MRA外国為替レポート(9月17日号)号外
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1.為替市場クイックコメント
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サウジアラビアで石油精製関連施設が攻撃され原油価格が急騰。
為替市場ではドル高、産油国通貨高、となっています。
今後の円相場への影響は
1.リスク回避イベント 円高要因
2.日本の貿易収支の悪化 円安要因
の双方があり単純ではありません。
なおかつドル相場に関しては
1.ドルも安全通貨であること(リスク回避で買われる) ドル高要
因
2.米国は産油国であること(シェールオイル) ドル高要因
金融政策については
原油価格上昇は物価押し上げ圧力ですが、それによる物価上昇は、一般
経済の需給引き締まりによるものではなく、外生的なもの。
単純に、石油消費国から産油国への所得移転となり、消費国では景気悪
化。それに対して、物価をにらんで金融緩和を控えるというより、景気
へのリスクとみることになりそうです。
ここも、物価上昇圧力とみるか、景気下押し圧力とみるか、で分かれて
きます。とくに、消費に与える悪影響が大きくなるため、現在、米経済
が消費堅調が支えとなっているだけに懸念要因。
FRBは予定通り、▲0.25%の利下げを実施すると思われます。
円相場は上記のとおり、双方の要因があり、単純な為替需給ではマイナ
ス、円安要因となります。世界経済全体への悪影響、株価下落、となれ
ば、このところの円安傾向が一服することに。
地政学的リスクがさらに高まることがなければ、円も買われやすいもの
の、ドルも安全通貨として買われやすい。
結果、ドル円相場は107円台では引き続き底固く推移すると予想します。
米景気後退、世界景気後退が現実的となるようなら105円を試すことに
なりそうですが、現時点においては、リスクシナリオにとどまる。
上値は108円台では重いとみられますが、ドル円相場に関しては底固さ
は不変と考えます。