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「香港デモのリスク」

「米中対談・経済対策期待で総じて堅調」

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1.商品市況概況
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◆昨日の商品市場(全体)の総括
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「米中対談・経済対策期待で総じて堅調」

【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は非景気循環系商品、安全資産、非鉄金属が売られ
る一方、エネルギーなどには買戻しが入り高安まちまちとなったが、
全体としては上昇した商品が目立った。

トランプ大統領と習近平首席が近く電話会談を行う、との報道を受
けて(主に香港情勢に関する会談と報じられている)米中間の交渉
に何らかの進捗がある、との期待が高まったことが背景。

また、独シュピーゲル紙が独政府が財政出動を伴う経済対策を行う
方針、と報じたことも株価を押し上げリスク資産価格の上昇要因と
なった。


【本日の価格見通し総括】
お盆の休暇明けの月曜日は目立った材料に乏しいが、株式市場が香
港問題や米中問題の進捗を期待して戻り基調を強めているため、総
じてリスク資産価格には上昇圧力がかかる展開になると予想される。

しかし、世界経済が下りのエスカレーターに乗っている状況に変わ
りはなく、基本的に景気循環系商品価格が下押しされ易い環境にあ
ることは変わりがない。

市場は今後の金融政策の動向に注目しており、徐々に需給相場から
金融相場に移行するとみられる。その意味で今週はジャクソン・
ホールのタウンミーティングでのFRBパウエル議長の発言に注目が
集まる。

ただ、タウンミーティングはかつてバーナンキ議長がQE2の実施の
意向を表明したことで注目が集まっているが、逆に市場の憶測を生
みやすくなっているためあえてここで具体的な発言をしないように
する可能性もあり、材料としての影響は不透明。


【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】
このお盆の期間の商品市場を含む市場は、景気の先行き懸念を受け
た金利動向に左右される形となった。過去の例を見るに、米国の2
年債と10年債の利回り逆転(2年債利回りの方が高い)状態になる
と、早ければ半年後あたりから米国の景気が後退することが確認さ
れているためだ。

しかし、各国中央銀行が量的緩和の名分の下、買い入れオペを継続
して長期金利を意図的に低下させており、経済の体温計である長期
金利は正しく機能していない。そのことを考えると、この指標を参
考に景気の先行きを占うことは危険かもしれない。

しかし、多くの市場参加者がすでにこの考え方を「認識」している
ことの意味は大きく、特に株式市場参加者が長短金利逆転時にアル
ゴリズム取引を通じて売りを膨らませる傾向が強く、結果、多くの
リスク資産価格にマイナスの影響を与えがちである。

しばらくは特に米国の長期金利動向が多くの商品価格動向を左右す
ることになるだろう。

世界景気は、中国経済が構造的な減速局面に米国の制裁が加わり顕
著な減速となり、欧州は循環的な減速感が強まっている一方、米国
経済はそれほど大きな影響を受けている感じではない。

1-7月の中国固定資産投資は前年比+5.7%(1-6月+5.8%)と減速、エ
ネルギーや非鉄金属のフロー需要の指標である工業生産は同様の年
初来で+8.3%(+8.4%)と減速している。これらの統計は恐らく操作
されているとみられるが、そうであったとしても減速していること
は明かだ。

一方、米国はニューヨーク連銀指数やフィラデルフィア連銀指数は
市場予想程の減速とはなっておらず、個人消費も堅調である。今の
ところ米国の対中戦略は成功とは言えないまでも、まずまずの効果
をもたらしている。

結果、米国は中国に対して強硬な姿勢を継続してもおかしくない地
合いであるが、米政府が対中関税引き上げ第4弾が一部見送ったこ
とは、これ以上の制裁強化が米国経済にマイナスであることを米政
府も認識し始めたことを示しており、さらに強硬な制裁が行われる
可能性は低下したとみておくべきだろう。


【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
(マクロ要因)
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標再びの減速(価格下落要
因)。

・世界景気の減速観測。IMFは2019年の経済見通しを引き下げ
(+3.3%→+3.2%)ている。2020年は+3.5%(▲0.1%)に戻る楽観見
通しであるが、米中交渉の決裂懸念など、引き続きリスクは下向き
としている。

・FRBの利下げの可能性が再び高まる。世界経済の悪化懸念を材料
にFRBは利下げ方向に舵を切っている。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格
の上昇要因(Q219の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.4%と1992年の
統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々
に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要
の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。


(特殊要因)
・米中通商協議が再開されたが逆に、相互の制裁強化となってしま
った。今後、仮に進捗があったとしても、通商協議の根本解決には
複数年単位の時間が必要で、その間世界経済がさらに減速する場合
(下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧
州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの
強まり(下落要因)。

・中東情勢の悪化を受けた域内景気の混乱と、それを受けた欧州景
気への悪影響拡大(下落要因)

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。ジョンソン首相は
「何が何でも10月末に離脱」としており、首相就任後の発言もハー
ドブレグジットを前提としており、その可能性はさらに高まった
(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下
落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的
リスクの高まり(下落要因)。


(投機・投資要因)
・米利下げ観測の高まりで長短金利逆転状況が解消し、金融株を中
心に株が上昇、リスクテイク再開で景気循環系商品価格にプラスの
影響を与える場合。


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◆昨日の商品市場(個別)の総括
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---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】
原油相場は上昇した。トランプ大統領と習近平首席が近く電話会談
するとの報道や、独シュピーゲル紙が独政権が財政出動を検討して
いると伝えたことで世界的な景気刺激策への期待が高まり株価が上
昇、下落が大きく割安感があったエネルギーにも安値拾いの買いが
入った。

【原油価格見通し】
原油価格は、各国の経済対策や金融緩和観測を背景に一旦反発する
ものとみているが、総じて軟調な推移は続くものと考える。先週発
表された中国の経済統計は減速、米国の経済統計は強弱まちまちで
あるが、景気の減速を反転させるほどの対策が打たれているわけで
はないため。チャート的にもまだ下値を試してもおかしくない状況。


市場の注目は世界的な金融緩和動向に移っており、相場は金融相場
に差し掛かっていると考える。今後は結果的に金融政策の価格への
影響が大きくなり、価格への影響が無視できなくなると予想。

イラン問題の終息は、イラン・米国とも自身から歩み寄って解決す
るとは考えにくく、第三者の仲介が必要と考えられる。恐らく欧州
の仲介によって来年の米大統領選挙開始前までに問題が終息する、
というのが「希望的観測を含めた」メインシナリオである。


【石炭市場動向総括】
石炭先物市場は下落した。中国の経済統計減速を受けて同国の需要
が減少するとみられていることが背景。また、中国の大幅な石炭輸
入増加で在庫積み増しが一巡したと考えられることも、追加的な在
庫積み増し需要を後退させ、価格の下落要因となった。


【石炭価格見通し】
石炭価格はピークシーズンということもあり、貿易統計の内容を受
けて一旦買戻しがはいるものと考える。しかし、米中対立が深まっ
ていること、LNG価格の大幅下落が需要面で価格を下押しするため、
上昇余地も限定されると考える。

また、6月の石炭生産が過去最高となる3億3,335万トンに達し、こ
れを受けて中国政府は年間の石炭輸入量を2億8,000万トンに制限す
る目標を掲げており、中国の6大電力会社の石炭在庫も高水準であ
ることを勘案すると、中国の石炭輸入が今後も増加するという展開
は考え難い。

ただ、バルチック海運指数が再び上昇しており、価格が下落してい
ることもあって石炭輸入の制限前の駆け込み需要が顕在化している
可能性はある。

【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・景気が減速する中での減産継続は、その効果が限定されはするも
のの、足元の価格下落を受けてOPECプラスの協調減産は2020年3月
まで継続される予定で、一定の下支え効果をもたらす見込み。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなど
の新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加
が相殺(需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。
価格上昇要因(石炭)。

・中国の石炭港湾在庫が増加に転じていることは、冬場の在庫減少
を取り戻すための在庫積み増しの動きが強まっているためと考えら
れる(石炭)。


(特殊要因)
・米国とイランの関係はこの20年で最悪の状態。両国の国力を減ず
る戦争のリスクは依然低いとみるが、現状では開戦の可能性も完全
に否定できない状態。

・米朝首脳会談が電撃的に開催されたが、制裁は継続する見込みで
あり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石
炭)。

(投機・投資要因)
・WTIはロングが増加、ショートが減少。米経済が思ったほど減速
しておらず、今後金融緩和が政府の圧力で行われるとの見方が強ま
っていることが背景。

Brentはロングが減少、ショートが増加した。景気の先行き懸念と
OPECの足並みの乱れを懸念したポジション取りとなっている。

・直近の投機筋のポジションは、WTIはロングが547,040枚(前週比
+6,116枚)、ショートが164,896枚(▲387枚)、ネットロングは382,1
44枚(+6,503枚)、Brentが309,056枚(前週比▲26,873枚)、ショート
が82,289枚(+9,860枚)、ネットロングは226,767枚(▲36,733枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】
LME非鉄金属価格は総じて軟調な推移となった。中国の経済統計の
減速を受けて中国の景気先行きへの懸念が強まっていることや、米
国の住宅着工件数が減速したことが、非鉄金属全体の売り材料とな
っている。

【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は一時的に、投機の買戻しに先導される形で上昇余地
を探る展開になると考える。中国の重要統計の減速を受けて金融緩
和や財政出動などの経済対策への期待が高まると予想されることか
ら。

しかし中国製造業PMIの改善は大企業に限られており、中堅・中小
企業の景況感はまだ回復しておらず、世界の景気が(主に循環的
に)下りのエスカレーターに乗る中で需要見通しが減速、経済対策
期待はあるものの、対策の効果が永続的ではないと予想されること
から、中期的にも価格は下値余地を探りやすい。

10月末の英国のEU離脱もハードなものになる可能性が高いことも、
一時的に価格を押し下げよう。

再び持続的な上昇に転じるのは、中国の公共投資が顕在化する年後
半か、インド需要が顕在化すると期待される2020年の春以降と見る。

ニッケル価格が暴騰し、一時17,000ドルを目指す展開となったが、
固有の材料としてはインドネシアの未処理鉱石輸出規制強化の可能
性ぐらいしかなく、どちらかといえば中国貿易統計が市場予想程弱
くなかったことを受けて、供給懸念という材料があるため、必要以
上に買戻し圧力が強まったため、と考えられる。

基本、景気が減速しているため、2012年の時と同様、実際に輸出規
制が始まるまでは本格的な上昇にならず一旦下落すると考えている。


【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・最大消費国である中国の製造業PMIは回復したものの閾値の50を
下回り、中堅・中小企業の景況感は悪化している。ただし新規受注
の増加と在庫の小幅な減少で、新規受注/完成品在庫レシオ、新規
受注/原材料在庫レシオが小幅に上昇しており、非鉄金属価格の上
昇要因に。

・1-7月期の中国工業生産は前年比+5.8%(1-6月期+6.0%)、7月
+4.8%(前月+6.3%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-7月期の中国固定資産投資は前年比+5.7%の34兆8,892億元(1-6
月期+5.8%の29兆9,100億元)、公的 +7.1%(+6.9%)、民間 +5.4
%(+5.7%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ス
トック需要の減速=価格下落要因)

・1-7月期中国不動産開発投資は前年比+10.6%の7兆2,843億元(1-6
月期+10.9%の6兆1,609億元)と高い水準を維持してはいるが、やは
り減速傾向が強く、特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の
下落要因に。


・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、
EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80
キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要
の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生
産は再開しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCも高止まり。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄
金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要
因)。


(特殊要因)
・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めて
でも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要
因に。

・銅の生産減少観測(環境問題によるインド、露天掘りから地下生
産に変更するインドネシア)、ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響によ
る供給減少(アルミやニッケルなどに波及する可能性)。

ハイドロのアルノルテ アルミナ精錬所の問題に象徴されるように、
広く非鉄金属を含む鉱物セクターは、環境問題への高まりから供給
が政府命令で急に停止してしまう可能性は低くない。

インドネシアのニッケル未処理鉱石輸出再開の可能性(2022年に実
際に行われれば上昇要因に)。


・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管
場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、
LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。


(投機・投資要因)
・8月9日付のLMEポジションは、まちまち。銅・ニッケルはロン
グ・ショートとも増加したが、ショートの増加が大きくネット売り
越し。

亜鉛とアルミは中国の景気減速懸念が意識されたか、ロングの減少
とショートの増加が確認されている。鉛はロング・ショートとも減
少しているが気温上昇が意識されたか、ショートの買戻しが顕著。

投機筋のLME+CME銅ネット売り越し金額は▲79.3億ドル(前週
▲55.6億ドル)と売り越し幅を再び拡大。売り越し額の増加率は
42.7%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲2,085千トン(前週
▲1,507千トン)と売り越し幅を拡大。鉛、錫以外はトン数ベース
でネット売り越しのまま。亜鉛は再びネット売り越しに転じた。ネ
ット売り越しの増加率は38.8%。


---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は横
ばい、中国鉄鋼製品市場は期近が大幅に下落したが中心限月は小幅
高となった。

再びバルチック海運指数が上昇しており、中国の在庫積み増しの動
きが強まったとみられることが鉄鉱石価格を押し上げた。


【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は一旦上昇すると考える。バルチック海運指数を見るに、
再び鉄鋼原料の在庫積み増しの動きが見られることから。

ただし中国の景気は減速しており、経済対策への期待はあるものの
中期的には家格は下押しされると予想する。

【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・直近の中国鉄鋼業PMIは47.9(前月48.2)と悪化した。主に新規
受注(国内向け)が減速したことによるもの。またバルチック海運
指数の押し上げに寄与していた原材料在庫も水準が切り上がり、完
成品在庫も増加基調にある。

ヴァーレの供給減少は継続しているが、需要面で鉄鋼製品・鉄鉱原
料の需給が緩和する可能性が出てきた。


・1-7月期の中国工業生産は前年比+5.8%(1-6月期+6.0%)、7月
+4.8%(前月+6.3%)と減速(フロー需要の減速=価格下落要因)。

・1-7月期の中国固定資産投資は前年比+5.7%の34兆8,892億元(1-6
月期+5.8%の29兆9,100億元)、公的 +7.1%(+6.9%)、民間 +5.4
%(+5.7%)とやはり減速。民間セクターの減速の影響は大きい(ス
トック需要の減速=価格下落要因)

・1-7月期中国不動産開発投資は前年比+10.6%の7兆2,843億元(1-6
月期+10.9%の6兆1,609億元)と高い水準を維持してはいるが、やは
り減速傾向が強く、特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の
下落要因に。


・中国の鉄鋼製品在庫水準の高さは価格の下落要因。鉄鋼製品在庫
は前週比+44.6万トンの1,344.3万トン(過去5年平均1,025.4万ト
ン)と例年を大きく上回っている。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比180万トンの1億2,105万トン(過去5
年平均1億1,897.6万トン)、在庫日数は+0.4日の25.1日(過去5年
平均 30.1日)と例年の水準を下回った状態が続いている。

絶対水準の増加は続いているが、まだ在庫日数ベースでは例年を大
きく下回っている。ファンダメンタルズ面で鉄鉱石価格を下支えし
よう。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフ
ラ整備のための投資拡大方針を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格
を押し上げ。

・ヴァーレ、リオ・ティントの生産目標引き下げによる供給減速。

(特殊要因)
・中国政府がシャドーバンキングを含む、違法な資金調達を認めて
でも公共投資を進める方針を示したことは価格の上昇要因。

・ヴァーレの尾鉱ダム決壊の影響が拡大し、さらに供給減少が起き
た場合(自社・他社ともにあり得る)、価格の上昇要因に。

ヴァーレの尾鉱ダム事故の影響で、今後、低品位鉱石価格にも上昇
圧力がかかる公算。

(投機・投資要因)
・供給懸念などを通じて大連取引所は建玉を積み増しながら、価格
を切り上げており、先々の下落リスクは高まっている状況。


---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】
金銀価格は下落した。独財政出動への期待から株が戻りを試す動き
になったことに加え、長期金利が上昇して実質金利が上昇したこと
が背景。

PGMは各国の経済対策期待を材料とした株高を受けて対金銀で割高
に推移、水準を切り上げる動きとなった。

【貴金属価格見通し】
金価格は高値圏での推移になると考える。世界景気の先行き懸念の
強まりから長期金利が低い水準で推移し、期待インフレ率を上回る
低下となっているため、実質金利が低下していることが背景。

また、北朝鮮のミサイル発射頻発や日韓の対立激化、イタリアの政
情不安や、英国のハードブレグジット懸念といった欧州のリスク、
米中対立の継続、香港デモの拡大を受けたリスク回避の動きは継続
するとみられるため。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)の高止まりが金銀レシ
オを押し上げているため対金で割安に推移。

銀が通貨としての価値を有していたころの、過去の水準に金銀レシ
オが戻ることは難しいと考える。

PGM価格は金銀価格が高値圏でもみ合う一方、景気への懸念とそれ
を受けた経済対策期待で株価が乱高下するとみられるため、神経質
な推移になると予想する。

【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・FRB・ECBの金融緩和期待が高まっているが、FRBは7月のFOMCで▲
25bpの利下げを実施。今後は9月の会合での利下げ有無とその規模
(▲50bpも?)。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金
利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や米
中貿易戦争の合意、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善
で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス
触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト期待(パラジウムの
上昇要因・プラチナの下落要因)。ただし実際にシフトが起きるに
は相当の時間がかかる見込み。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナ
が供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

(特殊要因)
・米中通商交渉は難航しており、米国は中国に対して追加制裁を発
動、目先の買い材料となっている。また、この交渉は中国の知的財
産権侵害や技術の強制移転などの解決が最終目標であり、長期化の
見込み(価格の下支え要因)。

・米国とイランの緊張はイランによるスパイ処刑やミサイル発射実
験など、再び高まっている。開戦の可能性がなくなったわけではな
く、対立が継続する以上は安全資産需要を高める。

・欧州議会選でのポピュリズム政党の躍進。それに伴うEU懐疑論の
高まりによる域内の政情不安定化。

・英国のEU離脱がハードになる可能性があること、それに伴いスコ
ットランドの独立話が再燃していること、それがスペインのカタ
ルーニャ地方に波及する懸念があることは安全資産需要を高める。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速によ
る安全資産需要の増加。


(投機・投資要因)
・銀価格は金銀在庫レシオが銀在庫の減少、ないしは金在庫の増加、
あるいは両要因によって低下した場合、金銀レシオが上昇するリス
ク(銀価格の上昇要因)。

・金はロング・ショートとも減少したが利益確定の動きとみられ、
ロングの減少幅が大きかった。

銀はロングが減少、ショートが増加した。COMEX在庫が再び増加に
転じていることがショートを増加させた。

・プラチナはロング・ショートとも増加、パラジウムはロング・シ
ョートとも減少している。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが346,223枚(前週比
▲4,335枚)、ショートが56,133枚(▲1,880枚)、ネットロングは290,
090枚(▲2,455枚)、銀が97,520枚(▲8,514枚)、ショートが58,251
枚(+2,049枚)、ネットロングは39,269枚(▲10,563枚)

・直近の投機筋のポジションは、プラチナはロングが46,105枚(前
週比 +1,894枚)、ショートが24,429枚(+2,162枚)、ネットロングは
21,676枚(▲268枚)、パラジウムが13,795枚(▲1,102枚)、ショート
が4,624枚(▲700枚)、ネットロングは9,171枚(▲402枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】
シカゴ穀物市場は上昇した。トランプ大統領が近々、習近平首席と
電話会談をするとの報道を受けて、農産品の輸入停止問題に進捗が
あるのではとの期待が高まったことが背景。

ただし、どちらかといえば米需給報告を受けて大きく水準を切下げ
ていたため、週末を控えて買戻しがはいったと考えるほうが適当か。

【穀物価格見通し】
シカゴ穀物価格は下値余地を探る動きになると考える。米国の作柄
は全く良くないものの、当初見通しよりも生産見通しが上方修正さ
れていることや、中国の米国に対する農産品禁輸措置によって需給
緩和観測が強まるため。

米国の不作の影響は期末在庫の水準低下を促し、来年以降に起きる
可能性が指摘されているラニーニャ発生時にその水準の低さが意識
されることになるとみている(長期的には上昇の入り口か)。

【価格変動要因の整理】
(マクロ要因)
・米国のトウモロコシ・大豆の生産見通し上方修正による需給緩和
観測。

・豪州東部の大干ばつによる小麦生産の減少懸念。

・欧州・ロシアの気温上昇に伴う小麦生産の減少懸念。

・最終確定作付け面積動向(トウモロコシは増加、大豆は減少、小
麦は横ばい)
トウモロコシ 9,170万エーカー(市場予想8,703万エーカー、
前年8,913万エーカー)
大豆 8,004万エーカー(8,468万エーカー、8,920万エーカー)
小麦 4,561万エーカー(4,561万エーカー、4,780万エーカー)


・8月の米需給報告の生産見通し

トウモロコシ139億100万Bu(前月138億7,500万Bu)
大豆 36億8,000万Bu(38億4,500万Bu)
小麦 19億8,000万Bu(19億2,100万Bu)


・8月の米需給報告の在庫見通し
トウモロコシ21億8,100万Bu(20億100万Bu)
大豆 7億5,500万Bu(7億9,500万Bu)
小麦 10億1,400万Bu(10億Bu)


・米緩和観測に伴う実質金利の低下に伴うドル安の進行は、シカゴ
穀物の輸出競争力を改善し、需給面で価格の上昇要因に。


(特殊要因)
・米中通商交渉は再び難航しており相互制裁強化となっている。こ
の問題は覇権争いが根幹にあり長期化の可能性は高い(価格の下落
要因)。

・エルニーニョ現象は終息に向かっているが、より、北米の穀物生
産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に
来年以降にかけて価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価
格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。


(投機・投資要因)
・トウモロコシはロングが減少、ショートは増加で供給懸念は後退。
大豆はロングが増加、ショートが減少。

小麦はトウモロコシが軟調な中、ロングが減少し、ショートもトウ
モロコシと同様増加した。総じて供給懸念は以前よりも後退してい
る。

・直近の投機筋のポジションは、トウモロコシはロングが415,025
枚(前週比 ▲9,322枚)、ショートが253,386枚(+50,659枚)、ネット
ロングは161,639枚(▲59,981枚)、大豆はロングが151,720枚(+5,76
5枚)、ショートが169,367枚(▲2,065枚)、ネットロングは▲17,647
枚(+7,830枚)、小麦はロングが118,406枚(▲2,482枚)、ショートが
102,091枚(+2,663枚)、ネットロングは16,315枚(▲5,145枚)


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◆本日のMRA's Eye
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「香港デモのリスク」

このお盆は市場は大荒れとなった。株価が急落し、各国中央銀行の
利下げや金融量的緩和期待が高まり、市場は金融相場入りした感が
強まっている。しかし、国によってまだ景況感には相対的な温度差
があるようだ。

経済統計を見るにまだ米国の経済指標は同国の景気がさほど顕著に
減速していないこと(個人消費は底堅く、マインド系のソフト指標
も回復)、それに対して中国の工業生産や固定資産投資などの統計
は(統計の操作があったとしても)明確に減速を始めており、両国
の景況感格差が拡大したことを示唆している。

この結果、米国は中国に対する制裁を継続する可能性が高い(ただ
し、追加関税第4弾は直接米国の消費者に影響を与えるとみられる
ことから、先送りとなっている)。

通商交渉に焦点が集まっているが、実はより気にしなければならな
いのは香港のデモ拡大の動きだろう。

はっきりしたことはわからないが、今回の香港デモに米国が関わっ
ている可能性は否定できない。

これも証拠はないが、2000年代初頭から「カラー革命」「花の革
命」として中・東欧、中央アジアの旧共産圏諸国で起こった一連の
革命が、米国のCIA主導のものであったとする見方がある。

もっとさかのぼるとイランのモサッデク政権を転覆させるために、
「エイジャックス作戦」をCIAが主導したことは、公文書でも明ら
かになっている。これと同様の動きが香港でも見られているのでは
ないか、と中国政府は指摘しているのだが、当たらずとも遠からず
だろう。

そもそも香港のデモは、香港人が台湾で妻を殺害して帰国、その妻
の受け渡しを台湾警察が要求したが香港政府はこれを拒否、こうい
った問題に対応できるように法改正を進めようと香港政府はしたわ
けだが、引き渡し先に中国が含まれることで反発が強まった。

香港はかつて英国の植民地だったが1997年に中国に返還されるにあ
たり、50年間は資本主義を採用し、社会主義の中国と異なる制度を
維持(外交と国防以外)が認められている。

これにより香港では中国本土では制約されている言論・報道・出版
の自由、集会やデモの自由、信仰の自由が認められているが、人権
活動家など、中国政府の意向に沿わない人間が中国本土に移送され
る、との懸念が強まっているのがデモの背景である。

では、今後の展開はどうなるか。香港行政府がデモ隊の主張を飲む
ケースはほとんど限りなくゼロに近い確率で起きないと考えられる。
もしこれが通れば、ほかの都市でもデモが起きることは必至だから
だ。

となると、1.中国政府が軍事的に介入し強制的にデモを終息させ
る(天安門事件の再来)、2.デモ隊がデモ疲れして自然消滅する、
のどちらかしかない。

今年は10月1日の中国建国70周年記念パレードが予定されているた
め、2.を中国政府は選択したいと考えているが、仮に10月1日に間
に合わなかった場合、1.を選択する可能性は排除できない。

これは何を意味するか。実質的に中国が一国二制度を放棄し、香港
を中国に取り込むことを意味する。

こうなると、金融取引所としての地位は恐らくシンガポールにその
座を明け渡すことになるだろうし、香港も米国の対中制裁の対象に
含まれることになるため、台湾などが漁夫の利を得ることになるだ
ろう。

もちろん、武力鎮圧によって世界的な批判が高まることは間違いが
ない。仮に2.を選択したとしても今後に失望した富裕層などが積
極的に海外に移住するだろう。華僑は基本的に自国から他国に移り
住むことに抵抗感がないのはよく知られていることである。

今回のデモの結果、金融取引も含めたマネーフローが大きく変化す
る可能性があることを考えると、商品市場としても無視できないイ
ベントになっているといえるだろう。


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◆主要ニュース
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・7月日本工作機械受注速報 前年比▲33.0%の1,012.68億円
(前月▲37.9%の989.28億円)
 外需 ▲38.9%の600.75億円(▲36.4%の612.28億円)


・6月日本機械受注総額 前月比 +6.3%の2兆3,522億円(前月
▲6.0%の2兆2,119億円)、前年比▲0.4%(▲11.2%)
 船舶電力を除く民需 前月比+13.9%の9,603億円(▲7.8%の
8,429億円)、前年比+12.5%(▲3.7%)


・7月中国マネーサプライ M2 前年比+8.1%の191兆9,400億元
(前月+8.5%の192兆1,400億元)
 M1 +3.1%の55兆3,000億元(+4.4%の56兆7,700億元)
 ファイナンス規模 1兆100億元(2兆2,629億円)


・7月中国人民元建て新規融資 前年比▲27.1%の10,600億元(前月
 ▲9.7%の16,637億元)


・7月対中直接投資 前年比+8.7%の548.2億元(前月+8.5%の
1,092.7億元)、1-7月期+7.3%の5,331.4億元(1-6月期+7.2%の
4,783.3億元)


・Q219中国国有銀行不良債権 2兆2,352億元(前期 2兆1,571億
元)、不良債権比率 1.81%(1.80%)


・1-7月期中国工業生産 前年比+5.8%(1-6月期+6.0%)、
7月+4.8%(前月+6.3%)


・1-7月期中国固定資産投資 前年比+5.7%の34兆8,892億元
(1-6月期+5.8%の29兆9,100億元)
 公的 +7.1%(+6.9%)、民間 +5.4%(+5.7%)


・1-7月期中国小売売上高 前年比+8.3%の22兆8,283億元
(1-6月期+8.4%の19兆5,210億元)
 7月+7.6%の3兆3,073億元(前月+9.8%の3兆3,878億元)


・1-7月期中国不動産開発投資 前年比+10.6%の7兆2,843億元
(1-6月期+10.9%の6兆1,609億元)


・7月インド貿易収支 ▲134億3,000万ドルの赤字(前月
▲152億8,000万ドルの赤字)
 輸出 前年比+2.3%(▲9.7%)、輸入 ▲10.4%(▲9.1%)

・8月ZEW独景況感調査期待指数 ▲13.5(前月▲1.1)、
現況指数 ▲44.1(▲24.5)、ユーロ圏期待指数 ▲43.6
(▲20.3)

・Q219独実質GDP速報 前期比▲0.1%(前期改定+0.4%)、
労働日調整済前年比±0.0%(+0.8%)、
季節調整前 前年比+0.4%(+0.9%)

・6月ユーロ圏貿易収支(季節調整済) 179億ユーロの黒字
(前月 196億ユーロの黒字)
 調整前 206億ユーロの黒字(230億ユーロの黒字)

・7月米消費者物価指数 前月比+0.3%(前月+0.1%)、
前年比 +1.8%(+1.6%)
 コア 前月比+0.3%(+0.3%)、前年比+2.2%(+2.1%)

・7月米実質平均賃金 前年比+0.8%(前月+1.2%)、
実質平均時給 +1.3%(+1.5%)

・7月米輸入物価 前月比 +0.2%(前月▲1.10%)、前年比▲1.8%
(▲2.0%)
 輸出物価 前月比+0.2%(▲0.6%)、前年比▲0.9%(▲1.6%)

・8月ニューヨーク連銀製造業景況感指数 +4.8(前月4.3)
 新規受注 6.7(▲1.5)
 受注残 ▲9.7(▲5.1)
 在庫水準 5.8(▲10.9)
 雇用者数 ▲1.6(▲9.6)
 6ヵ月先景況指数 25.7(30.8)

・8月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数 16.8(前月21.8)
 新規受注 25.8(18.9)
 受注残 9.1(3.7)
 在庫水準 8.7(8.1)
 雇用者数 3.6(30.0)
 6ヵ月先景況指数 32.6(38.0)


・7月米小売売上高 前月比 +0.7%(前月+0.4%)。除く自動車
+1.0%(+0.3%)
 除く自動車ガソリン+0.9%(+0.6%)
 除く自動車・建材+1.0%(+0.7%)


・7月米鉱工業生産 前月比▲0.2%(前月改定+0.2%)、設備稼働率
 77.5%(77.8%)

・7月米住宅着工件数 前月比▲4.0%の119.1万戸(前月改定
▲1.8%の124.1万戸)

・7月米住宅建設許可件数 前月比+8.4%の133.6万戸(前月改定
▲5.2%の123.2万戸)

・8月米ミシガン大学消費者マインド指数速報 92.1(前月98.4)
 現況指数 107.4(110.7)
 先行指数 82.3(90.5)
 1年期待インフレ率 2.7%(2.6%)
 5年期待インフレ率 2.6%(2.5%)


・6月OECD景気先行指数 OECD 99.1(前月 99.1)
 ユーロ圏 99.0(99.1)
 アジア 99.3(99.3)
 G7 98.9(99.0)
 日本 99.3(99.3)
 ドイツ 98.7(99.0)
 米国 98.8(98.9)
 中国 98.9(98.8)
 インド 100.2(100.3)
 ロシア 99.4(99.5)


・米国、台湾にF16を売却。中国は断固反対。

・独シュピーゲル誌、「独連立政権は景気後退に陥った際に備え財
政均衡ルールを撤廃し、新たな借り入れを行う用意を整える方
針。」


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◆エネルギー・メタル関連ニュース
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【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油+1.6MB(クッシング▲2.5MB)
 ガソリン▲1.4MB
 ディスティレート▲1.9MB
 稼働率▲1.6%

 原油・石油製品輸出 7,763KBD(前週比+170KBD)
 原油輸出 2,604KBD(+38KBD)
 ガソリン輸出 649KBD(▲41KBD)
 ディスティレート輸出 1,385KBD(+127KBD)
 レジデュアル輸出 209KBD(+65KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,112KBD(▲18KBD)
 その他石油製品輸出 1,603KBD(▲13KBD)


・DOE天然ガス稼働在庫 2,738BCF(前週比+50BCF)
 東部 634BCF(+21BCF)
 中西部 729BCF(+28BCF)
 山間部 164BCF(+3BCF)
 太平洋地区272BCF(UCBCF)
 南中央 939BCF(▲2BCF)


・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数770(前週比+6)、 
ガスリグ 165(前週比▲4)。


・IEA月報
 世界石油需要 Q119:99.1、Q219:99.7、Q319:101.3、
Q419:101.4、2019:100.4
 非OPEC供給(含むNGLs) Q119:63.9、Q219:64.5、Q319:65.1、
Q419:65.7、2019:64.8
 Call on OPEC Q119:35.2、Q219:35.2、Q319:36.2、
Q419:35.7、2019:35.6

※需要見通し下方修正。

・OPEC月報
 世界石油需要 Q119:98.8、Q219:99.3、Q319:100.7、
Q419:100.9、2019:99.9
 非OPEC供給(含むNGLs) Q119:63.8、Q219:63.7、Q319:64.2、
Q419:65.9、2019:64.4
 Call on OPEC Q119:35.0、Q219:35.6、Q319:36.5、
Q419:35.0、2019:35.5

※需要見通し上方修正で、Call on OPECは増加。


【メタル】
・7月中国銅輸入 42万トン(前月 33万トン)、銅鉱石・精鉱 
207万トン(147万トン)
 アルミ(未加工品含む) 輸出 49万トン(51万トン)

・7月中国鉄鉱石輸入 9,102万トン(前月7,518万トン)


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◆主要商品騰落率
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【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TGE大豆 ( 穀物 )/ +4.48%/ ▲1.09%
2.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ +2.84%/ ▲1.07%
3.CBTエタノール ( エネルギー )/ +2.76%/ +3.09%
4.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ +2.55%/ +2.90%
5.SHFニッケル ( ベースメタル )/ +2.49%/ +43.08%


【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.TGEトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲20.34%/ ▲15.07%
69.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲4.86%/ +0.17%
68.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ ▲4.62%/ +1.68%
67.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲2.84%/ ▲50.09%
66.LME錫 3M ( ベースメタル )/ ▲2.24%/ ▲14.67%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目で
す。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容
赦ください。

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◆主要指標
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【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :25,886.01(+306.62)
S&P500 :2,888.68(+41.08)
日経平均株価 :20,418.81(+13.16)
ドル円 :106.38(+0.26)
ユーロ円 :117.98(+0.11)
米10年債利回り :1.55(+0.03)
独10年債利回り :▲0.69(+0.03)
日10年債利回り :▲0.23(+0.01)
中国10年債利回り :3.02(+0.01)
ビットコイン :10,395.4(+22.68)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :26.07(▲0.37)
エネルギー :35.99(+0.19)
ベースメタル :19.38(▲0.85)
貴金属 :20.15(▲0.28)
穀物 :23.32(▲0.32)
その他農畜産品 :27.56(▲0.46)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :47.41(+0.03)
Brent :43.70(▲0.06)
米天然ガス :38.05(+1.58)
米ガソリン :44.92(+0.36)
ICEガスオイル :31.20(▲0.38)
LME銅 :12.59(▲2.27)
LMEアルミニウム :9.56(+0.47)
金 :16.90(▲1.65)
プラチナ :17.33(+0.11)
トウモロコシ :35.25(+1.5)
大豆 :16.90(▲1.65)

【エネルギー】
WTI :54.87(+0.40)
Brent :58.64(+0.41)
Oman :58.44(+0.42)
米ガソリン :165.68(+2.04)
米灯油 :181.28(+0.21)
ICEガスオイル :559.50(▲0.50)
米天然ガス :2.20(▲0.03)
英天然ガス :30.48(▲0.89)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :58.64(+0.41)
SPO380cst :296.11(+7.88)
SPOケロシン :73.41(+0.07)
SPOガスオイル :73.13(▲0.15)
ICE ガスオイル :75.10(▲0.07)
NYMEX灯油 :182.17(+0.13)

【貴金属】
金 :1513.52(▲9.77)
銀 :17.11(▲0.15)
プラチナ :849.18(+8.10)
パラジウム :1451.42(+3.21)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,735(+6:25C)
亜鉛 :2,273(+3:8.5C)
鉛 :2,047(+7:3B)
アルミニウム :1,784(+7:28.5C)
ニッケル :16,055(+65:35B)
錫 :16,850(▲5:45C)
コバルト :32,136(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5754.50(+14.50)
亜鉛 :2267.50(+4.00)
鉛 :2034.00(▲25.00)
アルミニウム :1795.50(+10.50)
ニッケル :16185.00(+5.00)
錫 :16605.00(▲380.00)
バルチック海運指数 :2,088.00(+41.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :92.84(+0.26)
NYMEX鉄鉱石 :93.61(▲0.15)
NYMEX原料炭スワップ先物 :156.5(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,785(▲205)
上海鉄筋中心限月 :3,714(+14)
米鉄スクラップ :294(±0.0)

【農産物】
大豆 :867.25(+9.25)
シカゴ大豆ミール :294.90(+3.10)
シカゴ大豆油 :29.13(+0.06)
マレーシア パーム油 :2143.00(▲29.00)
シカゴ とうもろこし :371.00(+10.25)
シカゴ小麦 :470.75(+1.75)
シンガポールゴム :152.80(+3.80)
上海ゴム :10370.00(+70.00)
砂糖 :11.64(+0.01)
アラビカ :92.85(▲1.70)
ロブスタ :1304.00(▲20.00)
綿花 :60.08(+0.42)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :62.00(▲3.00)
シカゴ生牛 :99.93(▲0.28)
シカゴ飼育牛 :134.58(▲1.20)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容
赦ください。

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