MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(8月22日)
◆昨日のメタル市場総括
「欧州不安の後退と、中国の追加緩和期待で上昇」
1.スペイン国債入札の好調
昨日実施されたスペイン短期国債の入札が予想以上に好調であり、市場参加者の欧州債務危機に対する不安が後退している
ことが確認され、リスクオンを助長しリスク資産の押し上げ材料となった。
2.中国人民銀行の大量資金供給
中国人民銀行が2,200億元の大規模資金供給を行った(7月24日以来)。これだけで価格上昇にはつながり難いが、今後の追加
金融緩和を期待させるものであり、特にメタルにはプラスに作用した。
3.ドル安の進行
スペイン国債入札の好調に加え、ギリシャ問題の解決に向けて週内、欧州首脳が会合すると伝えられたことは、欧州危機懸念を後退させユーロ高・ドル安を誘発し、ドル建て資産の買い材料となった。
◆今日のメタル市場見通し
「現状水準で底堅い推移。FOMC議事録に注目。」
1.ECBの国債購入再開の可能性の高まり
独連銀が予想通り国債の購入に反対してきたが、南欧高債務国救済のためには国債購入は必須の状況。政治的にも国債購入再開は規定路線であり、リスク資産の買い材料。但し独連銀の対応は波乱要因となる。
2.FOMC議事録
FRBの追加緩和実施可否に関する手掛かり材料として注目したい。(しかし、現在より注目度が高いのはジャクソンホールでのバーナンキ議長講演)。
3.中国の追加金融緩和期待
住宅価格の上昇を受け、中国の金融緩和の実行に対する懐疑的な見方をする市場参加者は増えている。しかし昨日の資金供給等は、今後の追加対策実施の期待を高め、メタルの支援材料となる。