たことでさらなる緩和への期待が後退。ユーロは急反発した。ユー
ロドル相場は1.1080へ、ユーロ円相場は119円80銭へ急上昇。

また発表された米国の消費者物価指数(8月)はコア指数が前年同
月比+2.4%と前月+2.2%から上昇率加速して予想+2.3%を上回った。
これらを受けて米10年債利回りは反発上昇して1.79%に、2年債利回
りは1.73%に。ドル円相場は108円20銭に上昇し引けは108円10銭。

ユーロ円相場は上昇一服して引けは119円60銭台。ユーロドル相場
は1.1060。そうしたなか米国株は続伸の後、頭打ち反落して小幅高。
トランプ大統領が、中国との暫定的な合意に扉を開いているが、持
続的な合意がより望ましい、とコメント。米中合意への楽観が株価
を支えた。

金曜日の東京市場のドル円相場は108円10銭で始まり20銭を中心に
上下。その後は108円ちょうど近辺でもみ合い。ユーロ円相場は
119円60銭で始まり70銭中心に上下、さらに上昇して120円に接近し、
その後は119円70銭〜90銭で上下した。

日経平均は21,900円で高寄りした後、22,000円手前でもみ合い。利
益確定売りに上値を押さえられたが堅調に推移した。引けは22,000
円ちょうど近辺。

海外市場では米国株が引き続き堅調に推移。NYダウは8営業日続伸。
小幅高もみ合い、横ばいで引け。その傍らで米長期金利はさらに大
幅上昇。株価の上昇を抑制した。米10年債利回りは1.90%に、2年債
利回りは1.80%に上昇した。

発表された米国の小売売上高(8月)は前月比+0.4%と前月の+0.7%
から伸びは減速したものの予想+0.3%より強め。ミシガン大学消費
者マインド指数(9月)は92.0と前月89.8から上昇し予想90.9を上
回る強い数字だった。

ドル円相場は108円10銭中心に上下してそのまま引け。ユーロ円相
場は119円70銭〜80銭でもみ合い引け。ユーロドル相場は
1.1070〜80。
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2019 年 9 月 9 日
MRA外国為替レポート(9月9日号)
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1.先週の市場総括
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先週は週央にリスク回避が後退、リスク選好が強まり、株高・米長
期金利上昇とともに円安となった。ドル円相場は週初に106円ちょ
うど近辺に下落してスタート。

月曜日は米国市場が休場で小動き。米国ISM製造業景気指数(8月)
が49.1と3年ぶりに景況感の分かれ目である50割れ。米10年債利回
りは1.5%を割り込んだ。

しかし水曜日に、アジア時間に香港政府が逃亡犯条例を撤回と報じ
られ、欧州ではイタリアで新内閣が発足へ。またイギリス下院が合
意なきEU離脱しようとする政府の動きを阻止する法案を可決。不透
明感が緩和。

さらに木曜日には米中両国が10月初旬に通商協議を開催することで
合意。リスク回避が急速に後退。米国株を中心にグローバルに株価
が大きく上昇。米長期金利も急上昇。10年債利回りは1.6%に迫った。

ドル円相場は107円を回復。ユーロ円相場は118円台半ばに上昇した。

週末の米雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが予想よりも弱かっ
た一方、平均時給の上昇率は強めとまちまち。ドル円相場は一時
106円60銭台に下落したが底固く106円90銭で引け。

米国株は堅調のまま週末の取引を終えた。日経平均も週初に20,600
円近辺で始まり、週央に大幅高となって21,200円近辺で引け。

パウエル議長は米国や世界経済の景気後退は予想せず、米当局は著
しいリスクを注視、景気拡大を維持するため引き続き適切に行動す
る、と述べ、市場の利下げ期待に変化はなし。

月曜日の東京市場では朝方やや円高に振れた。ドル円相場は106円
ちょうど近辺に、ユーロ円相場は116円50銭近辺に下落してスター
ト。ただその後は持ち直し106円20銭中心にもみ合い。

日経平均は20,600円に安寄りしたが、その後は600円〜650円で小動
き、もみ合い引けた。

中国では財新・製造業PMI(8月)が発表され50.4と景況感の分かれ
目である50を回復した。

海外は米国市場が休場。ただドルは堅調でドル円相場は106円30銭
〜40銭に小幅高。引けは106円20銭。

ユーロドル相場は1.0960〜70にややユーロ安ドル高でもみ合い。
ユーロ円相場は116円50銭。

火曜日のドル円相場は106円20銭で始まり40銭に上昇。ユーロドル
相場は1.0940に、さらにドルが堅調。

日経平均は20,600円割れで始まったが底固く、600円〜650円でもみ
合い小動き引け。海外市場に入るとドルは反落。

発表された米ISM製造業景気指数(8月)が49.1と前月の51.2から悪
化し予想も下回り、3年ぶりの50割れとなった。

米長期金利は低下して10年債利回りは1.47%、2年債利回りは1.46%。
米国株は安寄り、下落したがその後は底固くもみ合い。

ドル円相場は105円80銭に下落したが、その後は106円を回復し引け
は105円90銭〜106円ちょうど。ユーロドル相場は1.0970〜80に反発
してもみ合い。

ボストン連銀総裁(7月会合で利下げに反対票)は、米中摩擦でリ
スクは高まったが大半の経済見通し、金融市場の指標は景気後退よ
りも成長持続を示唆している、と述べた。

一方セントルイス連銀総裁は、景気は想定よりも下振れするリスク
があり9月のFOMCで0.5%の利下げを検討すべき、とした。

水曜日の東京市場のドル円相場は106円ちょうど近辺でもみ合い、
ユーロ円相場は116円20銭〜30銭でもみ合い。

日経平均も20,600円〜650円でもみ合い横ばい。後場には650円〜70
0円にやや水準を切り上げてもみ合い、引けは20,650円。

ただ東証引け後に、香港政府が一連の混乱の原因である逃亡犯条例
を撤回する、との報道があり、混乱収拾を期待してリスク回避が緩
和。円が全面安に。ドル円相場は106円20銭〜30銭に、ユーロ円相
場は117円ちょうど〜10銭に大幅上昇。またユーロドル相場も
1.1010〜20へ上昇した。

また中国国務院(内閣に相当)は、経済が妥当なレンジで成長する
ことを確実にする必要がある、として、時宜を得た方法で預金準備
率を引き下げていく意向を示した。

海外市場に入るとさらにリスク回避が緩和。イタリアでは、コンテ
首相が組閣名簿を提出し大統領が承認したことから新内閣が発足す
る運びとなった。

イギリスでは下院が10月31日に合意なきEU離脱をしようとする首相
の動きを阻止する法案を可決。3か月の離脱延期をEUに要請するこ
とを政府に強制する法案。

一方、首相が持ち出した10月15日に総選挙実施を求める提案は否決
された。

ドル円相場は106円40銭近辺に上昇。ユーロドル相場は117円30銭〜
40銭でもみ合い引け。ユーロドル相場は1.1030近辺。

米国株は高寄り後もみ合い、前日の下げを取り戻して引け。一方、
米10年債利回りは上昇後に反落して概ね前日比同水準の1.47%。2年
債は小幅低下して1.43%。

この日公表されたベージュブック(米地区連銀経済報告)では、米
国経済は緩やかに拡大している、製造業・農業・輸送業で減速が目
立つ一方で雇用・消費・住宅は底固い、とされた。

NY連銀総裁は、米景気減速の回避に向け適切に行動する用意がある、
今のところ米経済は良好な状態にある、とした。

木曜日の東京市場では前日の流れのまま一段の円安が進んだ。中国
商務省は。米中通商担当閣僚が電話会議を行い非常にうまくいった
との認識を示し、米中両国が10月初旬にワシントンで通商協議を開
催することで合意した、とした。

ドル円相場は106円40銭から70銭台に上昇、その後は40銭〜50銭で
推移したが底固い値動き。ユーロ円相場も117円30銭台から70銭に
上昇、その後は30銭に押し戻された。

日経平均は前日からのリスク選好回復の流れのままに寄付きは
20,800円。その後も一段高となり21,100円を回復し、後場には一時
前日比500円超の上昇となった。引けは21,100円近辺。

海外市場でも米国株が大幅高。米長期金利が大幅上昇。2年債利回
りは一時0.1%以上上昇して1.58%をつけ引けは1.54%。10年債利回り
も同様に1.58%に上昇した後1.56%。ドル円相場は106円70銭から
107円20銭に上昇し、引けにかけては押されて107円ちょうど近辺。

ユーロ円相場は大幅に上昇して一時118円60銭をつけ、引けは118円
ちょうど近辺。ユーロドル相場は1.1080に上昇したが押されて
1.1030〜40で引けた。

米国のADP雇用報告(8月)では雇用者数前月比が+195千人と予想
+140千人を上回り、ISM非製造業景気指数(8月)は56.4と前月53.7
から大きく改善し予想53.8を上回ってともに強い数字だった。

金曜日の東京市場は米国の雇用統計の発表、パウエル議長の発言を
待とうというなか総じて小動きとなった。ドル円相場は107円中心
に小動き横ばい。ユーロ円相場も118円ちょうど〜20銭近辺。

夕刻にかけては弱いドイツ鉱工業生産の数字からややユーロが軟調
となった。

注目の米雇用統計(8月)は、非農業部門雇用者数・前月比が+130
千人と前月+164千人から減速して予想+157千人を下回った。一方、
平均時給の上昇率は前月比+0.4%と前月+0.3%から加速、前年同月比
も+3.2%と前月と同水準で予想+3.0%を上回って明るさを示した。

非農業部門雇用者数の数字を受けてドル円相場は一時106円60銭台
に下落。ユーロドル相場も1.1050台にユーロ高ドル安となった。

しかし米国株が小幅高、もみ合いとなり堅調さを示し、米長期金利
が上昇し10年債利回りが一時1.60%をつけるなどしたことからドル
は支えられ、ドル円相場はじりじりと106円90銭に戻して引け。

ユーロドル相場も反落して1.1030近辺。米10年債利回りはその後
1.55%に戻して引け。2年債利回りは1.53%でともに前日とほぼ同水
準。

パウエル議長は、米国および世界経済は緩やかな成長の持続が最も
可能性の高い見通しであり、ともにリセッション(景気後退)は予
想していない、労働市場は非常に力強く8月の雇用統計はそうした
状況と整合的な数字、当局は著しいリスクを注視している、景気拡
大を維持するため引き続き適切に行動する、と述べた。
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2019 年 9 月 2 日
MRA外国為替レポート(9月2日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は、前週末に米中通商対立が激化し関税報復合戦
の様相を呈した流れを受け、月曜早朝にリスク回避の円高が進んだ。
ドル円相場は一時104円50銭に下落。

しかし月曜日のうちに、トランプ大統領が米中通商交渉を再開する
とし、中国サイドからも劉鶴副首相が冷静に協議・協力して問題を
解決するとしたことで安心感が広がった。

前週末に急落した米国株は上昇。ドル円相場は106円台を回復。そ
の後は米中対立の行方を見極めようと様子見が強まった。

米長期金利が大きく低下して10年債利回りが1.5%割れとなり、また
2年債金利と逆転する逆イールドとなったが株価は底固い値動き。
ドル円相場も106円前後で推移。

木曜日には米中交渉進展期待から米国株は上昇して前週の大幅安を
取り戻し、ドル円相場も106円台後半に上昇した。

ただ米中交渉の不透明感はぬぐえず上値も重く、週末は106円30銭
台で引け。ユーロは軟調が続き、週末には対ドルで2017年5月以来
の1.10割れとなった。

日経平均は米国株の堅調やドル円相場の反発から週を通じて底固く、
週末は20,700円台に上昇して高値引けとなった。

月曜日の東京市場は朝方からリスク回避の円高が急伸。トルコリラ
/円相場などクロス円相場(ドル以外の通貨に対する円相場)での
外為証拠金取引の損切り、強制的な円買い戻しに引っ張られ、ドル
円相場は105円10銭近辺で安寄りの後104円半ばまで円高が進んだ。

ユーロ円相場は117円40銭から116円60銭近辺に下落。

日経平均は20,200円割れで大幅安寄り。ただ割安感もあり底固く、
20,200円〜300円で上下して引けた。円買い一巡後、ドル円相場は1
05円台を回復。

トランプ大統領が、中国の要請もあり通商交渉を再開する、とした
ことでリスク回避が後退。中国の劉鶴副首相も、冷静な地度で協議
や協力を推し進め問題を解決する用意がある、と発言。市場に安心
感が広がった。

海外市場に入ると欧米株が上昇。NYダウは前週末比270ドルほど反
発。円安の流れが続き、ドル円相場は106円10銭近辺まで上昇して
引け。ユーロ円相場は117円80銭中心の値動きで引けた。

ユーロドル相場はアジア時間に1.11台半ばで推移したが、NY引けは
1.11ちょうど近辺にユーロ安ドル高。米10年債利回り、2年債利回
り、ともに1.54%。

火曜日の東京市場のドル円相場は106円10銭で始まったが105円60銭
〜70銭に下落。ユーロ円相場も117円80銭から117円30銭〜40銭に。
ただ円高は続かずその後は底固い値動きでやや円安。ドル円相場は
105円80銭中心に上下。

日経平均は米国株やドル円相場の反発を好感して20,400円台に反発
して高寄り。20,400円〜500円で上下。この日、中国は20項目の景
気刺激策を発表した。

海外市場では米国株が中国の景気対策を好感して上昇したもののそ
の後反落して前日比マイナス。米長期金利が低下し、2年債利回り
が1.52%、10年債利回りが1.47%と逆イールドが大きくなったことで
ネガティブな反応が広がった。

ドル円相場は一時106円台に乗せたが反落して105円70銭〜80銭でも
み合い。ユーロ円相場は117円70銭に上昇したが反落して30銭中心
のもみ合い。

発表されたリッチモンド連銀製造業指数(8月)は+1と前月▲12か
ら改善。消費者信頼感指数(8月)は135.1と予想より強く前月とほ
ぼ同水準を維持した。

この日、元NY連銀総裁のダドリー氏は、トランプ大統領からの利下
げ要求からFRBは決別すべき、と述べた。

水曜日の東京市場のドル円相場は105円70銭台で始まりそのまま小
動き横ばい。ユーロ円相場も117円30銭中心に小動き。日経平均は
20,450円〜500円でもみ合い小動き、引けは20,480円近辺。米中対
立を見極めようと様子見が広がった。

海外市場では米国株が上昇。NYダウは260ドル高。世界的な長期金
利低下傾向が続き、イタリア国債10年債利回りが初の1%割れ。新
政権発足に向け協議が進展し、大統領がコンテ首相に新政府樹立を
指示したことが好感された。

米国では5年債入札がしっかり。30年債利回りが一時1.90%と過去最
低をつけた。2年債利回りは1.50%、10年債利回りは1.47%と逆イー
ルド幅がやや縮小。

株価持ち直しにリスク回避は緩和して円は弱含み。ドル円相場は
106円20銭に、ユーロ円相場は117円60銭に上昇。引けかけてはやや
反落して、ドル円相場は106円10銭近辺、ユーロ円相場は117円50銭
近辺。ユーロドル相場は1.1080〜90で横ばい。

木曜日の東京市場のドル円相場は106円ちょうど〜10銭で始まりや
や下落して105円90銭近辺でもみ合い横ばい。ユーロ円相場も同様
の値動きで117円50銭から30銭〜40銭に下落してもみ合い。

日経平均は20,450円で始まり350円に下落したが、その後は持ち直
し、午後にかけてジリ高。20,450円と前日引け同水準で引けた。夕
刻にかけて円が軟調。ドル円相場は106円20銭〜30銭に、ユーロ円
相場は117円60銭〜70銭に、それぞれ反発してもみ合い。

海外市場では米国株が上昇。NYダウは前日比+330ドル。前週末の大
幅下落をすべて取り戻した。中国は報復関税の詳細を発表。一方で、
9月に予定している米中閣僚級協議の準備を進める、貿易競争のさ
らなるエスカレートを防ぐことに注力、としたことからリスク選好
が回復した。

この日発表された米国GDP4-6月期改定値では個人消費が上方修正さ
れ消費が堅調であることを改めて示した。また小売の一部決算では
消費の堅調さが米中摩擦による影響を吸収していることが示された。

米長期金利は上昇して2年債は1.53%、10年債は1.52%。為替市場で
はさらに円安が進み、ドル円相場は106円70銭、ユーロ円相場は
117円90銭に一時上昇。ただその後反落して引けは106円50銭、
117円80銭。

この日、ECBの次期総裁に就任する予定のラガルド氏はドラギ総裁
を引き継ぎ、ユーロ圏のインフレ率を押し上げるため超緩和的な金
融政策を維持する、とハト派スタンスを示した。

金曜日の東京市場のドル円相場は106円50銭で始まり、その後は
106円40銭中心にもみ合い。ユーロ円相場は117円80銭で始まり
117円40銭〜60銭で推移した。

日経平均は20,600円台半ばで高寄りし700円台に上昇。その後は
20,700円近辺でもみ合いそのまま引けた。ドル円相場が堅調に推移
し米国株も上昇したことでしっかり。

海外市場に入るとユーロが下落。ユーロドル相場は。1.1040〜50近
辺から1.0960近辺に下落。1.10割れは2017年5月以来。その後やや
戻したが引けは1.10割れのまま。

ユーロ円相場も一時116円60銭〜70銭まで下落し、引けは116円80銭。
とくに材料のないなか、このところのユーロ安基調の流れのなかで
さらに売りに押された。

米国株はとくに方向感なく小幅高。米長期金利は小幅低下して2年
債利回りは1.51%、10年債利回りは1.50%とほぼ同水準。

発表された個人所得はやや弱めだったが消費支出は堅調。シカゴ購
買部協会景気指数(8月)は50.4と前月の44.0から持ち直し予想を
上回るとともに景況感の分かれ目である50を辛うじて上回った。

一方、ミシガン大学消費者信頼感指数(8月確報)は89.8と速報の
92.1から大きく下方修正された。米中摩擦の不確実性が高まったこ
とで消費者の不安・悲観的な見方が強まったことが背景とみられる。

ドル円相場はユーロ円相場の下落に押され一時106円10銭台に下落
したが持ち直し、引けは106円30銭台。

週末に発表された中国の製造業PMI景況指数(8月)は49.5と引き続
き景況感の分かれ目である50を下回り前月49.7から悪化した。一方、
非製造業PMIは53.8に前月53.1から改善した。
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2019 年 8 月 26 日
MRA外国為替レポート(8月26日号)
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1.先週の市場総括
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先週のドル円相場は106円40銭近辺で始まり、その後は106円台半ば
を中心に上下動。週末のパウエル議長の発言を見極めようと姿勢が
強かった。

それに先んじて発表されたFOMC議事録やFRB当局者の発言からは追
加利下げに慎重な姿勢がみられたことでドルは底固い値動き。米長
期金利は低下一服。10年債利回りは1.6%近辺で推移した。

ECB議事録では積極的な緩和策が議論されていたこともあり、ユー
ロドル相場は1.11近辺でもみ合いの後、ややユーロ安ドル高。そう
したなか週末に中国が対米報復関税を発表。これに対して米国が直
ちに対抗措置を発表し、先般決定した対中関税の税率を引き上げる
こととした。

これを嫌気して市場ではリスク回避が一気に高まった。米国株は大
幅下落。米長期金利は低下。米10年債利回りは1.53%に。為替市場
では円が全面高。ドル円相場は105円30銭に急落して40銭近辺で週
末の取引を終えた。

ユーロ円相場は週前半118円近辺で推移したが週末は117円40銭近辺
に下落して引け。

月曜日の東京市場は106円40銭中心に上下、その後は30銭〜40銭で
もみ合い。ユーロ円相場は118円ちょうどを中心に上下動。ユーロ
ドル相場は1.11近辺で小動き。

日経平均は前週末に米国株がしっかりでドル円相場も底固かったこ
とから20,600円で高寄り。その後は上値を抑えられたが20,500円台
半ばで引けた。

週末に中国人民銀行が金利改革を発表し企業の借り入れコスト低下
が図られるとの思惑が高まって中国株が堅調に推移した。

海外市場に入ると、ドイツではシュルツ財務相が景気悪化時の財政
出動の可能性に言及。各国の景気刺激策への期待が高まるなか、欧
米長期金利が上昇し株価は堅調に推移した。米国がファーウェイ社
への制裁発動を90日間猶予したことも一助に。

米10年債利回りは1.60%に上昇。ドル円相場は106円60銭中心にもみ
合い。ユーロドル相場はややユーロ安ドル高に振れて1.1080。ユー
ロ円相場は118円台に乗せて推移。ボストン連銀総裁は引き続き追
加利下げに反対の姿勢を示した。

火曜日の東京市場の為替市場は小動き。ドル円相場は106円60銭近
辺で、ユーロ円相場は118円10銭近辺で、ユーロドル相場は1.1080
台で、それぞれもみ合い横ばい。

日経平均は20,600円台で小幅高寄り、その後は底固い展開。20,600
円台半ばでもみ合い引け。米・中・独の景気対策への期待も支えに。

中国では人民銀行が銀行貸し出しに関する新たな基準金利の公表を
開始した。

海外市場に入るとイタリアの政局不安からリスク回避が高まった。
イタリアのコンテ首相が辞意を表明、連立政権が崩壊。市場のリス
ク選好に冷や水を浴びせた。

ユーロ円相場は117円60銭に下落。ドル円相場も下落して106円20銭
〜40銭で上下。全般的にやや円高となった。

米国株は下落、米長期金利は低下して10年債利回りは1.55%。ユー
ロはその後反発してユーロドル相場は1.11ちょうど近辺、ユーロ円
相場は118円ちょうど近辺。ドル円相場は106円20銭で引けた。

水曜日の東京市場のドル円相場は106円20銭で始まり昼には上昇し
て50銭中心にもみ合い。ユーロ円相場も117円90銭から118円20銭中
心のもみ合いに。全般的にやや円安となった。

日経平均は20,500円近辺に安寄りとなったが堅調で、20,600円近辺
でもみ合い引け。引き続き中国政府の景気下支えに対する期待がリ
スク選好を支えた。

海外市場に入ると米国株が上昇。NYダウは200ドルを超えて上昇。
小売業の決算が良好、個人消費の強さが再確認され株価は全面高と
なった。

公表されたFOMC議事録(7月30日・31日開催分)が公表され積極的
な利下げ観測が後退。米長期金利はやや上昇。2年債利回りは1.58%、
10年債利回りは1.59%。

これに支えられてドルが小幅上昇。ドル円相場は106円60銭、ユー
ロドル相場は1.1080台。

トランプ大統領は、中国との交渉はうまくいっている、パウエル議
長は利下げすべき、と従来の主張を繰り返した。FOMC議事録では一
段と積極的な利下げについて議論されたが、利下げは景気サイクル
中盤での政策調整であり、利下げサイクル入りではないことを確認。
追加緩和が続くような印象を与えないことで一致したことが明らか
になった。

発表された米国の中古住宅販売(7月)は季節調整済み年率換算で5
42万戸(前月は527万戸)と強めだった。

木曜日の東京市場のドル円相場は106円60銭近辺で始まり上値重く
じりじりとドル安円高に。夕刻には30銭〜40銭中心にもみ合い。
ユーロ円相場は118円20銭で始まり117円80銭に下落するとその後は
118円を挟んで上下。

日経平均は20,700円台前半で高寄りも下落し、後場は20,600円近辺
でもみ合い引けは20,600円台前半。

注目は各国当局者などを集めてこの日から始まるジャクソンホール
シンポジウムに。欧州ではECB理事会議事要旨(7月25日開催分)が
公表された。利下げと資産買い入れの組み合わせに効果があるとし
て検討していたことが明らかになった。

米国ではFRB当局者の発言が相次いだ。フィラデルフィア連銀総裁
は、政策金利は現時点で中立、当面は現状水準で様子見を、と発言。
カンサスシティ連銀総裁は、金利水準はほぼ均衡、現状水準での維
持に前向き、今後景気悪化の証拠がなければ利下げは必要ない、と
述べた。

これに対してダラス連銀総裁は、追加利下げは避けたいが柔軟なス
タンス、と発言した。ややタカ派的な発言を受けて米長期金利は小
幅上昇。2年債利回り、10年債利回り、ともに1.61%。ドル円相場は
106円60銭に上昇した。

発表されたPMI景況感指数(8月)は、欧州では前月から改善。ドイ
ツ製造業は43.2から43.6へ。ただ8か月連続で景況感の分かれ目で
ある50割れ。一方米国では製造業PMIが49.9と前月の50.4から悪化
してこの間で初めて50を割り込んだ。

米国株はまちまち。ドル円相場は106円40銭近辺で引け。ユーロ円
相場は118円ちょうど近辺。ユーロドル相場は1.1080。

金曜日の東京市場のドル円相場は106円40銭で始まり底固く106円60
銭台に上昇。ユーロ円相場は117円90銭で始まり118円ちょうど近辺
で上下した。ユーロドル相場は1.1080で始まりユーロ安ドル高。
1.1060台。

日経平均は20,600円近辺で寄り付き、小じっかり。20,700円近辺で
もみ合い引けた。

夕刻にかけてドルはなお堅調。ドル円相場は106円70銭に、ユーロ
ドル相場は1.1050台へ。海外市場では引き続きFRB当局者の発言が
相次いだ。

クリーブランド連銀総裁は、下方リスクには留意しているが現状で
は何も変更しないことを主張。ダラス連銀総裁は、米経済の下押し
要因は金融政策ではなく通商や移民問題、との認識を示した。

セントルイス連銀総裁は、9月のFOMCで0.50%の利下げについて活発
な議論となろう、と述べた。

注目されたパウエル議長は、米経済は望ましい状況にあるものの著
しいリスクに直面している、通商政策を巡る不確実性は世界経済の
減速や米国における製造業、設備投資の弱さの一因となっているよ
うだ、力強い労働市場と対称的な2%の目標に近いインフレを伴う景
気拡大の維持に向け適切に行動する、先月のFOMC以降の出来事が多
かった、と述べた。

追加利下げのニュアンスは示したが市場の期待からは外れず市場の
反応は限定的だった。

一方、米中貿易摩擦を巡る状況は悪化。中国が対米報復関税を発表。
米国の追加関税の発動に合わせて9月には大豆と原油に、12月には
自動車に対し、総額750億ドル相当の米製品への関税上乗せを公表
した。

これに対してトランプ政権は対抗措置を検討することを表明。米中
貿易摩擦の悪化を嫌気して市場ではリスク回避が強まり米国株は大
幅下落。NYダウは600ドル超の急落。米長期金利は低下して、2年債
利回り、10年債利回りはともに1.53%。

ドル円相場は105円30銭に急落して引けは105円40銭。ユーロ円相場
は117円40銭近辺に下落してもみ合い引け。ドルは対ユーロでも下
落してユーロドル相場は1.1140台にユーロ高ドル安が進んだ。

明らかになった米国の対抗措置は、すでに決定している対中関税に
ついて、現行の2,500億ドルについて10月1日から25%を30%に、今
後導入を決めている3,000億ドルについて10%から15%に、それぞれ
引き上げる、という内容。
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